2010年RA分類基準
リウマチの治療の 4 本柱
④ 重症の関節リウマチやMTX効果不十分な患者さん に対して、MTXと生物製剤、MTXと他の抗リウマチ薬の
併用は、単剤での治療に比べて優れた効果を発揮する。
MTX がアンカードラッグに位置づけられる理由
MTX
生物 製剤
抗リウ マチ薬
アンカー=錨(いかり)
船を海底につなぎ止める重要な役割
試合を左右する重要な役割を果たしている人物
アンカードラッグ
関節リウマチ治療の中心的薬剤
他の薬剤と併用するときの基本薬
6mg/週で 開始 副作用危険因子(+)
・高齢者
・GFR<60ml/min
・肺病変(+)
・アルコール常飲者
・NSAIDsなど複数薬物
通常
予後不良因子(+)
・高活動性(非高齢)
・血清反応高値
・骨びらん(+)
・身体機能制限
・RF or CCP抗体陽性
・難治例(2年以上、他の 2剤以上のDMARD)
2-4mg/週で開始 漸増
適宜 葉酸併用
8mg/週で開始 適宜 葉酸併用
継続
効果減弱
8mg/週に増量 適宜 葉酸併用
継続
効果減弱
16mg/週まで 漸増
抗リウマチ薬併用
生物学的製剤 併用
MTXをアンカーと した併用療法
治療目標 達成
効果不十分
4-8週間
4-8週間
治療目標 達成
効果不十分
4-8週間
4-8週間
MTX の投与開始量とその後の調節 (
MTX診療ガイドライン
2011年版)
疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)(MTX以 外)
・免疫の働きを調節したり、免疫異常を改善して、
関節が壊れるのを抑えます。
・人によって効き目が異なることが多く、
効果があらわれるのに、通常1~数ヵ月かかります。
・はじめは効果があった人が途中から効かなくなる(エス ケープ現象)ことがある。
疾患修飾性抗リウマチ薬
(DMARDs)
【主な副作用】
個々のお薬によって異なります。
次スライドを参照ください。
ディーマーズ
痛みを抑える 腫れを抑える 関節が壊れるのを 抑える
効果が現れる までの時間
△ △ △ 1- 数ヶ月
日本で使用可能なDMARDsの種類と副作用
免疫調節薬 主な製品名 注意すべき副作用
金チオリンゴ酸ナトリウム シオゾール 皮疹、蛋白尿
オーラノフィン リドーラ 下痢・軟便
D-ペニシラミン メタルカプターゼ 皮疹、蛋白尿、肝障害、血小板減少、自 己免疫疾患の誘発
イグラチモド ケアラム、コルベット 胃腸障害、肝機能障害 サラゾスルファピリジン アザルフィジンEN 皮疹、発熱、肝障害
ブシラミン リマチル 皮疹、蛋白尿、黄色爪
アクタリット オークル、モーバー 皮疹
免疫抑制薬 主な製品名 注意すべき副作用
メトトレキサート(MTX) リウマトレックス 間質性肺炎、骨髄障害、肝障害、口内炎 嘔気、脱毛
ミゾリビン プレディニン 高尿酸血症
レフルノミド アラバ 肝障害、骨髄障害、下痢、感染症、間質
性肺炎
タクロリムス プログラフ 腎障害、高血圧、耐糖能異常
「診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン」(厚生労働省研究班)より改変
抗リウマチ薬の種類と分類
強力な抗リウマチ薬
有効率>
50%、関節破壊抑制効果
(+)免疫抑制作用(+)
マイルドな抗リウマチ薬
有効率
25-40%、
関節破壊抑制効果
(?)特殊な抗リウマチ薬
血管炎や間質性肺炎など の
関節外症状に保険適応外 で使用
リマチル
アザルフィジンEN シオゾール メタルカプターゼ
リウマトレックス メトレート(MTX) アラバ
プログラフ
イムラン エンドキサン ネオーラル
ブレディニン
ミノマイシン
モーバー、オークル カルフェニール
生物学的製剤
生物学的製剤
【主な副作用】
細菌感染症、結核、ウイルス感染、ニューモシスチス 肺炎、帯状疱疹などの感染症
間質性肺炎、注射部位反応、インフュージョンリアク ション(点滴時の血圧低下や発熱、皮疹など)
・バイオテクノロジー技術を用いて開発された最新の薬。
・病気を引き起こす物質を標的とし、その働きを抑え、
関節リウマチの症状を改善し、関節破壊を抑制します。
・開始後すぐに効果があらわれることが多く、約80%の 患者さんに有効です。
・点滴や皮下注射のお薬です。
3)-11
痛みを抑える 腫れを抑える 関節が壊れるの を抑える
効果が現れる までの時間
○ ○ ◎ 1-8 週間
日本で使用されている生物製剤
一般名
エタネルセプトETN
アダムマブ ADA
ゴリムマブ GLM
インフリキシマブ IFX
トシリズマブ TCZ
アバタセプト ABT
商品名
エンブレル ヒュミラ シンポニー レミケード アクテムラ オレンシア作用
TNFα阻害剤 IL-6阻害 T細胞の活性化調節
MTX
併用
併用が効果良 必須投与経路
皮下注射 点滴2時間
点滴 1時間
点滴 30分
投与間隔
週1or2回 自己注射○2週に1回 自己注射
○
4週に1回 自己注射×
初回投与後 2,6週後、
以後8週毎
4週に1回 初回投与後 2,4週後 以後4週毎
特徴
長期安定感染少ない 妊娠中使用例
MTX併用 ないと効果
不十分
即効性 Bio Freeの
可能性
MTX非認容
例に単独で 有効
発現まで 3-6ヶ月かかる
こともある
リコンビナント蛋白と ヒトIgG-Fcの融合蛋白
リコンビナント蛋白と ヒトIgG-Fcの融合蛋白 キメラ型抗体 ヒト化抗体
ヒト型抗体 ヒト型抗体
生物製剤の作用機序
ヘルパー
T細胞
(司令官)
樹状細胞
(伝令係)
B
細胞 マクロファージ
軟骨細胞 滑膜線維芽細胞 骨
破骨細胞
TNF-α、INF-γ 、IL-2
IL-6
MMP3
TNF-α
、
IL-1、
IL-6
IL-6RANKL RANK
RANKL
軟骨破壊
関節裂隙狭小化 関節の腫れ、疼痛 関節の炎症
骨吸収 骨破壊 オレンシア
レミケード ヒュミラ シンポニー シムジア エンブレル
アクテムラ
生物製剤の副作用
高
低 低 高
重症度 頻 度
感染症
投与時反応
心不全の増悪
自己免疫疾患の誘発
悪性腫 瘍?
臨床検査値異 常
注射部位反応
生物製剤の市販後調査における感染症の発症
インフリキシマブ エタネルセプト アダリムマブ トシリズマブ アバタセプト
症例数 5000 13894 7740 7901 7413 副作用発現例数 1401 3714 1857 3001 885
同発現率 28.0% 26.7% 24.0% 38.0% 11.9%
重篤な副作用発現例 数
308 636 348 589 162
同発現率 6.2% 4.6% 4.5% 7.5% 2.2%
細菌性肺炎 108(2.2%) 174(1.3%) 104(1.3%) 118(1.5%) 32(0.4%) 間質性肺炎 25(0.5%) 81(0.6%) 53(0.7%) 35(0.4%) 16(0.2%) ニューモシスチス肺炎 22(0.44%) 25(0.18%) 26(0.34%) 14(0.18%) 10(0.13%)
結核 14(0.28%) 10(0.08%) 9(0.12%) 5(0.06%) 4(0.05%)
生物学的製剤投与時の感染症予防対策
ワクチン接種は? 肺炎球菌ワクチン
インフルエンザワクチン接種を検討
結核は?
病歴
(家族歴、既往症
)胸部レントゲン、CT検査
ツベルクリン反応、クオンティフェロン
抗結核剤の予防投与
ニューモシスチス肺炎は?
高齢
(≧65歳
)、既存の肺病変 ステロイド(PSL6mg以上)、MTX
B 型肝炎は?
HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体
HBV-DNAの定期的な測定
→
陽性時は核酸アナログ製剤の 投与を検討
ST
合剤の予防内服
生物学的製剤の使用を考慮するケース
④抗リウマチ薬による治療経験がなくても、関節リウマチと診断されてから6ヵ月未満で、
病気の勢いが強く、関節の壊れるスピードが速いと予測される場合、TNF阻害薬と MTXの併用による治療を考慮する。