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本章では、公共図書館の基本サービスともいえる資料提供について、資料の提供状況及び 資料提供に係るサービス体制について、述べる。

6.1 個人貸出

6.1.1 個人貸出

障害者向け資料の個人貸出状況について、資料種別ごとに貸出実施館数、貸出実績がある 図書館数及び資料所蔵状況(5章表5-1の一部再掲)を表6-1にまとめた。なお、「点字絵 本」には、活字の絵本に点字シールをつけたものや市販の点字つき絵本を含む。「障害者用 字幕・手話入りDVD・ビデオ」とは、聴覚障害者情報提供施設が制作したもので、特に障 害者用にガイドや手話をつけたものをいい、一般の字幕付き洋画ビデオは含まない。

表 6-1 障害者向け資料の個人貸出実施状況(n=1,147)

資料種別 貸出実施館 貸出実績館 所蔵状況

(1点以上所蔵)

館数 割合 館数 割合 館数 割合 障害者向け録音資料

(カセット・テープ) 435 37.9% 286 24.9% 415 36.2%

障害者向け録音資料

(音声DAISY) 345 30.1% 255 22.2% 306 26.7%

音声DAISY以外の朗読CD 522 45.5% 418 36.4% 439 38.3%

点字資料(冊子体) 754 65.7% 512 44.6% 740 64.5%

点字資料(データ) 61 5.3% 27 2.4% 47 4.1%

点字絵本 822 71.7% 644 56.1% 764 66.6%

マルチメディアDAISY 198 17.3% 106 9.2% 177 15.4%

テキストDAISY 37 3.2% 14 1.2% 11 1.0%

プレーンテキスト 15 1.3% 5 0.4% 5 0.4%

大活字本 1,059 92.3% 891 77.7% 982 85.6%

拡大写本 69 6.0% 44 3.8% 60 5.2%

さわる絵本・布の絵本 534 46.6% 405 35.3% 574 50.0%

その他のバリアフリー絵本 97 8.5% 69 6.0% 79 6.9%

LLブック 393 34.3% 297 25.9% 363 31.6%

障 害 者 用 字 幕 ・ 手 話 入 り

DVD・ビデオ 116 10.1% 85 7.4% 103 9.0%

その他 36 3.1% 26 2.3% 32 2.8%

最も貸出実施率(実施と回答した図書館の割合)が高い資料は「大活字本」の 1,059 館

(92.3%)であり、続いて「点字絵本」822館(71.7%)、「点字資料(冊子体)」754館(65.7%)、

「さわる絵本・布の絵本」534館(46.6%)、「音声DAISY以外の朗読CD」522館(45.5%)、

「障害者向け録音資料(カセット・テープ)」435館(37.9%)、「LLブック」393館(34.3%)、

「障害者向け録音資料(音声DAISY)」345館(30.1%)等である。また、実績ベースでみ ると、実施していると回答している図書館数と実績のある図書館数に若干の開きがあり、貸 出サービスを実施していても必ずしも利用に結びついていない図書館があることがうかが える。

この資料種別の貸出実施率の順位は、所蔵状況における所蔵率の順位と完全に一致して おり、各資料種別の貸出実施率と、当該資料種別の所蔵率も非常に近い割合を示している。

貸出サービスの実施状況と資料の所蔵状況に密接な相関関係があるとはいえ、障害者向け 録音資料や点字資料のような資料において、同様に両者の密接な相関関係が示されている ことには留意する必要があるだろう。

障害者向け録音資料や点字資料は、購入により入手できるタイトルが限られており、図書 館の所蔵資料としてより多くの資料をそろえるためには、自館製作する必要がある。しかし、

利用者からリクエストのあった資料を他の機関がすでに製作しているのであれば、その図 書館から取り寄せて利用者に提供するほうが、自館で製作するより短時間で提供できる上 に、製作資源を他の資料製作に活用することができる。そのため、公共図書館と点字図書館 は、他の機関で製作されたタイトルについては、重複タイトルの製作を避け、製作館から取 り寄せて利用者に貸出している。貸出サービスが所蔵資料を中心に行われ、自館の資料収集 方針に沿わない資料について相互貸借で他館から資料を取り寄せる等の、所蔵資料を補完 する目的で相互貸借が用いられる一般の図書資料と、自館製作が蔵書構築手段の主たる手 段である録音資料や点字資料とでは、所蔵資料と相互貸借の位置づけが異なる。近年は、サ ピエ図書館や国立国会図書館視覚障害者等用データ送信サービスのように、障害者向け電 子データの送信サービスも利用できるようになっている。必ずしも所蔵資料として資料を 所蔵しなくても、障害者向け録音資料や点字資料は相互貸借や前述の送信サービスの利用 により資料を入手することで、貸出サービスを実施することができる。自館製作ができる体 制を整備できる図書館も限られると思われるが、障害者向け録音資料や点字資料の貸出サ ービスのニーズは今後も増えるものと思われる。貸出サービスがさらに広がることで、所蔵 状況と貸出状況との相関関係が低くなる可能性もある。今後の障害者向け録音資料や点字 資料の所蔵・貸出状況の動向を注視する必要があるだろう。

館ごとの貸出実績の分布をまとめた(表6-2)。「大活字本」と「障害者向け録音資料(音 声DAISY)」は館ごとの貸出数も、他の資料種別より多い傾向にあることが示されている。

第 6 章 資料提供、サービスの体制

本章では、公共図書館の基本サービスともいえる資料提供について、資料の提供状況及び 資料提供に係るサービス体制について、述べる。

6.1 個人貸出

6.1.1 個人貸出

障害者向け資料の個人貸出状況について、資料種別ごとに貸出実施館数、貸出実績がある 図書館数及び資料所蔵状況(5章表5-1の一部再掲)を表6-1にまとめた。なお、「点字絵 本」には、活字の絵本に点字シールをつけたものや市販の点字つき絵本を含む。「障害者用 字幕・手話入りDVD・ビデオ」とは、聴覚障害者情報提供施設が制作したもので、特に障 害者用にガイドや手話をつけたものをいい、一般の字幕付き洋画ビデオは含まない。

表 6-1 障害者向け資料の個人貸出実施状況(n=1,147)

資料種別 貸出実施館 貸出実績館 所蔵状況

(1点以上所蔵)

館数 割合 館数 割合 館数 割合 障害者向け録音資料

(カセット・テープ) 435 37.9% 286 24.9% 415 36.2%

障害者向け録音資料

(音声DAISY) 345 30.1% 255 22.2% 306 26.7%

音声DAISY以外の朗読CD 522 45.5% 418 36.4% 439 38.3%

点字資料(冊子体) 754 65.7% 512 44.6% 740 64.5%

点字資料(データ) 61 5.3% 27 2.4% 47 4.1%

点字絵本 822 71.7% 644 56.1% 764 66.6%

マルチメディアDAISY 198 17.3% 106 9.2% 177 15.4%

テキストDAISY 37 3.2% 14 1.2% 11 1.0%

プレーンテキスト 15 1.3% 5 0.4% 5 0.4%

大活字本 1,059 92.3% 891 77.7% 982 85.6%

拡大写本 69 6.0% 44 3.8% 60 5.2%

さわる絵本・布の絵本 534 46.6% 405 35.3% 574 50.0%

その他のバリアフリー絵本 97 8.5% 69 6.0% 79 6.9%

LLブック 393 34.3% 297 25.9% 363 31.6%

障 害 者 用 字 幕 ・ 手 話 入 り

DVD・ビデオ 116 10.1% 85 7.4% 103 9.0%

その他 36 3.1% 26 2.3% 32 2.8%

表 6-3 郵送、宅配サービスのいずれか又は両方を実施していると回答した館数及び郵送又は宅配サービ スによる貸出実績が 1 点以上あった館数(n=1,147)

資料種別 実施館 実績館

回答館数 割合 回答館数 割合 一般図書資料や大活字図書などの冊子体資料 435 37.9% 255 22.2%

録音資料(テープ・音声DAISY) 398 34.7% 254 22.2%

点字資料 341 29.7% 144 12.6%

市販テープ・CD 302 26.3% 175 15.3%

市販ビデオテープ・DVD 177 15.4% 61 5.3%

その他 26 2.3% 11 1.0%

上のいずれかの資料種別 589 51.4% 395 34.4%

589館(51.4%)がいずれかの資料種別について、郵送又は宅配による自宅等に資料を届 けるサービスを実施し、395館(34.4%)が貸出実績があった。

資料種別でみていくと、実施していると回答しているのが多いのは「一般図書資料や大活 字図書などの冊子体資料」の435館(37.9%)であるが、「録音資料(テープ・音声DAISY)」

も398館(34.7%)とほぼ拮抗している。続いて「点字資料」341館(29.7%)、「市販テー プ・CD」302館(26.3%)、「市販ビデオテープ・DVD」177館(15.4%)と続く。

実績ベースで実施状況をみていくと、「一般図書資料や大活字図書などの冊子体資料」が 255館(22.2%)、「録音資料(テープ・音声DAISY)」が254館(22.2%)と拮抗している 状況は同様であるものの、「点字資料」と「市販テープ・CD」は、それぞれ144館(12.6%)、

175館(15.3%)と、僅かな差ではあるが、実績ベースにおいては「点字資料」と「市販テ ープ・CD」の実施率が逆転している。

実績ベースによる指標1適合館、指標2適合館の実施状況を表6-4にまとめた。

表 6-4 郵送又は宅配サービスによる貸出実績が 1 点以上あった館数

資料種別

調査全体 指標1適合館 指標2適合館 回答

館数

割合

(n=1,147)

回答 館数

割合

(n=202)

回答 館数

割合

(n=115) 一般図書資料や大活

字図書などの冊子体 資料

255 22.2% 115 56.9% 73 63.5%

録音資料(テープ・

音声DAISY) 254 22.2% 202 100% 115 100%

点字資料 144 12.6% 109 54.0% 74 64.3%

市販テープ・CD 175 15.3% 100 49.5% 63 54.8%

表 6-2 障害者向け資料の貸出実績(タイトル換算)の分布(館数)

資料種別 1- 10点

11- 50点

51- 100点

101- 500点

501- 1,000点

1,001点 以上 障害者向け録音資料

(カセット・テープ) 145 52 26 50 7 6 障害者向け録音資料

(音声DAISY) 75 25 22 52 23 58

録音資料(DAISY以外のCD) 283 44 15 44 13 19 点字資料(冊子体) 364 79 26 34 3 6

点字資料(データ) 22 2 0 0 0 3

点字絵本 538 71 19 13 2 1

マルチメディアDAISY 90 11 2 3 0 0

テキストDAISY 13 0 0 0 1 0

プレーンテキスト 3 1 0 0 0 1

大活字本 463 46 36 137 81 128

拡大写本 36 2 3 2 1 0

さわる絵本・布の絵本 332 35 14 20 2 2

その他のバリアフリー絵本 66 1 0 1 1 0

LLブック 284 10 2 1 0 0

障害者用字幕・手話入り

DVD・ビデオ 75 6 2 2 0 0

その他 11 9 0 2 2 2

6.2 非来館型貸出サービス(郵送又は宅配サービス)

6.2.1 はじめに

障害や高齢等の理由で来館して資料を利用することが困難な利用者等に対し、郵送や宅 配によって利用者の自宅等に一般資料や障害者向け資料を届けるサービスの実施状況につ いて、本節では、まず非来館型貸出サービス全般について述べ、続いて、非来館型貸出サー ビスのうち、郵送サービス、宅配サービスのそれぞれの実施状況について、述べる。なお、

本報告書では、「郵送」とは、日本郵便株式会社による配送の他、宅配業者による配送も含 み、「宅配」とは、職員が利用者の自宅等に直接資料を届けるサービスのことを指す。

6.2.2 非来館型貸出サービスの実施状況

郵送又は宅配のいずれかの方法により、利用者の自宅等に資料を届けるサービスを実施 していると回答した館数及び貸出実績が1点以上あった館数を表6-3にまとめた。

表 6-3 郵送、宅配サービスのいずれか又は両方を実施していると回答した館数及び郵送又は宅配サービ スによる貸出実績が 1 点以上あった館数(n=1,147)

資料種別 実施館 実績館

回答館数 割合 回答館数 割合 一般図書資料や大活字図書などの冊子体資料 435 37.9% 255 22.2%

録音資料(テープ・音声DAISY) 398 34.7% 254 22.2%

点字資料 341 29.7% 144 12.6%

市販テープ・CD 302 26.3% 175 15.3%

市販ビデオテープ・DVD 177 15.4% 61 5.3%

その他 26 2.3% 11 1.0%

上のいずれかの資料種別 589 51.4% 395 34.4%

589館(51.4%)がいずれかの資料種別について、郵送又は宅配による自宅等に資料を届 けるサービスを実施し、395館(34.4%)が貸出実績があった。

資料種別でみていくと、実施していると回答しているのが多いのは「一般図書資料や大活 字図書などの冊子体資料」の435館(37.9%)であるが、「録音資料(テープ・音声DAISY)」

も398館(34.7%)とほぼ拮抗している。続いて「点字資料」341館(29.7%)、「市販テー プ・CD」302館(26.3%)、「市販ビデオテープ・DVD」177館(15.4%)と続く。

実績ベースで実施状況をみていくと、「一般図書資料や大活字図書などの冊子体資料」が 255館(22.2%)、「録音資料(テープ・音声DAISY)」が254館(22.2%)と拮抗している 状況は同様であるものの、「点字資料」と「市販テープ・CD」は、それぞれ144館(12.6%)、

175館(15.3%)と、僅かな差ではあるが、実績ベースにおいては「点字資料」と「市販テ ープ・CD」の実施率が逆転している。

実績ベースによる指標1適合館、指標2適合館の実施状況を表6-4にまとめた。

表 6-4 郵送又は宅配サービスによる貸出実績が 1 点以上あった館数

資料種別

調査全体 指標1適合館 指標2適合館 回答

館数

割合

(n=1,147)

回答 館数

割合

(n=202)

回答 館数

割合

(n=115) 一般図書資料や大活

字図書などの冊子体 資料

255 22.2% 115 56.9% 73 63.5%

録音資料(テープ・

音声DAISY) 254 22.2% 202 100% 115 100%

点字資料 144 12.6% 109 54.0% 74 64.3%

市販テープ・CD 175 15.3% 100 49.5% 63 54.8%

表 6-2 障害者向け資料の貸出実績(タイトル換算)の分布(館数)

資料種別 1- 10点

11- 50点

51- 100点

101- 500点

501- 1,000点

1,001点 以上 障害者向け録音資料

(カセット・テープ) 145 52 26 50 7 6 障害者向け録音資料

(音声DAISY) 75 25 22 52 23 58

録音資料(DAISY以外のCD) 283 44 15 44 13 19 点字資料(冊子体) 364 79 26 34 3 6

点字資料(データ) 22 2 0 0 0 3

点字絵本 538 71 19 13 2 1

マルチメディアDAISY 90 11 2 3 0 0

テキストDAISY 13 0 0 0 1 0

プレーンテキスト 3 1 0 0 0 1

大活字本 463 46 36 137 81 128

拡大写本 36 2 3 2 1 0

さわる絵本・布の絵本 332 35 14 20 2 2

その他のバリアフリー絵本 66 1 0 1 1 0

LLブック 284 10 2 1 0 0

障害者用字幕・手話入り

DVD・ビデオ 75 6 2 2 0 0

その他 11 9 0 2 2 2

6.2 非来館型貸出サービス(郵送又は宅配サービス)

6.2.1 はじめに

障害や高齢等の理由で来館して資料を利用することが困難な利用者等に対し、郵送や宅 配によって利用者の自宅等に一般資料や障害者向け資料を届けるサービスの実施状況につ いて、本節では、まず非来館型貸出サービス全般について述べ、続いて、非来館型貸出サー ビスのうち、郵送サービス、宅配サービスのそれぞれの実施状況について、述べる。なお、

本報告書では、「郵送」とは、日本郵便株式会社による配送の他、宅配業者による配送も含 み、「宅配」とは、職員が利用者の自宅等に直接資料を届けるサービスのことを指す。

6.2.2 非来館型貸出サービスの実施状況

郵送又は宅配のいずれかの方法により、利用者の自宅等に資料を届けるサービスを実施 していると回答した館数及び貸出実績が1点以上あった館数を表6-3にまとめた。

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