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週以上治療しても,完全寛解ある いは不完全寛解Ⅰ型(尿蛋白 1 g/日未満)に至らない

治療解説と治療アルゴリズム

ステロイドで 4 週以上治療しても,完全寛解ある いは不完全寛解Ⅰ型(尿蛋白 1 g/日未満)に至らない

3治療解説と治療アルゴリズム

2. ステロイド抵抗性

 ステロイドで 4 週以上治療しても,完全寛解ある

1. RA 系阻害薬

⃝ RA 系阻害薬は高血圧を合併するネフローゼ症候 群において,尿蛋白減少効果があり推奨する.高 血圧がないネフローゼ症候群に対して有効かどう か明らかでない(CQ 23).

2. 利尿薬

⃝ 経口利尿薬,特にループ利尿薬は,浮腫の軽減に 対して有効であり推奨する.静注利尿薬は,経口 利尿薬の効果が不十分な場合,体液量減少に有効 でありその使用を考慮する(CQ 24).

3. アルブミン製剤

⃝ アルブミン製剤のネフローゼ症候群における浮腫 や低蛋白血症に対する改善効果はなく,高血圧を 悪化させる可能性があり推奨しない.ただし,重 篤な循環不全や肺水腫を呈する場合には,効果は 一時的ではあるもののアルブミン製剤の使用が有 効なことがある(CQ 25).

4. 抗血小板薬,抗凝固薬

⃝ 抗血小板薬,抗凝固薬は,ネフローゼ症候群にお ける尿蛋白減少に単独で有効であるか不明であ り,単独での使用は推奨しない.抗凝固薬投与は ネフローゼ症候群の血栓症予防に有効であり,使 用を考慮する.抗血小板薬はネフローゼ症候群の 血栓症予防に関する有効性は明らかではない(CQ 26).

5. スタチン製剤

⃝ スタチン製剤はネフローゼ症候群の脂質代謝異常 改善に有効であり使用を推奨する.心血管系疾患 の発症を予防し生命予後改善効果があるか明らか ではない(CQ 27).

6. エゼチミブ

⃝ エゼチミブ単独投与のネフローゼ症候群における 脂質代謝異常や生命予後の改善効果は明らかでな い(CQ 28).

7. LDL アフェレシス

⃝ LDL アフェレシスは,高 LDL コレステロール血 症を伴う難治性ネフローゼ症候群の尿蛋白減少に 対し有効であり推奨する(CQ 29).

8. 体外限外濾過療法(ECUM)

⃝ 薬物療法によるコントロールが困難な難治性浮腫 や腹水に対して,体外限外濾過療法(ECUM)によ る除水は有効であり推奨する(CQ 30).

9. ST 合剤

⃝ ネフローゼ症候群の免疫抑制療法中のニューモシ スチス肺炎予防として ST 合剤は有効である可能 性があり推奨する(CQ 31).

10. 免疫グロブリン製剤

⃝ 低ガンマグロブリン血症があり感染症のリスクが 高い症例では,感染予防に免疫グロブリン製剤の 使用を考慮してもよい(CQ 32) (予防治療は保険 適用外).

11. 抗結核薬

⃝ ネフローゼ症候群の免疫抑制療法中で潜在性結核 感染症が疑われる症例では抗結核薬の投与は必要 であり推奨する(CQ 33) (予防投与は保険適用外).

12. B 型肝炎ウイルス治療

⃝ B型肝炎ウイルス治療を開始してから免疫抑制療 法を開始することを推奨する(CQ 34).

1. 癌スクリーニング

⃝ わが国の膜性腎症の癌合併率は欧米ほど高率では ないが,一般人口との比較は明らかでない(CQ 35).

5)補助療法・支持療法

6)生活指導・食事指導

エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン 2014

表 1 補助療法・支持療法・そのほか RA 系阻害薬 CQ23

利尿薬 CQ24

アルブミン製剤 CQ25 抗血小板薬・抗凝固薬 CQ26

スタチン製剤 CQ27

エゼチミブ CQ28

LDL アフェレシス CQ29 体外限外沪過療法(ECUM) CQ30

ST 合剤 CQ31

免疫グロブリン製剤 CQ32

抗結核薬 CQ33

B 型肝炎 CQ34

癌合併 CQ35

3治療解説と治療アルゴリズム

2. 安静・運動制限

⃝ ネフローゼ症候群における安静・運動制限の有効 性は明らかではないので推奨しない(CQ 36).

3. ワクチン接種

⃝ ステロイド・免疫抑制薬で治療中のネフローゼ患 者では,感染リスクに応じて肺炎球菌およびイン フルエンザをはじめとする不活化ワクチンの接種 を推奨する(CQ 37).

4. ステロイド誘発性大腿骨骨頭壊死

⃝ ネフローゼ症候群における予防策の検討は見当た

らない.ステロイドの使用量を必要最小限とする ことがステロイド誘発性大腿骨骨頭壊死の予防策 につながる可能性がある(CQ 38).

5. 精神的ストレス回避

⃝ 小児の頻回再発型・ステロイド依存性ネフローゼ 症候群では,再発予防に精神的ストレス回避が有 効であり,これらの病型では再発予防に精神的ス トレス回避を推奨する.だたし,成人ネフローゼ 症候群では再発予防に精神的ストレス回避が有効 か明らかでない(CQ 39).

6. 脂質制限食

⃝ ネフローゼ症候群において脂質制限食は脂質異常 症改善に有効であり推奨する.ただし,ネフロー ゼ症候群患者の生命予後を改善するかどうか明ら かでない(CQ 40).

表 2 生活指導・食事指導 安静・運動制限 CQ36 予防接種 CQ37 大腿骨頭壊死 CQ38 精神的ストレス CQ39 脂質制限食 CQ40

【1)副腎皮質ステロイド薬(以下,ステロイド)】

 健常人の 1 日のステロイド産生量はコルチゾール