第2章
2.2
で認知件数と人口数を見ると確かに犯罪がどの程度あるのかがうかがえた。し かしながら、果たして本当に認知件数と人口数を見ただけで治安が良い県であるなどと言 ってよいものか疑問をもつ人もいるであろう。そこで、安全度を示す指標として、犯罪率で各県を対比する必要がある。47 都道府県の 人口に対する認知件数の割合を千分比で犯罪率を求めて治安が本当に良いのかどうか、順 位と犯罪率の平均数をだして検証してみることにする。検証あたって用いたデータは、平 成
12
年と平成13
年を比較してある。犯罪率の算式は次のとおりである。
算式(2.3.1)
以下の検証した結果が、表
2−5・表 2−6
の犯罪率分析表である。認 知 件 数
人 口 ×1,000
表
2−5 平成 12
年の都道府県別刑法犯・犯罪率分析表 順 位 府 県 名 犯 罪 率 順 位 府 県 名 犯 罪 率1 福岡県 30.63 26 熊本県 14.45
2 大阪府 28.66 27 群馬県 14.23
3 千葉県 25.74 28 山梨県 14.11
4 愛知県 25.01 29 三重県 13.82
5 東京都 24.15 30 宮崎県 13.59
6 埼玉県 22.61 31 福井県 13.13
7 和歌山県 20.53 32 香川県 13.11
8 京都府 20.45 33 福島県 13.08
9 神奈川県 20.02 34 徳島県 13.01
10 宮城県 19.96 35 佐賀県 12.58
11 滋賀県 19.58 36 大分県 12.45
12 岐阜県 18.59 37 青森県 11.34
13 広島県 18.35 38 鹿児島県 10.91
14 茨城県 17.45 39 鳥取県 10.9
15 奈良県 17.36 40 石川県 10.84
16 兵庫県 16.96 41 富山県 10.71
17 栃木県 16.87 42 秋田県 10.22
18 愛媛県 16.35 43 新潟県 10.22
19 岡山県 16.34 44 島根県 9.89
20 沖縄県 16.3 45 岩手県 9.79
21 静岡県 16.04 46 山形県 9.78
22 高知県 15.63 47 長崎県 8.9
23 北海道 15.27 749.5
24 山口県 15.09 15.95
25 長野県 14.5
全 国 平 均 全 国
注:1) 犯罪率は、人口
1,000
人当たりの認知件数である。
2)人口は、住基人口記載の平成 12
年3
月31
日までの人口による。3)刑法犯認知件数は、犯罪統計書 平成 12
年による。表
2−6 平成 13
年の都道府県別刑法犯・犯罪率分析表 順 位 府 県 名 犯罪率 順 位 府 県 名 犯罪率1 大阪府 37.93 26 高知県 15.82 2 福岡県 31.68 27 静岡県 15.82 3 千葉県 27.82 28 長野県 15.77 4 愛知県 27.43 29 富山県 15.71 5 埼玉県 24.78 30 山梨県 15.53 6 東京都 24.76 31 香川県 15.24 7 京都府 24.60 32 熊本県 14.45 8 滋賀県 23.42 33 石川県 14.28 9 兵庫県 23.33 34 福井県 14.09 10 岐阜県 22.79 35 佐賀県 14.04 11 和歌山県 22.32 36 徳島県 13.45 12 奈良県 21.51 37 新潟県 13.41 13 神奈川県 21.33 38 宮崎県 13.16 14 宮城県 21.25 39 大分県 12.66 15 三重県 21.11 40 鳥取県 12.10 16 広島県 20.66 41 島根県 11.41 17 茨城県 20.53 42 青森県 11.39 18 岡山県 19.25 43 鹿児島県 11.16 19 栃木県 18.13 44 秋田県 10.66 20 愛媛県 17.89 45 岩手県 10.64 21 沖縄県 17.56 46 山形県 10.50 22 山口県 16.56 47 長崎県 9.23
23 福島県 16.44 21.66
24 北海道 16.36 18.08
25 群馬県 16.11
全 国 全 国 平 均
注:1)犯罪率は、人口
1,000
人当たりの認知件数である。2)人口は、住基人口記載の平成 13
年3
月31
日までの人口による。3)刑法犯認知件数は、犯罪統計書 平成 13
年による。これから、認知件数と人口数を読み取るだけでは治安が良い県であるということが言え ないことが分かった。平成
12
年において表2−1
では、都道府県別刑法犯認知件数で上位 を占めていた東京都が最も犯罪の多い都市であった。だが、犯罪率が24.15
であったため 表2−5の犯罪率分析表では順位は5位となっている。それに代わって表2−1
に示した刑 法犯認知件数の順位6位であった福岡県の30.63
が犯罪率の上位を占める結果となってい る。次いで犯罪率2
位、3位をそれぞれ挙げてみると、2位が大阪府28.66、3位が千葉県
25.74
である。千葉県は、表2−1では7位であったが、犯罪率上位3
位内に挙げられる。ということは犯罪が多いと言える。
また大阪府は、表2−1の順位
2
位と表2−5 の犯罪率分析表を比較すると、順位が2
位と変わっていないことからして、犯罪が多いということが断定できる。その理由として、犯罪率の平均を出してみると
15.95
である。この平均数を福岡県、大阪府、千葉県は余裕 で超えている。このことから、人口と認知件数が多いと、犯罪率も高くなっていることが伺える。
また、表2−1で認知件数が
15
万件以上ある場合、犯罪の多い県だと見てとれるのであ るが、まれに、和歌山県の認知件数2万2千件に足らない28
位のように、平均認知件数5 万件以下の県であったとしても、犯罪率が高くなることもある。これは、県民性の犯罪に 対する良識認識度の強弱によるものではなかろうか。一方、高知県の犯罪率を見ると