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重大事態が発生した場合、市立学校は電話等で直ちに教育委員会に事態発生について報告します。

第一報を受けた教育委員会は、その事案について、いじめの有無やいじめとの因果関係が確認でき なかったとしても、市長へ報告します。

(1)教育委員会への第一報

学校の調査等により、それぞれの要件(自殺や怪我、精神疾患、不登校等)といじめとの因果関 係が確実になった時点で「重大事態」と判断するものではない点に留意し、教育委員会への第一報 を入れます。

ア 学校がその事案を認知したとき(当日)

(学校の設置者又はその設置する学校による対処-「いじめ防止対策推進法」から)

第28条第1項第1号 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な 被害が生じた疑いがあると認めるとき

(公立の学校に係る対処-「いじめ防止対策推進法」から)

第30条 地方公共団体が設置する学校は、第28条第1項各号に掲げる場合には、当該地方公 共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなけ ればならない。

市教委への第一報 学校がその事案を認知

したとき(当日)

明確な理由がなく、連 続で1週間欠席したと き、または連続でない ものの欠席日数が7日 間になったとき

児童・生徒や保護者か らの申立てがあり、重 大事態の疑いがあると 認めるとき(当日)

○児童・生徒が自殺を企図し た場合

○身体に重大な障害を負った 場合

○金品等に重大な被害を被っ た場合

○精神性の疾患を発症した場

概ね30日程度の欠席

(事案によっては30日を待 たずに判断する)

判断の目安

いじめにより当該学校に在籍する児童・

生徒が相当の期間学校を欠席することを 余儀なくされている疑いがあると認める とき。

(法第28条第1項第2号)

いじめにより当該学校に在籍する児童・

生徒の生命、心身または財産に重大な被 害が生じた疑いがあると認めるとき。

(法第28条第1項第1号)

重大事態の定義

いじめの有無や因果関係とは 別に、児童・生徒や保護者の 申立てがあり、左記のいずれ かの要件を満たす場合

学校が重大事態に該当する かもしれないと捉え、速や かに調査したところ、重大 事態の疑いあり

児童・生徒や保護者からいじめられて重 大事態に至ったという申立てがあったと き。

(いじめの防止等のための基本的な方 針)

31 (判断の目安)

・児童・生徒が自殺を企図した場合(例)自死行為(未遂含む)

・身体に重大な障害を負った場合(例)骨折、打撲傷、火傷等

・金品等に重大な被害を被った場合(例)多額の金銭や所持品を脅し取られる等

・精神性の疾患を発症した場合(例)うつ病等の精神疾患等

特に犯罪行為との関連が認められる場合は、警察をはじめとする関係機関や専門家等と連携 し、速やかに対応します。

イ 明確な理由がなく、連続で1週間欠席したとき、または連続でないものの欠席日数が7日間に なったとき

(判断の目安)

○概ね30日程度の欠席(事案によっては30日を待たずに判断する)

欠席の日数が30日になった時点で重大事態であると判断して対応を始めたとしても、調 査委員会の設置等には時間がかかることから対応が遅れることが考えられます。このことか ら、市立学校は目安である30日を待つことなく、事前に教育委員会への報告(第一報)を 行います。

ウ 児童・生徒や保護者からの申立てがあり、重大事態の疑いがあると認めるとき(当日)

(判断の目安)

○いじめの有無や因果関係とは別に、児童・生徒や保護者の申立てがあり、上記のア、イのい ずれかの要件を満たし、学校が重大事態に該当するかもしれないと捉え、速やかに調査した ところ、重大事態の疑いがある場合。

(学校の設置者又はその設置する学校による対処-「いじめ防止対策推進法」から)

第28条第1項第2号 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席する ことを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

(重大事態の意味について-「いじめの防止等のための基本的な方針」から)

児童・生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったとき。

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(2)判断のポイント

重大事態に該当するとわずかでも考えられる事案、判断に迷う事案については、教育委員会への 第一報を速やかに行います。

ア 重大事態に該当するかもしれないという疑いがあると認めるとき

イ 疑われる事案が「重大事態」か否かの判断は、学校からの第一報をもとに学校と教育委員会 が協議し、客観的・多面的に判断

(3)報告書の提出

市立学校は、電話等で教育委員会へ重大事態の発生を報告した上で、即日に対応し、調査を行い、

改めて文書にて教育委員会教育長宛てに重大事態発生の経緯を報告します。この報告書の作成に当 たっては、5W1Hを明確にして事実を簡潔に記載します。

なお、報告書を受理した教育長は、教育委員会に重大事態の発生を報告するとともに、報告書の 写しを速やかに市長へ提出します。

重大事態と考えられる具体的事例

①児童・生徒が自殺を企図した場合

○軽傷で済んだものの、自殺を企図した。

②心身に重大な被害を負った場合

○リストカットなどの自傷行為を行った。

○暴行を受け、骨折した。

○投げ飛ばされ脳震盪となった。

○殴られて歯が折れた。

○カッターで刺されそうになったが、とっさにバッグを盾にしたため刺されなかった。

○心的外傷後ストレス障害と診断された。

○嘔吐や腹痛などの心因性の身体反応が続く。

◯多くの児童・生徒の前でズボンと下着を脱がされ裸にされた。

◯わいせつな画像や顔写真を加工した画像をインターネット上で拡散された。

③金品等に重大な被害を被った場合

◯複数の児童・生徒から金品を強要され、総額1万円を渡した。

◯スマートフォンを水に浸けられ壊された。

④いじめにより転学等を余儀なくされた場合

◯欠席が続き(重大事態の目安である30日には達していない)当該校へは復帰できない と判断し、転学(退学)した。

【いじめの重大事態の調査に関するガイドライン 文部科学省 平成29年3月】

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