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 本研究においては,運動時における発汗量の部位差に及ぼす運動強度,季節 及び飯高条陣の影響について検討し,さらに部位差のもつ体温調節上の意義に ついて検:討が加えられたe

 その結果.負荷条件に関係なく,局所発汗量には部位差のあることが認められ た,すなわち,燭 も緒が8 らの報告とほぼ一致して,_般に身区幹部や前額部 では発汗量が多く,四肢部では少ないことが認められたρこれら聚汗量の部位        、       /3)

差は,中枢性の要因よりむしろ未梢性の要因に強く影響されることが緒方 に よってみいだされた。それによれば,躯幹部では分布する戯言汗腺数は少ない ものの各個汗腺の分泌力が大きいため,また前額部では分泌力は小さいものの 分布する汗腺数がきわめて多大であるため,両部位とも局所発汗量が多くなる とされ,他方,前途部では躯幹部に較べて能面汗腺の分布は一般に密であるが,

分泌力が小さいため発汗量が少なくなると指摘されている。本実験で認められ た発汗量の部位差もおそらくこのような原因によって現われたと考えられるが        ノ         /8♪

      の指摘する原因に加えて,結果の項で示したように,運動しかし,これら緒方 強度の増大に起因する発汗刺激の増強による発汗量の増加量が躯幹部では四肢 部より顕著であることを考えれば,発汗量の部位差には汗腺の感受監も影響ずる 可能性が強く推定されるe

 本研究て得られた結果では,発汗量の部位差の程度は,躯幹部と四肢部の発汗 壁の差の大きさに著しく影響されることが認められた。また,この部位差の程        ゆ

度には著しい個体差めあることも併せて認められた。すなわち,引引量の多い 例,いわゆる発汗性の高い例では概して部位差が大きく,総門量.の少ない例,い わゆる発汗性の低い例では都位差の小さいことが認められた。これら発汗量め

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部位差の程度は,運動強度,季節,衣服着用によって著しく影警された。すなわ ち,運動強度の軽い場合より重い場合に,冬季より夏季に,半裸体時より衣膿着 用時に,発汗量の部位差の程度は各々小さくなることが認められた。また,この 部位差の程度の小さくなる要因について検討した結果,発汗刺激の増大にとも なう立所発汗量の増加率が,一般に発汗量の多い躯幹部に較べて少ない四肢部,

とくに上肢部において顕著であるため,部位差が小さくなることが認められた。

本実験では運動負荷装置として自転車エルゴメ一言ーが用いられたことを考慮 しなければならないが,これらの結露は安静時の高温馴化過程でみられた    /の

Hof}er の報告と一一S(することが認められたρ

 これら発汗量の部位姜の程度が小さくなるメカニズムとしては,種々の要因 が考えられる。:奉結果でみうれたように,発汗刺激の強さの変化にともなう藍 紙発汗量の変化が,各誌位で一様でないことをみれば,中枢性の要因もさること ながら,1つに未梢性の要因を推定する必要があると考えられる。そこで,未消 の汗腺レベルでの1つの推定をたてれば次のように考えられるe

 長時聞にわたり署熱に暴露されたり,運動を継続すれば,hldromelosis(発汗 量漸減現象)と称される現象,すなわち発汗量は減少することが認められてい る このhidromeioslsは暑熱暴露後1〜2時間で出現し,発汗量が多いほとその 減少は著しく,また発汗速度が汗の蒸発速度を上回ることによって皮膚が回った

  8♪

状態 にならなければ発現しないと報告されている。また,暑熱環境下での運        動詩…には,hidromeiosisCt直蝪温が38.0〜38.5℃以上達した場合に発現する

        ノこ)

         φこの他にも,このhidromeioslsについて種々の面から論と報告されている 儀されているが,一般にこの現象は発汗刺激が大きいとき,つまり発汗量が大な る場合に,早期に,顕著に,現われるとされている。辻噺究では,h.idromelosisa)

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 部位差について検討が加えられた(表12及び表13.表14)◎その結果,測定装  置の待性上断定し難いが,いずれの条件下においてもhidromeiOSiSは各部位で  ほぼ南海に発現する傾向がみられた.しかし,このhidromeiOslsによる発汗量  の減少の程度には部位差がみられ,躯幹部に較べて四肢部では小さい傾向がみ  られたσすなわち.二二量の部位差の4\さくなる原因として.hidromeiOSiSに  みられる部位差を推定させる如く結果が得られた。ところが,脳病報告されて  いる結果と異なる現象が本実験では認められたg例えば,衣服着用時に較べて  半裸三時,また2。5kpの労作時に較べて1。 Okpの労作時など,いわゆる発汗量  の多い場合に較べて少ない場合にhidromeloslsが早期に発現することがみら  れた◎もっとも,一方でこれらの結果は,高温高湿条件への馴化過程での,発汗  量の増加にともなってhldromeioslsの出現が遅延し,またそのhldrome王osユsの       9)

 程度も大きくなるというCandasの報告と類似することが認められたgしか

 し,いずれにしても今回の方法では,発汗量の部位差の程度が小さくなる要因  にhldro血e1QSlsが主たる役割を果たしているとは断定てきない。

  そこで,三三汗腺の感受性の面から推定がこころみられた。局所汗腺の反応        ノリ

 性は従来から比較的安定あると解されてきたが,和田

      によってこの点が検討  され,汗腺の感受性は運動によって増進され,すなわち汗腺の感受性は高まる  ことが指摘された。また,これらは体温と一定の関係を有する司能性も併せて  推定された。本研究て認められた発汗量の部位差が小さくなる原因として,運

..動による汗腺の感受性高進の部位差か考えられる。すなわち,論の飛躍を禁じ  得ないが,躯幹部の汗腺に較べて四肢部の汗腺の感受 性は低いため,四肢部で  は発汗刺激の強さがかなりのレベルに至って初めて汗腺のもつ発汗分泌機能  が十分に発揮され始めるとも考えられる。つまり,発汗刺激の増大にともなつ

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て部位差の程度が小さくなることには汗腺のもつ感受性の部位差,いわゆる躯 幹部で高く四肢部で低いことが強く関与していることが推定される。この推定 を強く示唆する2.3の事実が本研究では認められたD

  (1)衣服着用時の衣服内気候の相対湿度が運動開始20〜30分後に躯幹 及び四肢の両部位で同等の95〜100霧に達したとき,つまりfeed back効果と して発汗刺激が強くなったときでさえも,躯斡部に較べて四肢部では顕著な発 汗量の増加を保持していること。

  (II)部位に関係なく,局所発汗量と運動強度との間に高い相関関係があ るが,これらの関係から求められる躯幹都の回帰係数は四肢部より大きいこと1 つまり発秤刺激の増大に対する発汗量増加の対応が躯幹部では著しいこと。

  (IH)四肢部では躯幹部に較べて,発汗刺激の増大に対する発汗量:の増加 量は劣るが,そのときの増加率はきわめて大きいこと。

これらの事実は躯幹部に分布する汗腺の分泌能力や感受性が四肢部におけるそ れらより高いことを強く示唆していると考えろれる。したがって,発汗刺激の 増大にともなって発汗量の部位差の程度が小さくなることには汗腺の感受性が 躯幹部で高く,四肢部で低いことが強く関与していると考えられるgしかし,こ

のメカニズムについて最終の結論を得るためには,今後十分な倹討が必要であ ると考えられる。

 上述のようなメカニズムについて最終の結論を得るためには今後さらに研究 が重ねられなければならないgしかし,そのメカニズムが何れにせよ,発汗量の 部位差の程度は小さくなり,その主たる要因として四肢都の発粁量の増加率が 躯幹部に較べて顕著てあることが明らかな事実として認められた。前述のよう に部位差の程度が小さくなる場合というのは,発汗量を増加させねばならな

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いいわゆる発汗による放熱が促進されねばならない場合であると換言される⇔

発汗による放熱が促進されねばならないとき,例えば運動強度の増大するとき,

夏季,衣服着用時には躯幹部の発汗量の増加率より四肢部の増加率が大きく,ま た同様に皮膚温においてもその上昇の程度は四肢部において躯幹部より顕著で あることが認められたσしかも.局所発汗量の増加と皮膚温の上昇が,質量に対 して衰面積の大きい.いわゆる放熱上有利な四肢部で起ることはきわめて興味深 いeこれらの結果は,総日量の増加にともなって部位差の程度が小さくなること は,発汗依存による体温調節がさらに促進されていることを示唆していると考え られる。換言すれば,これらの結果は,発汗による体温調節が,発汗刺激の比較的 軽度な場合には躯幹部を主にした体温調節となり瓢比較的強度になるにつれて放 熱上有利な四肢部が大きくかかわる体温調節へと移行ずることを推定させる。

すなわち溌汗量の部位差の程度は発汗による体温調節の余裕,しいては運動に 対する生体の適応の余裕を示唆していると考えられる。これらの推定は運動時

における体温謂節の状況を便宜的に次の3段階に分けて考えれば,容易に理解さ

れる。

 (1>主として対流,伝導による放熱,

 (月)発汗量の部位差の程度が大きい,いわゆる躯幹部を主にした発汗によ

る放熱.

 (iiI>発汗量の部位差の程度が小さい,いわゆる四肢部の発汗蚤を躯幹部以 上に増大させて放熱量をさらに増加させる体温調節g

すなわち,発汗量の部位差は運動に対する適応範囲の拡大に対して重要な役割を 果たすものと推遣される。すなわち,本研究の結果は今後の運動の習脱化に向けて の運動処方や開門粂件のあり方なとにある程度の示唆を与えるものと考えられ

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る。しかし,今後,性,年齢,運動様式等との関連性から十分検討する必要がある と考えられる。

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