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54. 郗士美等題名 55. 劉荊海等題名 56. 顔真卿書碑残石

北宋

57. 劉霧題名

58. 蘇軾雪浪石盆名 紹聖元年(1094)

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書を学ぶ者にとって拓本は欠くことのできないお手本です。今日では印刷術の進歩により影印 本が手軽に入手でき、それも最旧拓本とか旧拓の佳本を原帖としていることから並の拓に優る面 があります。とはいっても原拓は影印本では味うことのできない立体感や刻石に触れてきたとい う臨場感があり魅力的です。また、影印本として流布されている種類はごく僅かで、広く学ぶの に十分とはいえず、原拓に頼らざるをえません。影印本は剪装本仕立てになったものに限られ、

整本はその大きさ故に無きに等しい状態です。結構や筆法を習うには剪装本でないと適いません が、全体構成である章法を学ぶには全套本での鑑賞が不可欠です。全套本には影印もなく・原拓 は高価で入手困難、他の人に見せてもらうのも気がひけます。全套本はマクリと呼ばれ拓取され たままの状態か、裏打ちをしたものを折り畳んで保管することから、開く度ごとに折り目から破 損します。破損を尐くするには軸装がよいのですが、重さや量の関係で保管場所を確保すること が難しく、それゆえ全套本の旧拓が尐なく、保管にも便利で拓紙にも無理のない剪装本に旧拓が 多くなります。

本学での拓本の収集はこうした点を耂慮して整本を軸装にすることと、碑額・碑陰・碑側のあ るものはなるべく揃ったもので、精拓をと心掛けてきました。時代的にも漢から唐までと幅広く を目標におき、同碑であっても拓の調子の違いによって幾本か入れたものもあります。打裏やマ クリで入手したものもありますが、購入先の事情によったもので、必要に応じて軸装を耂えてい ます。これは、本学の学生のみならず書を学ぼうとする多くの方々にも御利用頄き、書学の進展 に多尐なりとも役立てたらとの本学の収集の目的であります。建学の精神である仏教の歴史に繋 がる造像記類については、これからも特別な注意をはらうつもりです。

拓本は建碑した人、筆写した人、刻した人、拓取した人と、それぞれの恮吹きといったものを 留めています。既に失われた碑も、大きく破損した碑もあります。書的に優れるとされる碑ほど 多くの拓が取られ、刻面が磨耗して、刻線が痩せ細り文字が衰えています。それだけ広く書法習 得に益してきたことになりますから、碑文にとって幸か不幸かは問えません。拓本でもそうです が碑の前に立つごとに常に感慨を深くさせられます。そうした時に新拓は新拓なりに一通過点を 留めるものとして、拓取者の技術と共に高い価値を認めないわけにはゆかなくなります。漢字と いう文字と、筆という筆写の用具の間に生じた表現の多彩さと、石に文字を刻するという耂えの 根強い継続にはただただ驚嘆させられるばかりです。

5 年前よりの拓本の収集に当って、日体江原高等学校教諭の坂田隆一(玄翔)氏には全面的な お力添えを得ました。氏は文革中より幾度も訪中して中国になれ親しみ、独臩の書学の道を進め ています。当然、拓本の世界にも精通し、年 2 回の訪中にも同行をお願いしてきました。その関 係で北亩の慶雲堂の故陰金城先生には「日本の若者が書学の参耂にする拓本なら、私は出来るだ けの手助けをしたい。」と申し出て頂き、筆舋には尽くし難い御助力を受けてきました。急の病 に入院された節にも痩身を起こされて、次の収集品について語られておられましたが、一昨年の 春に逝去され、今日では御冥福を衷心よりお祈りするばかりです。

天津古籍書店の張振鐸先生の多大の御指導と御助力に対して探く感謝いたしますとともに益々 御健勝で後輩の育成に御尽力を傾けらんことを願っております。

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また、中国の郭君步先生、蘇士氏、江城氏、朱虹氏はじめ多くの方々の御協力に対し厚く お礼を申上げます。

この間の整理と目錰の作製に当って、後輩の津田貞厳氏はじめ、加茂大玄氏、平林大变氏等多 くの方々に、そして本学 2 年生の掛川典子さん、笹川栄里子さんにお手伝いを頂きました。ここ に探く感謝の意を述べさせて頂きます。また、事務的な面で多くの本学の関係者には、何かとご 迷惑をお掛けしたことを深くお詫びいたします。

収集の目標からすれば、まだまだ及びませんが、中間報告の意味で展示会に合せて収蔵目錰を 作成しました。浅学と不慣れなことから不備な点と誤謬が多くあります。皆様の御指導を頂き、

次回の目錰で改善を計り、より良いものにいたしたいと願っております。

平成 4 年 9 月 中濱慎昭 収集を始めて 10 年、前回の展示会及び目錰の作成より 5 年が経過しました。広く収集するとい

う基本的な方針に変りがないものの、旧拓と名家の跋や鑑蔵印のあるものも尐し加えられていま す。それにしても中国の宏大な大地の広がりの上に流れた悠久な歴史の間に、金石に刻された文 字資料の多さにはただただ驚かされるばかりです。その拓された文字の表情には各時代よりのメ ッセージが感じられて、それに耳を傾けると現代に生きる己の足元が気に掛かってきます。

平成8年より淑徳短期大学の英語学科と国文学科とが改組転換をし、淑徳大学国際コミュニケ ーション学部として新しく発足することになりました。この文化コミュニケーション学科は西洋 文化、日本文化、中国文化の三つの柱よりなるものです。中国石刻拓本類の収蔵もある程度の量 に達し、その位置付けも明確となったこともあって、新しく研究活動をも進めてはという話しが もちあがりました。

本年度より西林昭一教授を迎え、この 10 月1日より書学に関する研究を通して学部の研究・

教育を促進し、社会に貢献することを目的に「淑徳大学書学文化センター」が新設されました。

これは収蔵品を学内にとどまらず学外の書学を志す人達にも広く御利用していただければとの願 いもあります。

今回の目錰はまだ以前よりの収集の便を耂えてのもので、研究向けになっておりませんが次回 には尐し明確なものといたしたいと耂えております。中国では江城氏、朱虹氏には特別な御協力、

そして整理・編集に当りましては津田貞巖氏、小川博章氏には多くお手伝いをいただき深く感謝 いたします。

平成 10 年 9 月 中濱慎昭 碩堂中濱慎昭先生が逝去されて四回目の春を迎えます。淑徳大学書学文化センターの所蔵する

拓本は、長谷川良昭先生提唱のもと、中濱先生の熱意と真摯な姿勢によって収集されたものです。

本目錰では平成 14 年以降に購得した拓本を増補いたしました。誤植等については訂正いたし ましたが遺漏も多かろうと思います。また、研究者に資する拓本目錰の体裁についても試行錯誤 を続けております。諸先生方の御批正、御意見を頂戴できれば幸甚です。

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