クロロアルカリ 工業
, 189
廃棄物焼却・
処理
, 46.8
歯科用合金
(火葬)
, 25.7
世界:1930トン 日本:
22
トン自然由来を除く
世界を駆け巡った原田先生の行動地図
水銀に関する国際条約化の検討経過
2013年1月までにINC(政府間交渉会議)は計5回開催された 第1回 2010年6月ストックホルム
第2回 2011年1月幕張(千葉)
第3回 2011年10月ナイロビ(ケニア)
第4回 2012年6月ブンタ・デル・エステ
(
ウルグアイ)
第5回 2013年1月ジュネーブ(スイス)2013年2月 第27回UNEP管理理事会において、INCの交渉結 果が了承された
2013年10月9日水俣、10、11日熊本で、「水銀に関する水俣条 約外交会議」を開催し、締結された
未決定の内容についてのINCが、2014年11月バンコク、2016年 3月ヨルダンで開催された
COP1(第1回締結国会議)が9月24日~29日ジュネーブで開催
交渉の構造
• 先進国:実効性と実現可能性のある法的規制
• 新興国・途上国:緩やかな規制と資金支援
• 国際NGO(IPEN、 Zero Mercury Working
Group ):強い法的規制と途上国への猶予規定・
除外規定の削除、被害未然防止のための「汚染 者負担原則」の確立
• 日本政府:水俣病の経験を踏まえた水銀対策の
必要性を前文に記述、条約名に「水俣条約」を
提案、熊本での締結を提案
締結された水銀条約の主な内容
①新たな水銀鉱山の開発禁止
②塩素アルカリ工程での使用を期限内に廃止
③輸出入は締約国間の同意を条件に許可された用途以外 は認めない
④9分野の水銀含有製品を期限内に廃止
⑤小規模金採掘に伴う水銀の使用、排出削減に努力
⑥大気・水・土壌への排出削減
⑦汚染サイトの特定と評価、リスク削減
⑧条約規制の推進と順守を管理する国際委員会(条約事務 局と遵守委員会)の設置
⑨締約国は国内法を整備、国内実施計画を作成し、規制強 化に努める
52
使用が禁止される水銀添加製品
•
電池•
スイッチ・リレー•
電球型蛍光灯•
蛍光灯•
水銀灯•
せっけん・化粧品•
殺虫剤・殺生物剤•
血圧計•
体温計(温度計)•
期限(2020年)を決め、段階的に製造、輸出入を水銀規制・条約に関する諸外国の対応
UNEP:2013年10月水銀に関する水俣条約締結 50か国以上の批准で、条約は発効する
未決の内容は5年後以降、COP(締約国会議)で議論
EU:08年9月水銀輸出禁止、余剰水銀の安全保管のEU 規則制定、11年発効、岩塩層で保管
アメリカ:08年8月水銀輸出禁止法案(オバマ上院議員提 案)の採択、09年2月国際条約化に同意
13年輸出禁止、10年陸軍による長期保管決定
日本:使用削減は進んだが、輸出禁止、永久保管等は目 途が立っていない。条約締結時のホスト国としての道義的 責任がある
NGO:水俣病が解決していないことに抗議し、水銀条約と 呼ぶ、3年以内の発効(50か国の批准)を呼びかけ
本年8月16日水銀条約が発効
条約は50か国以上が批准後、90日後から発効する
128の国とEUが調印、5月にEU諸国が批准したため、8 月16日に発効した 現在74か国が批准している
13年11月にアメリカが調印と批准を済ませ、批准第1号 国となる-化学物質関連の国際条約では異例のこと
UNEPと国際NGOは3年後以内の発効をめざしたが、各 国での批准が遅れている
各国が批准するためには、条約順守のために、関連する 国内法の改正が必要である
日本政府は2015年3月に法案を閣議決定、6月に国会 で2法案を可決、2016年2月に締結
COP1(第1回締結会議)が9月24日~29日ジュネーブ で開催、坂本しのぶさん、谷洋一さんが参加 55金採掘に伴う水銀汚染
ビクトリア湖周辺の汚染調査(1996~1998年)
•
タンザニアで有機農法を普及、実践している地球緑 化の会(熊本市)からの呼びかけ•
ビクトリア湖周辺で金採掘を実施しているが、1990 年代初頭に問題になったブラジルのアマゾン河のよ うな事態は起きないのか?•
Q1 すでに水俣病は発生しているのか?•
Q2 水俣病(有機汚染中毒)
の発生はなくても、そ れにつながる状況(無機水銀中毒症)は起きている のか?•
Q3 環境中に水銀は放出されているのか?ビクトリア湖周辺調査の実施
地球緑化の会(地球環境基金助成事業)
•
1996年から1998年にかけて実施•
調査場所:•
金採掘現場(タンザニア8か所、ケニア1か所)•
漁村(
タンザニア5か所、ケニア3か所)•
都市(ムアンザ、キスム)•
調査の方法:•
①医師による問診(原田正純らによる)•
②毛髪中水銀量(全水銀)の測定(中地による)•
③環境試料等の水銀量の測定(中地らによる)調査したビクトリア湖周辺地域と金鉱山の位置
ビクトリア湖周辺金鉱山での採掘作業工程(1)
ビクトリア湖周辺金鉱山での採掘作業工程(2)
ビクトリア湖周辺金鉱山での採掘作業工程(3)
問診、毛髪の採取など調査状況
キスムの美容室と
日本にも輸入されるナイルパーチ
水銀条約に関する日本の課題
前提として:水俣病問題の解決を優先すべき被害者全員の救済の実現とチッソ分社化による汚染者 責任のあいまい化は許されない
国内問題として:さらなる水銀使用削減の政策化 水銀の輸出禁止余剰水銀の国内永久保管の具体的検討
輸出禁止による水銀回収の低下を防止し、長期保管で きる仕組み作り
汚染サイト(エコパーク、旧八幡残さプール等)の浄化、
維持管理の継続
国際課題として:法的拘束力のある条約化のために、途 上国への経済的、技術的支援、小規模金採掘への対応条約の名称問題の原則
• 条約名(略称・呼称)は締結地の名前が冠せられる が、今まで名称が議論になったことは珍しい
• 特定フロンの場合:ストックホルム条約、モントリオー ル議定書
• POP‘s(難分解性有機化合物):ストックホルム条約
• 地球温暖化(気候変動枠組条約):京都議定書、パリ 協定
• 水銀規制の国際条約は、初めに名前ありき(日本政
府の意向)で、内容より先に締約地(国)が決まって
いるのはおかしい
水俣条約の命名に関しての私見
水俣病は、世界最大規模の水銀被害であるが、半 世紀たっても、問題が解決ができていないのが現状 で、政府はそれを反省していない
「水俣病の教訓の内実」が問われている
被害者への補償(救済)が不十分・不完全のまま 継続中である
汚染サイトの修復という観点では、エコパーク(浚渫 埋立て)、旧八幡残さプールに残存する水銀の半永 久的な管理対策が未完成のままである
水俣の名前を冠する前に、水俣病問題の解決に努
力するのが重要である
水銀による環境汚染防止に関する法 律(水銀新法)
• 水銀による環境汚染防止計画の策定
• 水銀鉱の採掘禁止
• 特定の水銀使用製品の製造禁止、部品としての 使用を制限(水銀条約を前倒しして規制)
• 特定の製造工程における水銀の使用禁止
• 小規模金採掘の禁止
• 水銀の貯蔵に係る指針の策定、貯蔵者に定期報 告の義務付け
• 水銀含有再生資源の管理に係る指針の策定、水 銀含有再生資源管理者への定期報告の義務付け
• その他所要の整備の実施
•
大気汚染防止法の改正内容•
水銀排出施設の届出制度•
水銀の排出基準の遵守義務(条約の5業種)等•
要排出抑制施設(鉄鋼業)の設置者の自主的取組•
その他罰則等•
外国為替及び外国貿易法政令の改正内容•
特定の水銀輸入規制•
特定の水銀等の輸出の原則禁止•
条約で許可されない用途・金採掘目的の輸出禁止•
輸出の厳格な事前審査・事後報告•
特定の水銀使用製品の輸出入の原則禁止水銀新法の課題
•
水銀等の原則輸出禁止の実質化•
金採掘用途の禁止のために、事前審査・事後報告、チェックができるのか