赴任した。2009(平成21)年に横井が定年退職し、後任に城本啓介教授(情報数学・符号理論)
が赴任した。
数理工学科の設立趣旨は、現代社会の要請に応えて、現代数学と工学技術の両方に通じ た人材を育成することであり、また、その旨に沿った研究を行う環境の充実にあった。
学生定員は1学年10名である。教職免許については実質、高等学校教諭一種普通免許(数 学)の免許が取得可能である。また、大学院への進学も本学自然科学研究科の数学専攻応用 数理コースが設立され充実している。一方、教員の学生教育関係の負担は大きく、大学初 年次の数学から工学基礎教育センターの学部全学科に展開する数学科目、学科専門科目及 び研究室配属学生の指導と、かなりの負荷となっている。研究面では学科主催の講演会や 研究会が多く行われ、どの講座も先端研究を鋭意究明中である。陣容は以下の通りである。
①情報数学:城本啓介、角田法也
②複雑系解析:内藤幸一郎、和田健志、中村能久 ③確率解析:桑江一洋、金大弘
④統計科学:高田佳和、岩佐学
表21 資源系学科及び講座年表
年 1949年 1959年 1965年 1986年 1987年 1996年 学科 採鉱冶金学科 鉱山工学科 資源開発工学科 材料開発工学科 学科改組
講 座
・石炭採鉱学
・金属採鉱学
・選鉱学
・採鉱学
・選鉱学
・鉱山機械学
・鉱山土木学及 び物理探鉱学
・資源工学
・探査工学
・開発機械理論
・開発機械応用
・資源工学
・材料工学
・開発応用工学
環境システム 工学科及び知 能生産システ ム工学科に移 行
大学院 大学院工学研究
科修士課程設置
大学院工学研究 科博士課程設置
高い人気を集めた。また、ベビーブーム世代 が大学入学時期に入り、定員が80名から90名 に増えるとともに教官数も増加した。本学科 には資源工学講座・材料工学講座・開発応用 工学の3つの大講座が開設され、各講座には 両系の教官が配属されて基礎から応用までの 教育と研究を担当した。合併後も学科の体制 としては資源コースと材料コースの2コース 制をとり、研究室の基本的な形は維持された。
平成に入ると国内の炭鉱数が20(ピーク時
の約50分の1)を下回り、鉱山や開発関係の職業人口も減少するようになった。また、こ の頃には研究内容も資源系、機械系ともに広い分野を対象とするものに変化しており、鉱 山などの開発工学を対象とした学科としてまとまることが難しくなったため、1996(平成 8)年に大学として46年間続いてきた学科を整理し、資源系は土木環境工学科・建築学科 とともに環境システム工学科として、機械系及び材料コースは機械工学科とともに知能生 産システム工学科として改組された。この改組までの間、1,520名の学部学生と140名の修 士学生が卒業し、社会で活躍する人材を輩出した。なお、学科の改組に伴う講座構成の沿 革を表21に示す。
材料開発工学科は4号館にあったが、1996(平成8)年に新しく完成した研究棟Ⅰに引 越した。写真1は、この年の年末に4号館を背景に撮った教職員の記念写真をである。
第2項 人事の変遷
1949(昭和24)年から46年間の学科の教官及び技官の変遷を表22・23に示す。
教官は、46年間で最も長い歴史を持つ資源開発工学科の講座ごとに配置した。表22の実 線は教官としての在任期間で、教授・助教授などの区別はしていない。また表23では、技 官が所属した講座の区別はしていない。
写真1 工学部4号館を背景に記念写真
(1996年)
表23 資源系学科の技官の変遷
氏 名 1949 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 古荘 福夫 1958
橋村 洋一 1954 福永 由幸 1951 吉武 恒郎 1954 1956
本田 彰義 1953 1987
永井 伸之 1957 1997
山本 保 1960 1985 青木 理恵 1964
宮田 政信 1964
吉永 徹 1989 表22 資源系学科の教官の変遷
講座
氏 名 1949 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 材料開発工学科最終年
資源工学
中村小四郎 1960
神崎 三郎 1950 1960 教育学部へ 兼重 修 1951 1979
岡村 宏 1956 1996 緒方 義弘 1967 1967 公害資源研究所へ
佐藤 健一 1970 1971 通産省へ
秋本 昌胤 1968 1976 九州東海大学へ
菅原 勝彦 1976 環境システム工学科へ 尾原 祐三 1983 環境システム工学科へ 中山 智晴 1990 1995
佐藤 晃 1997 環境システム工学科へ 探査工学 小田 二三 1953 1955
松村 英雄 1951 1967
井上 正康 1952 1983 八代工業高等専門学校へ
大見美智人 1961 環境システム工学科へ
金子勝比古 1979 1997 北海道大学へ 小池 克明 1988 環境システム工学科へ
開発機械理論
土井 増一 1960 1967
野白健次郎 1961 1965 熊本工業大学へ 白本 和晟 1963 1971 機械工学科へ 中嶋 幸敏 1962 1990
近藤 徹 1967 1994 九州東海大学
大庭 英樹 1968 知能生産システム工学科へ 触 純宏 1969 1969 通産省へ
山下 弘徳 1973 1976
本田 逸郎 1987 1998
宗像 瑞恵 1994 知能生産システム工学科へ
開発機械応用 牛尾 広恵 1955 1963 有明工業高等専門学校へ
高木 義郎 1951 1983
松尾日出男 1968 知能生産システム工学科へ 中村 裕一 1976 1985 八代工業高等専門学校へ
大屋 裕二 1984 1986 九州大学へ
廣江 哲幸 1989 知能生産システム工学科へ 藤原 和人 1989 知能生産システム工学科へ
第3項 教育カリキュラムの変遷
我が国における産業の変化に応じて採鉱、選鉱を中心とした授業科目から、探査や機械 を含めた総合的なカリキュラムへと変化した。数値シミュレーションが重要になった資源 開発工学科の後半からは情報処理関係科目が増えている。
教育カリキュラムの変遷の詳細については、『熊本大学工学部百年史』を参照されたい。
第4項 卒業者数の変遷と表彰制度 1 卒業者数
材料開発工学科(資源コース)及び材料開発専攻(資源コース)における資源系の卒業者数 を表24・25に示す。なお、これ以前の卒業者数は『熊本大学工学部百年史』を参照されたい。
表24 材料開発工学科(資源コース)
の卒業者数(1991~2002年度)
卒業年度 卒業者数
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
33 30 46 48 34 49 60 51 42 14 1 1
総数 409
表25 材料開発工学専攻(資源コース)
の修了者数(1993~1999年度)
卒業年度 卒業者数
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999
9 6 9 9 6 10 8
総数 57
2 表彰制度
1979(昭和54)年3月に兼重修名誉教授から寄贈された基金を基に「兼重先生記念基金」
が設けられ、当学科を卒業する者のうち、成績・人物ともに優秀で、模範となる学生に対 して「兼重賞」を授与する表彰制度が設けられた。第19回までの受賞者は『熊本大学工学 部百年史』に掲載されているため、それ以降の受賞者を表26に示す。
本賞は、資源系学科の改組に伴い、第21回兼重賞を最後に役目を終えた。第1回からの 受賞者は37名に上る。なお、兼重賞が終了した詳細な経緯については、『熊本大学工業会 会報95号』(2010年)69・70ページを参照されたい。
表26 1999年以降の兼重賞受賞者一覧
回 年 度 受賞者
第20回 1999
福岡 崇 鹿児島県庁 福田 耕二 応用地質(株)
水上 陽誠 (独)宇宙航空研究開発機構 第21回 2000 麻植 久史 熊本大学
副島 直史 首都高速道路公団