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配水施設

ドキュメント内 水道施設設計基準(平成29年5月1日改正) (ページ 126-178)

第5章  土木・建築構造物の設計

第8節  配水施設

第5章 土木・建築構造物の設計 第1節 設計の考え方

1.設計の基本

1 構造物等の設計は、業務が複雑化、専門化しており、高度な技術力が要求されるこ  とから、外部の設計業者へ委託しているが、管理監督する発注者にも、良質なものを  低廉なコストでタイムリーに調達するための、高度な技術力が求められる。

2 発注者と受注者は、構造物等の設計において、技術の進歩、社会的な動向などを踏  まえ、設計の自由度を尊重しながら、品質、性能とも優れた施設設計を行わなければ  ならない。

2.適用および手続き

1 施設の設計にあたっては、「本設計基準」「設計指針」「配水池等建設に関する指  針(付則-2)」「維持管理指針」「耐震工法指針」および、施設の建設に関連する  基準等に基づき設計する。

2 施設の配置や構造は、維持管理に最も容易で経済的なものとする。また、計画担当  課は維持管理担当課等と協議し、施設計画及び設計、施工を行わなければならない。

3 水道施設のうち、特に取水、貯水、導水及び浄水施設の建設等の事業については、

 水道事業の変更認可等の要件を確認し、必要に応じて事務手続を行わなければならな  い。

4 民間の新技術の開発は著しいものがあり、その採用にあたっては、水質汚染がない  ことが原則とする。また、経済性や維持管理のしやすさ等を考慮しなければならない。

5 管路については、特別な場合を除き、本設計基準の「第4章 管路の設計」および  「局管路施設資材使用基準」、局水道施設工事共通仕様書に基づくものとする。

〔解説〕

1について:関連する基準等は、「第1章 第3節 関連法令と技術基準等」記載の法 令および基準等(以下、「技術基準等」という。)を言う。

2について:施設の建設後には、その施設を必ず維持していかなければならないので、

計画及び設計時から計画及び設計担当課は、維持管理を担う課等と施設配置や施設構造、

処理方法等の段階ごとに、浄水水質の品質確保、業務時の作業員の安全確保や作業の高 効率等について、打合せを持ちながら進めること。

 また、経済性については、維持経費や運転経費、建設費等について考慮する必要があ る。

3について:施設の新設、拡張及び改良等の実施においては、水道法に基づき「変更認 可」及び「変更認可を要しない軽微な変更の届出」の手続きが必要となる場合もあるの で、その場合は事業の実施前に厚生労働大臣(健康局水道課)から認可等を受けなけれ ばならない。

⑴ 認可変更が必要な施設 ア 給水区域の拡張

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イ 給水対象の増加(水道用水供給事業が対象)

ウ 給水人口の増加 エ 給水量の増加 オ 水源の種別の変更 カ 取水地点の変更 キ 浄水方法の変更

⑵ 変更認可を要しない軽微な変更の届出

ア 給水区域の拡張又は給水人口(水道用水供給事業にあっては給水対象)若しくは  給水量の増加に係る変更

イ 浄水方法の変更 ウ 取水地点の変更

※ 詳細については、水道事業等の認可の手引き(平成23年10月版)を参照

 また、施設の使用開始前には、開始届を厚生労働大臣(健康局水道課)に提出しなけ ればならない。

4について:採用にあたっては、次のとおりとする。

⑴ 新設の施設に採用する場合

 施工実績、建設および維持管理等のコスト比較、管理のしやすさ等を考慮するとと もに、施工実績のある水道事業者に直接確認するなどした上で、採用の判断を行う。

⑵ 既設構造物へ採用する場合

 施工実績、建設および維持管理等のコスト比較、管理のしやすさ等を考慮するとと もに、局の小規模施設での試験採用等を行い、評価をした上で採用の判断を行う。

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第2節 施設構造の基本事項 1.設計条件等

1 水道施設の一般構造は、計画で設定した全体のシステムの使用年数や個々の施設の  耐用年数に基づき、設計条件を設定する。

〔解説〕

1について:施設の設計では、次の各項について検討する。

⑴ 想定すべき荷重等

 水道施設の設計では、想定される荷重(自重、積載荷重、水圧、風圧、地震力、積 雪荷重、氷圧、温度応力、浮力および揚圧力等)に対して、構造上安全で、かつ経済 的、耐久性を有する設計とする。

 特に、地震時においては、水道施設の重要度に応じ、必要な耐震性能を有するとと もに、液状化、側方流動等によって生じる影響についても考慮しなければならない。

⑵ 関係施設・設備間の調整

 水道施設は、土木、建築、機械・電気等の設備が一体となって構成されており、設 計にあたっては、関係する施設・設備間の調整を行い、それぞれの機能や維持管理に 支障のない構造とする。また将来の施設の改良・更新にも対応できる空間や強度につ いても考慮しなければならない。

⑶ 水質汚染・衛生面への配慮

 施設は、内部からの漏水がなく、かつ外部からも汚染のおそれがない構造とする必 要から、材料の選択、施工方法において、衛生的で水密性の高いものを選択する。

 また、資機材等についても、水質への汚染がないものを選択しなければならない。

⑷ 薬品による腐食、水流等による磨耗対策

 施設には、塩素や凝集剤等の薬品によって腐食を受けるもの、または水流や稼働状 態により磨耗するものがあるので、材料、資機材および施工方法の選択においては、

十分な検討が必要となる。なお必要に応じて耐食性、耐磨耗性を有するものを選択で きる。

⑸ 海岸周辺施設の塩害対策

 海岸周辺にある施設は、塩害によりコンクリートの劣化や機器や材料等の腐食を促 進するので、これを防止または軽減するため、環境条件に対応した設計、材料および 防食方法等の適切な対策を選択し、施設の耐久性を確保する。

⑹ 自然災害対策

 自然災害の対策は、洪水、津波など、過去の災害事例等の情報を収集し、減災等の 視点で検討を行う。

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2.設計荷重および外力等

1 設計は、施工中および完成後に作用する荷重および外力を適切に組合わせ行う。

2 建築物および建築基準法の対象となる工作物に用いる荷重および外力は、「建築基  準法施行令」および「建築物荷重指針・同解説(日本建築学会)」による。

〔解説〕

1について:設計に用いる自重などの死荷重や水圧などの主な荷重および外力は、次の 各項のとおりとする。

⑴ 設計に用いる材料の単位体積重量は、特別なものを除いては次の表の値を標準とす る。

水 9.8kN/㎥ (1,000kg/㎥)

土砂 17.7kN/㎥ (1,800kg/㎥)

土砂(埋戻用良質土) 15.7kN/㎥ (1,600kg/㎥)

軟岩 21.6kN/㎥ (2,200kg/㎥)

中硬岩・硬岩 24.5kN/㎥ (2,500kg/㎥)

鉄(鋼、鋳鋼、鍛鋼) 77.0kN/㎥ (7,850kg/㎥)

銅 87.3kN/㎥ (8,900kg/㎥)

ダクタイル鋳鉄 70.1kN/㎥ (7,150kg/㎥)

鉄筋コンクリート 24.5kN/㎥ (2,500kg/㎥)

無筋コンクリート 23.1kN/㎥ (2,350kg/㎥)

セメントモルタル 21.1kN/㎥ (2,150kg/㎥)

アスファルト合材 22.6kN/㎥ (2,300kg/㎥)

瀝青材(止水用) 10.8kN/㎥ (1,100kg/㎥)

木材 7.9kN/㎥ (800kg/㎥)

⑵ 積載荷重は、当該構造物の用途に応じて想定される重量を算出する。特に設備機器 等の重量物については基礎重量、運転荷重を含め適正な値を基に、荷重を算出しなけ ればならない。

 なお、建築基準法施行令第85条に掲げる事務室や会議室等については、それぞれ定 められた数値により算出することができる。

⑶ 水圧は、当該構造物の種類に応じて、静水圧、動水圧、水位の変動、流速および構 造物の形状・寸法等を考慮し、適切に算出する。

⑷ 土圧は、一般に認められている適切な公式を使用して算定する。構造物によっては、

関連する指針等で使用する公式が定めれれている場合あるので注意を要する。 

 なお、地表面に積載荷重がある場合には、土圧に含めてその影響を考慮しなければ ならない。

⑸ 風圧は、速度圧に風力係数を乗じて算定する。

⑹ 地震力は、施設の重要度および地震動レベルにより耐震水準性能を定め、耐震設計 法に基づき算定する。各施設の地震動レベル等は、本設計基準「第3章 第2節 水 道施設における耐震の考え方」に基づくものとする。 

 なお、耐震設計を行なう場合には、構造物の特性によるほか、建設地点周辺の地盤 表-5.2.1 材料の単位体積重量に関する一覧

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単位体積重量 種    類

条件に大きく支配されるので、構造物の挙動について次の事項を検討しなければなら ない。

① 地震時の地盤の変位もしくは変形

② 構造物の自重・積載荷重に起因する慣性力

③ 地震時土圧

④ 地震時動水圧

⑤ 水面揺動(スロッシング)

⑥ 液状化による地盤の側方流動

⑦ 傾斜した人工改変地盤における地盤すべり

⑺ 積雪荷重は、雪の単位体積質量に、その地方における垂直最深積雪量を乗じて算定 する。

 参考としては、建築基準法施行令第86条に「積雪深1㎝ごとに1㎡につき通常2kg 以上とする」と規定されている。

⑻ 氷の厚さに比して結氷面の小さな構造物の設計では、氷圧を考慮する。算定に使用 する氷圧は、特別の場合を除き1.5MPa程度を標準とすればよい。

⑼ 構造物の設計における温度変化の影響は、構造物の種類、環境条件、部材寸法およ び施工時期などによって発生する温度応力が異なる。

 設計に用いる温度変化の範囲は次の値を標準とするが、関連する諸基準などで別に 定める場合はこの限りではない。

ア 鋼構造物では、気候が普通の地方で-10℃から+50℃までとし、特に寒冷な 地方では-30℃から+50℃までとする。

イ コンクリート構造物では、地域別の年平均気温と月平均気温の差を温度変化の範 囲とし、一般には±15℃とする。

⑽ 地下水位の高い場所に設置する池状構造物や管渠では、空になった時の浮力に対す る安全を考慮する。対応としては、次のような対策が想定される。

① 必要に応じて構造物の自重を重くする。

② 構造物を基礎に定着させて、浮上抵抗を増加させる。

③ あらかじめ地下水位を下げる。

 なお、施工中においては、雨水等の施工箇所への流入などによる水位上昇の対策も 必要となる。

⑾ ダムや取水堰、沈砂地等の構造物では、底面の位置の相違により異なる上向きの力

(揺圧力)が作用するので、構造物の安定計算においては必要に応じて安全を確認し なければならない。

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