• 検索結果がありません。

運動ががん予防に効果的か調査するプロジェクトが進行中

ドキュメント内 Contents 1 4 Section Section (ページ 65-68)

ストレスとがん

6

ガイド」にはイラストの一番上にランニングし ている人が描かれていますが、あれは「食事の ことだけ考えるのではなく、運動とペアで考え るように」というメッセージの現れです。

運動は肥満の予防になると同時にストレス の解消にも効果的ですから、まさに一石二鳥 といっていいでしょう。具体的には、1日 20分 でも筋肉をきちんと使って動く(この時に知ら ないうちに交感神経も適度に賦活されています)

ことです。

その際、運動の度合いは脈拍が上がってう っすらと汗をかく程度。やりすぎて疲れてしま ったら、今度はそれがストレスの原因となって しまいますので、かえってマイナス効果である ことに注意を払う必要があります。

私たちの研究グループの中にも数年前から スポーツクラブの協力を得て、「運動とがんの

発生率の関係」についての研究を始めている 研究者がいます。参加者をスポーツクラブに 通うグループと、運動をしないグループの2つ に分けてデータをとります。クラブに通うグル ープには体力検査をしてもらい、専門家の指 導の下、一人ひとりの体力にあったメニューを つくって実践してもらいます。

だいたい 20〜 30分くらいかけて汗をかくよ うなメニューになっていますが、参加者の体力 がどんどん上がっていくのでメニューは1カ月 ごとに見直し、必要とあれば負荷を上げるよ うになっています。コホート調査なので5年後、

10年後にアンケートをとるという気の長い調 査ですが、たいへん興味深いプロジェクトだと 思います。がんの発生率に差が出る可能性が 十分にあるので、私たちも期待しているところ です。

●にしの・ほよく

京都府立医科大学大学院分子生化学教授。専門は腫瘍生化学。京都府立医科大学卒業。同大学院修了。医学博士。1976 〜 1978 年、

ハーバード大学医学部へ留学。国立がんセンター研究所がん予防研究部部長、京都府立医科大学生化学教室教授を経て現職。日本癌 学会評議員、日本消化器癌発生学会評議員、日本抗加齢医学会評議員などを歴任。編著書に『ガン抑制の食品事典』『がん化学予防の最 前線』『なぜマルチカロチンがガンを抑制するのか』『がん抑制の食品』など多数がある。

社会的心理的ストレスは、心だけでなく 体にも悪い影響を及ぼしますが、ストレ スに対抗するうえで脳はきわめて重要な 役割を果たしています。ストレス病とも 呼ばれる心身症について、またストレス に負けない脳の健康を保つポイントなど について取り上げました。

Section 3

ストレスが原因で起きる心身の異常は、人 によってさまざまなものがありますが、心療内 科で幅広く対応しています。実際には受診す る患者さんの半分くらいが神経症(不安障害な ど)やうつ病(気分障害)といった心の病にかか っている人で、残りの半分が心身症の患者さ んです。

心身症は、胃潰瘍、高血圧、ぜんそくなどの ように、体のどこかにはっきりした異常が現れ ていることが特徴です(図表1)。対照的に、神 経症やうつ病などの心の病は、本人が動悸、

頭痛、胃痛、食欲不振、全身のだるさなどの 症状を訴えても、検査をしてみると臓器や器官 には異常が発見されません。体には異常が現

れないことが、ストレスで起きる心の病気の特 徴です。

中には器官神経症といって、特定の器官に 不調や痛みが集中して現れる場合もあり、心 臓神経症、胃腸神経症、膀胱神経症などがあ ります。

心臓神経症は、ストレスが原因で胸の痛み や動悸、息が詰まるといった症状が現れます が、心電図や心エコー検査などをしても異常が 見つからないのです。

そのため、従来の内科( 循環器科など)では 対応が難しく、中には「異常ありません。気の せいですよ」と言われてしまう人もいるかもし れません。

心身症は「ストレス病」ともいわれます。

精神的ストレスが原因になって、人によって胃潰瘍、

高血圧、ぜんそくなど、さまざまな身体症状が現れます。

他の病気との違いや、発症のメカニズム、予防法について、

心療内科の診療および研究に長年携わってこられた 菊池長徳先生にうかがいました。

ドキュメント内 Contents 1 4 Section Section (ページ 65-68)

関連したドキュメント