(表 14)。
フォローアップ研修終了後に参加者全員である 69 名に質問紙調査を実施し、69 名より回答を得た
(回答率 100%)。調査内容は、①フォローアップ研修で学んだこと、考えたこと、②今後、自身・自 部署・自施設で取り組みたいこと、③フォローアップ研修に対する意見等であった。それらの質問紙 調査結果の自由記載内容は文脈ごとに分け、要約し、意味ごとに分類した。なお以下【 】は分類を、
[ ]は小分類を示す。
①フォローアップ研修で学んだこと、考えたこと
リフレクションシートに記載された「フォローアップ研修で学んだこと、考えたこと」の記載内容 は、グループ討議により学び・考えたこと、事例検討により学び・考えたこと、およびリフレクショ ン全体をとおして学び・考えたことに分けて分類した。
フォローアップ研修で学んだこと、考えたことに関する意見は 158 件あり、【グループ討議により 多施設の現状が把握できる】(18 件)、【多施設の効果的な取り組みを取り入れる】(8 件)、【グ ループ討議により自施設の課題がわかる】(6 件)、【グループ討議により知識を得る】(5 件)、【グ ループ討議により退院支援のあり方を考える】(3 件)、【グループ討議により意思決定支援の重要性 を学ぶ】(3 件)、【事例検討により退院支援のあり方を考える】(10 件)、【事例検討により意思 決定支援の重要性を学ぶ】(9 件)、【事例検討においてよりよい支援方法を考える】(9 件)、【事 例検討により看護職者の役割を学ぶ】(3 件)、【事例検討の効果等】(6 件)、【リフレクションを 通して意思決定支援の重要性を学ぶ】(14 件)、【リフレクションを通してよりよい支援方法を考え る】(14 件)、【リフレクションを通して退院支援のあり方を考える】(12 件)、【リフレクション を通して退院支援の知識・意識向上に向けた教育の必要性を学ぶ】(10 件)、【リフレクションを通 して多職種連携の重要性が分かる】(9 件)、【リフレクションを通して多施設との連携の重要性が分 かる】(3 件)、【リフレクションを通してカンファレンスの重要性を再認識する】(3 件)、【リフ レクションを通して家族支援の重要性を学ぶ】(5 件)、【リフレクションを通して退院後の生活を見 据えたケアの必要性を学ぶ】 (4 件)、 【リフレクションを通して生活者として捉える重要性が分かる】
(2 件)、【リフレクションを通して退院支援の困難さ・課題がわかる】(2 件)の 22 に分類された。
【グループ討議により多施設の現状が把握できる】は、小分類[多施設の退院支援体制・取り組み を知る][退院支援が困難な現状がわかる]等があり、【多施設の効果的な取り組みを取り入れる】
は、小分類[多施設の取り組み・課題を共有し今後の支援に生かせる][多施設の課題やそれに対す
る取り組み成果が参考になる]等があった。【グループ討議により自施設の課題がわかる】は、小分
類[退院支援に関するコアナース育成・勉強会や他職種含めたカンファレンス等の働きかけが必要で
ある][退院支援担当部署の看護師がいないため、MSW・各部署での看護師頼りになる]等があり、【グ
ループ討議により知識を得る】は、小分類[試験外泊時に訪問看護が利用できることを知る][多様
な在宅生活の手段があることを学ぶ]等があった。また【グループ討議により退院支援のあり方を考 える】は、小分類[患者・家族と向き合い取り組む必要性を再認識する][患者の周囲を取り巻く環 境を捉えた退院支援が必要とわかる]等があり、【グループ討議により意思決定支援の重要性を学ぶ】
は、小分類[意思決定を尊重し退院後の生活が安心できるよう関わる][患者・家族の思いを引き出 し支援方法を考える]があった。
そして【事例検討により退院支援のあり方を考える】は、小分類[退院支援は看護そのものと実感 する][退院支援はその人らしさを大切に患者が元の生活へ戻れるよう整える]等があり、【事例検 討により意思決定支援の重要性を学ぶ】は、小分類[患者・家族の意向を聴き必要な支援を一緒に考 える][患者・家族の意思を尊重し必要な支援を考える過程が重要である]等があった。【事例検討 においてよりよい支援方法を考える】は、小分類[多様な視点から検討を深め支援計画が立案できる]
[個々の考えを共有し支援方法のヒントが得られる]等があり、【事例検討により看護職者の役割を 学ぶ】は、小分類[患者・家族の希望の確認・自己決定支援・予測した介入・苦痛の緩和等を担う]
[各種サービスの知識を学び生活の場を見据えて関わる]があった。【事例検討の効果等】は、小分 類[多様な意見による充実した意見交換ができる][退院支援の難しさ・ジレンマ・退院調整看護師 の大変さがわかる]等があった。
【リフレクションを通して意思決定支援の重要性を学ぶ】は、小分類[患者・家族の思いを聴き取 り意思決定に関わる][家族・患者の思いを聴き信頼関係を作ることでよりよい退院支援計画が立案 できる]等があった。また【リフレクションを通してよりよい支援方法を考える】は、小分類[多様 な角度から患者・状況をアセスメントする][インフォームドコンセントの際に退院に関するに説明 不足があり調整が必要である]等があり、【リフレクションを通して退院支援のあり方を考える】は、
小分類[患者の持つ力を最大限に活用し QOL を尊重した退院支援が重要である][患者・家族への支 援による信頼関係、安心感が在宅移行への一歩である]等があった。そして【リフレクションを通し て退院支援の知識・意識向上に向けた教育の必要性を学ぶ】は、小分類[スタッフ間の知識・認識の 差があり学習会・研修が必要である][勉強会や意識づけ、医師への退院支援の必要性の説明が必要 である]等があり、【リフレクションを通して多職種連携の重要性が分かる】は、小分類[多職種の 専門的視点を総合して連携して支援する事が重要である][医療者間の統一ができるようなシステム 整備が必要である]等があった。【リフレクションを通して多施設との連携の重要性が分かる】は、
小分類[多施設とのつながりを持つことで連携が強化できる][退院後の他院でのフォローに向けた 事前準備が大切になる]があり、【リフレクションを通してカンファレンスの重要性を再認識する】
は、小分類[多職種カンファレンス等は患者の状態を考える良い機会である]があった。また【リフ レクションを通して家族支援の重要性を学ぶ】は、小分類[患者のみでなく家族への支援体制も整え る必要がある][家族と医療者の思いを合わせるために現状をしっかりと伝える必要がある]等があ り、【リフレクションを通して退院後の生活を見据えたケアの必要性を学ぶ】は、小分類[退院後の 生活を具体的にイメージしたケアを考える][退院後の生活を見据えたケアが必要である]があった。
そして【リフレクションを通して生活者として捉える重要性が分かる】は、小分類[疾患・障害を持 ちながら生活する生活者として捉える]があり、【リフレクションを通して退院支援の困難さ・課題 がわかる】は、小分類[患者・家族の思い等によって支援の選択肢も多様で苦悩・葛藤も多い][看 護職者の知識・力量の差、医師の理解が得られない等の問題がある]があった(表 20)。
表 20 フォローアップ研修で学んだこと、考えたこと(n=66)
分類 小分類 記載内容の要約(一部)
グ ル ー プ 討 議 により多施設の 現 状 が 把 握 で きる(18 件)
多施設の退院支援体制・
取り組みを知る
(8 件)
他施設では退院支援システムが構築されており、スクリーニングシート の徹底・方向性の確認のためのチームカンファレンスの毎日実施・退 院調整看護師、コアとなる看護師の育成に力を入れている。
他病院の取り組みを聞いて同様な問題点があり退院支援の委員会等 を立ち上げ取り組んでいることを知った。
他施設では、地域包括ケア病棟、訪問看護に同行訪問の実施、カン ファレンスへの訪問看護師の参加等在宅を知るスタッフから意見を聞 くとが出来る。
退院支援が困難な現状が わかる(6 件)
退院支援の取り組みは、退院スクリーニング票を用いて実施してお り、地域性もあるが、在宅への意向が受け入れられず退院先の選択 肢に在宅がなく、在宅退院件数が伸びず支援が困難である。
他施設での取り組みを学び、退院支援の困難な事に関しては、家族 の受け入れ・理解が十分されない場合等、同様な問題があり家族との 関わりは重要であり課題である。
他施設の状況について意見交換でき自施設と同様の課題を抱えて いる施設が多く、メンバーと情報交換できたのが収穫だった。
ドキュメント内
利用者ニーズを基盤とした退院支援の質向上に向けた看護職者への教育支援
(ページ 47-58)