42
178,537 170,979 156,697 135,412 101,699 99,000 96,931 95,714 94,781 92,603 92,411 89,757 86,313 75,823 75,263 73,041 69,195 60,646 41,175 35,201 33,758 32,951 29,750 26,825 26,348
76,777
0 50,000 100,000 150,000 200,000
米国 1 スイス 2 オランダ 3 ノルウェー 4 オーストリア 5 オーストラリア 6 日本 7 ベルギー 8 フィンランド 9 デンマーク 10 ルクセンブルク 11 ドイツ 12 韓国 13 英国 14 スペイン 15 フランス 16 イタリア 17 ギリシャ 18 スロベニア 19 ポルトガル 20 チェコ 21 スロバキア 22 ハンガリー 23 ポーランド 24 エストニア 25
OECD平均
(図3-19) 製造業の名目労働生産性水準
(2012年/OECD加盟国)
単位:USドル
ただ、
2009年以降の動向をみると、米国(-2.6%)とイタリア(-1.1%)で労働生産性上昇率
がマイナスに転じているほか、フランス(+0.1%)やカナダ(+2.2%)でも上昇率がこれまでの トレンドを下回っている。日本も2008年から2010年までの低落傾向から回復へと転じている ものの、2009年以降の年率平均上昇率(+1.0%)をみるとこれまでを下回る状況にある。
労働生産性を国際比較するにあたっては、上 昇率(トレンド)を比較するだけでなく、生産性 水準を比較することが望ましい。しかし、それ を産業別に行うには、産業によって異なる価格 水準を調整する必要があるため、産業別の購買 力平価を用いて生産性を換算することが求め られる。ただ、世界銀行やOECDが公表してい る購買力平価は国(GDP)レベルのものであり、
生産性の産業別比較に用いるには適切ではな い。そのため、ここでは為替変動によって価格 がある程度調整されやすい製造業について、為 替レートを用いて労働生産性の比較を行った。
もっとも、為替レートは国際的な金融取引や 投機などさまざまな要因によって変動するこ とから、生産性水準にもバイアスがかかること は否めない。ここではそうした影響を軽減する
(2) 製造業の労働生産性水準の国際比較
0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
(図3-18) 農林水産業の労働生産性の時系列比較(2005年=1)
米国 英国 イタリア
カナダ ドイツ フランス
日本
リーマン ショ ック後の 労働生産性上
昇率
米国 3.1% -2.6%
カナダ 3.2% 2.2%
ドイツ 2.1% -フランス 3.0% 0.1%
英国 1.0% -イタリア 2.2% -1.1%
日本 2.0% 1.0%
09~12年/年 率平均値
※ドイツ 、英国は'06年以降欠損。
1990年代以降の 生産性上昇率
(トレン ド)
91~12年/回帰 によ る トレンド値
43
1 ルクセンブルク 60,211 日本 73,563 米国 76,877 スイス 104,251 米国 178,537
2 日本 58,930 スイス 71,172 日本 75,244 米国 101,436 スイス 170,979
3 米国 53,948 ルクセンブルク 68,657 スイス 65,610 ベルギー 95,344 オランダ 156,697
4 スイス 52,112 ベルギー 67,918 ルクセンブルク 62,543 ノルウェー 93,705 ノルウェー 135,412
5 ベルギー 51,972 米国 67,538 フィンランド 62,181 スウェーデン 91,326 オーストリア 101,699
6 フィンランド 48,717 フィンランド 61,582 ベルギー 61,451 フィンランド 91,285 オーストラリア 99,000
7 フランス 46,650 スウェーデン 60,534 スウェーデン 57,506 ルクセンブルク 86,496 日本 96,931
8 スウェーデン 45,831 フランス 57,235 オーストリア 54,329 オランダ 85,016 ベルギー 95,714
9 オランダ 44,338 オランダ 55,977 フランス 52,029 オーストリア 84,237 フィンランド 94,781
10 オーストリア 42,208 オーストリア 55,386 ノルウェー 51,276 日本 79,284 デンマーク 92,603
(表3-2) 製造業の労働生産性水準上位10カ国の変遷
1990 1995
(単位) USドル (移動平均した為替レートにより換算)
2000 2005 2012
ため、当年及び前後2年の為替レートの移動平均から為替レートの換算を行った5。また、
2013
年データが出揃っていないため、2012年データで比較を行っている。こうした手法により、
OECD加盟国でデ-タが得られた25カ国について製造業の名目労働
生産性を比較すると、最も水準が高かったのは米国(178,537ドル/1,578万円)であった。第2 位はスイス(170,979ドル/1,511万円)である。米国の製造業は付加価値の低い分野や人手を 多く必要とする分野から撤退したり、メキシコや中国などに移管するケースが多く、米国内 には生産性や収益性に優れた企業のウエイトが高くなっている。また、グーグルやアップル のようにITや知識をベースに高い付加価値を生み出す企業が数多く生まれてきていること も、高い労働生産性水準へとつながっている。スイスは、精密機械や食品、医薬品などの分 野でグローバル展開する企業がスイスに本拠を構えており、こうした企業を中心とした産業 クラスターがスイス各地に形成されている。付加価値の源泉となるブランドや高度な知識を 持つことに加え、生産性が構造的に高くなりやすい精密機械や医薬品・バイオテクノロジー のウエイトが高い産業構造になっていることも、高い労働生産性水準に結びついている。日本の製造業の労働生産性は96,931ドル(857万円)で、製造業の労働生産性の計測が可能だ った25カ国中第7位であった。これは、ベルギー(95,714ドル)やフィンランド(94,781ドル)、
ルクセンブルク(92,411ドル)を上回る水準であり、主要先進7ヵ国とみても米国に次いで高い 水準となっている。
日本の製造業の労働生産性は、
1990年代にはトップクラスであったものの、 2000年代に入
って順位が大きく後退してきている。2000年の日本の順位をみると米国に次ぐ第2位だったが、
2005年には第10位に後退し、 2007年には第13位まで落込んだ。その後、こうした順位の
落込みからは脱し、このところ4~7位あたりで推移しているものの、かつてのような優位性 を回復するにはいたっていないのが現状である。
5 移動平均は上下の振幅が大きい株式や為替の推移の変動幅を平準化する際などに用いられる手法の一つ。
今回の手法で算出した2012年の対ドルレ-トは88.393円である。
44
グローバル化が進む中、日本の輸出産業が競合する相手をみると、ここまで比較を行って きたOECD加盟諸国よりも、むしろ中国や韓国、ASEAN諸国といった新興国であることが 多くなっている。日本企業が生産拠点を検討する際も、こうした新興国と日本のコストや生 産性、各種インフラなどを比較検討することが当たり前のようになりつつある。そこで、こ こでは、これまでみてきたOECD加盟国に加え、世界の幅広い国や地域の労働生産性につい て国際比較を行いたい(図3-20~24参照)。な お、比較にあたっては、データの制約から2012 年を比較年次としており、世界銀行のデ-タ を中心に、アジア開発銀行やILOなどのデ-タ も補完的に使用し、一部で推計も行うことに よって154カ国の労働生産性を計測している。
OECD加盟国以外で労働生産性が高いのは、
産油国や都市国家が多い。今回計測した154カ 国の中で最も労働生産性が高かったカタール
(174,024ドル/1,800万円)も、ペルシャ湾に面
する人口140万人ほどの都市国家で、世界でも 有数の石油・天然ガスを産出する資源大国で ある。第2位のクウェート(170,050ドル/1,759 万円)も、豊富な石油資源の輸出に加え、高度 に資本集約的な石油精製や石油化学などを中 心に工業化を進めていることが、高水準の労 働生産性へと結びついている。第3位のブルネ イ(160,745ドル/1,663万円)や第4位のサウジ アラビア(150,125ドル/1,553万円)も、石油や 天然ガスなどの輸出を主力とする産業構造の 影響が大きい。OECD加盟国では、ノルウェー(125,589ドル
/1,299万円)が第5位、ルクセンブルク(122,896 ドル/1,271万円)が第7位となっており、米国