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第 5 章 第 5 章

第 5 章 結 論 結 論 結 論 結 論

5 - 1 結 論

本 プ ロ ジ ェ ク ト の 最も 顕著 な 功 績 は 、 コ ミ ュニ ティ 組 織 で あ る HWGの 活動 計 画 を ム ス レ ン バ ン と い う 公 式 ル ー トに 乗せ る こ と で 、村・区 の 公的 予 算 が そ の 実 施 に使 われ る よ う に な っ た こと で あ ろ う 。プ ロ ジ ェ ク トは「 地 方 自 治 」と「 コ ミュ ニ テ ィ ヘ ル ス 」双 方 の強 化 に 貢 献 す る も ので あ り 、3県 に 設 立 さ れ た「PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム 」 はADDの 非 イ ン フ ラ系 事 業 へ の 活 用 を 体現 し た と い う 意 味 で 先 駆的 なも の で あ る 。ADDの 大 幅増 額 が 予 想 さ れ る 折、その 有 効 活 用 と い う 視点 か ら 他 県 に と っ て も大 いに 参 考 に な る も の と考 えら れ る 。

指 標 か ら み る プ ロ ジェ クト 目 標 の 達 成 度 は 非常 に高 く 、約3年 間の 間 に 対象3県 の ほ と ん ど の 村・区 に お い て同 メ カ ニズ ム を 活 用 し た コ ミュ ニテ ィ 主 導 の 保 健 活 動が 実施 さ れ る よ う に な った 実 績 か ら は 、本 プ ロ ジェク ト の 高 い 有 効 性 と効 率性 が う か が わ れ る 。その一 方 で 、ア ウ ト プ ッ ト で あ る コ ミ ュ ニ テ ィ、郡、県 、州 レ ベ ル のキ ャ パシ テ ィ 強 化 に は 課 題が 残さ れ て お り 、こ れは プ ロ ジ ェ ク ト の 計 画 策 定 及 び 運 営 に お い て 、「 期 間 内 に 、 対 象 県 の 全 コ ミ ュ ニ テ ィ で ミ ク ロ レ ベ ル の 保 健 活 動 を 公 的 資 金 を 利 用 し て 実 施 す る 仕 組 み を つ く り 、 運 用 す る こ と 」 が 重 点 課 題 と な り 、 そ れ を 維 持 管 理 す るた めに 各 レ ベ ル で 必 要 なキ ャパ シ テ ィ に 関 し て 十分 な分 析・対 応 が なさ れ な か っ た こ と 、 また C/P の能 力 強 化 の 機 会 と なる 活動 を JICA 側 の プ ロジ ェク ト ス タ ッ フ が 実 施し て し ま っ た こ と な どに 起因 す る 。県 政 府、州 政 府内 で モ ニ タ リ ン グ や関 係部 局 間 の コ ー デ ィ ネー シ ョ ン の 仕 組 み が 構築 され て お ら ず 、そ れが 設 立さ れ た 出 口 戦 略 の 進捗 にも 影 響 し 、プ ロ ジェ ク ト 終 了 後 の PRIMA-K メ カ ニ ズ ム の 継 続 的 実施 に関 し て 不 安 材 料 と なっ てい る 。 一 方 本 プ ロ ジェ ク ト の 財 政 的 な 自 立 性 は 、 当 初 よ り 課 題 と し て 意 識 さ れ て い た 分 野 で あ り ほ ぼ 確 立 さ れ て い る 。 今 後 プ ロ ジ ェ ク ト 終 了 ま で の 間 に 、 各 県 に お い て 「PRIMA-K メ カ ニ ズ ム 」 を 適 切 に モ ニ タ ー 、 管 理 す る た め の シ ステ ムを 設 計 ・ 設 立 す る こと が求 め ら れ る 。

保 健 上 の イ ン パ ク トは 、コ ミ ュ ニ テ ィ レ ベ ルに おい て は 保 健 環 境 の 改善 や習 慣 や 行 動 変 容 に 発 現 す る こ と が 予 想 され るが 、コ ミ ュ ニ ティ で 実 施さ れ て い る 保 健 改 善活 動が 非 常 に 小 規 模 で あり 、 そ の 分 野 に も ば ら つき が大 き い こ と か ら、上 位 目標 の 指 標 と さ れ て いる 県レ ベ ル の デ ー タ に は明 確 に 現 れ な い 可 能 性も 高い 。し か し 多 くの コ ミ ュニ テ ィ か ら 保 健 活 動や 住民 の 意 識 の 向 上 が 報告 さ れ て お り 、DINKESの も つ さ ま ざ ま な プ ログ ラム に 関 し 、 コ ミ ュ ニテ ィレ ベ ル で 間 接 的 で はあ る も の の 大 き な 貢 献を する こ と が 期 待 さ れ る。

5 - 2 提 言

PRIMA-K メ カ ニ ズ ム の持 続 性 の 観 点 か ら 、プ ロジ ェ ク ト は 対 象 3 県それ ぞ れ の 状 況 に 応 じた

運 営 管 理 シ ス テ ム を構 築す る こ と が 重 要 で ある 。同 時 に 、3 県 の PRIMA-K メ カ ニ ズ ム が 各 地 の 状 況 に 応 じ て 調 整・構築さ れ て お り 、こ の よ うなフ レ キ シ ビ リ テ ィ はム スレ ン バ ン・シ ス テ ム や ADD活 用 に お い ても 良い モ デ ル に な り 得 るほ か、PRIMA-Kで 構 築 し たメ カ ニ ズ ム が 国 家 プロ グ

ラ ム で あ る デ サ シ アガ アク テ ィ フ の 今 後 の 効果 的な 実 施 の 好 例 と な り得 るこ と か ら 、本 プロ ジ ェ ク ト の 対 象 外 の 地 域へ も伝 播 さ れ る こ と が 期待 され る 。こ の よ う な理 由 から 、終 了 時 調 査 評価 団 と し て は プ ロ ジ ェ クト 及びC/P各 機 関 に 対 して 以下 の 提 言 を 行 う 。

(1)PRIMA-Kプ ロ ジ ェク ト チ ー ム

2014年3月31日 の プ ロジ ェ ク ト 終 了 ま で の限 られ た 期 間 を 考 慮 す ると 、プ ロ ジ ェ ク ト チ

ー ム は 以 下 の2つ の 業 務に 優 先 を 置 き、プ ロ ジ ェク ト 終 了 ま で に 完 了さ せる こ と が 望 ま し い。

・ 対 象3県が PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム を 実 施 する に必 要 な 運 営 管 理 シ ステ ムを お の お の の 状 況 に 応 じ た 形 で 構 築 する こと に 対 す る 技 術 支 援。また 県 知 事 令 や 県 知 事通 達等 公 的 文 書 に よ る メ カ ニ ズ ム の 正 式な 位置 づ け 。

・PRIMA-K メ カ ニ ズ ム に 関 心 の あ る 機 関 へ の 参 考 と な る よ う に 、 プ ロ ジ ェ ク ト を 通 じ て 開 発 し た 以 下 等 を 含 む 「PRIMA-K ツ ー ル ・パ ッ ケ ー ジ ( 仮 称 )」 と し て 取 り ま と め る こ と 。 本 パ ッ ケ ー ジ の 取 りま とめ は 、プ ロ ジ ェク ト 終 了前 に 予 定 さ れ て い る中 央レ ベ ル の セ ミ ナ ー の 際 に 広 く 配 付 され るこ と が 望 ま れ る 。

- PRIMA-Kガ イ ド ラ イ ン - 各 県 策 定 の 実 施 ガイ ドラ イ ン - ト レ ー ニ ン グ モ ジュ ール - 実 施 予 算 見 積 も り

- PRIMA-Kサ イ ク ル の 年間 ス ケ ジ ュ ー ル

- PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム 実施 に 要 す る 人 材 及 びそ の役 割 リ ス ト - PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム にか か る 州 知 事 例 ( 見本 )

- PRIMA-Kチ ュ ー ト リ アルDVD

- PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム 実施 促 進 の た め の 県 の措 置例 集

(2) 対 象3県

・ 以 下 の 点 に 配 慮 し た PRIMA-K メ カ ニ ズ ム 実 施に か か る 適 切 な 運 営管 理シ ス テ ム の 構 築 。 部 局 横 断 的 な 協 働 ・調 整体 制 の 整 備

① モ ニ タ リ ン グ ・ シ ス テ ム の 整 備 ( 指 標 、 情 報 源 、 担 当 機 関 、 モ ニ タ リ ン グ 実 施 頻 度 、 情 報 の 流 れ を 明 確 に示 した も の )

② HCやSDOに よ る ファ シ リ テ ー タ ー の 正式 な任 命 と 、フ ァ シ リ テー ター が 活 動 す る た め に 必 要 な 組 織 体 制の 整備

③ HCやSDOに よ る ファ シ リ テ ー タ ー の 正式 な任 用 と フ ァ シ リ テ ータ ーが 活 動 す る た め に 必 要 な 組 織 体 制 の整 備

・PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム の 実 施 運 営 体 制 に かか る県 知 事 令 等 の 公 的 文書 での 位 置 づ け

・ 保 健 以 外 の セ ク ター にお け る 同 メ カ ニ ズ ムの 応用 の 検 討

(3) 州 チ ー ム

・PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム を 適 用 さ せ る た め に必 要な 以 下 を 含 む 州 内 の部 局横 断 的 な 調 整 機 能

① 州 内 他 県 へのPRIMA-Kメ カ ニ ズ ム 普 及 の ため の 部 局 横 断 的 な ビジ ョン の 確 立

② 同 メ カ ニ ズ ム 適 用 に 必 要 な 部 局 横 断 的 な 業 務 の 洗 い 出 し と 実 施 体 制 ・ モ ニ タ リ ン グ/ 報 告 シ ス テ ム の 整 備

③ 上 記2点 に か かる 州知 事 例 等 の 制 定

(4) 中 央 政 府

1)MOH保 健 推 進セ ン ター

・PRIMA-K メ カ ニ ズ ム の 検 証 と 国 家 政 策 で あ る デ サ シ ア ガ ア ク テ ィ フ と の 有 機 的 な 連 携 の 模 索

・ 検 証 の 結 果 、 有 効と 認め ら れ た 場 合 の 同 メカ ニズ ム の 全 国 へ の 普 及 2)MOHA

ADD 活 用 に よ る 民 主 的 で 透 明 性 の あ る 地 方 自 治 の 強 化 と デ サ シ ア ガ ア ク テ ィ フ を 通 じ

た コ ミ ュ ニ テ ィ の エン パワ ー メ ン ト の た め の以 下の 実 施

3)PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム及 び3県 で 発 現 し つつ あるPRIMA-Kと デ サ シ ア ガ ア ク テ ィ フ の 有

機 的 な 効 果 の 検 証

4) 好 事 例 と し て の 全 国へ の 普 及 ・ 展 開

(5)JICA

1) 州 及 び3県 に 対 す るモ ニ タ リ ン グ 及 び モラ ル・ サ ポ ー ト

2) 本 プ ロ ジ ェ ク ト の 成果 と 教 訓 を 活 用 し た将 来的 な 技 術 協 力 の 可 能性 の検 討

5 - 3 教 訓

本 プ ロ ジ ェ ク ト の 実施 を通 じ て 得 ら れ た 教 訓は 以下 の と お り 。

・プ ロ ジェ ク ト の 計 画策定 段 階 で 県 、州 、中 央 レベ ル の ス テ ー ク ホ ルダ ーが 綿 密 な 協 議 を 重 ねる こ と で 、C/P の オ ー ナ ーシ ッ プ が 醸 成 さ れ ると とも に 、 確 立 す べ き メカ ニズ ム の 具 体 的 な イ メ ー ジ が 関 係 者 と 共 有で きる 。ま た 、プ ロジ ェ ク トを 政 府 の 計 画 策 定 サイ クル と 合 致 さ せ る こ と で 、 公 的 予 算 を 活 用し た持 続 的 な 仕 組 み (「PRIMA-Kメ カ ニ ズ ム 」) をつく る こ と が で き る 。

・イ ン ド ネ シ ア では 他 セク タ ー の プ ロ ジ ェ クト でも 、コ ー デ ィ ネ ーシ ョ ンや フ ァ シ リ テ ー テ ョン の た め に 外 部 リ ソ ー ス を 使 う こ と が 多 々 あ り 、 持 続 性 の 確 立 と い う 面 で の 課 題 と な っ て い る 。 し か し 、イ ン ド ネシ ア 政府 は そ れ を あ ま り 課題 とし て と ら え て お ら ず、本プ ロ ジ ェ ク ト も 結 果 的 に 同 じ 轍 を 踏 ん で し ま っ た 向 き が あ る 。 多 数 の 現 地 ス タ ッ フ を 活 用 す る プ ロ ジ ェ ク ト で は 、 現 実 的 な「 出 口 戦 略 」をプ ロ ジ ェ ク ト デ ザ イン に組 み 込 む と 同 時 に 、プロジ ェ ク ト の 実 施 に あ た っ て 根 幹 と な る 公式 文書 で あ るR/Dに 明 確 に 文書 化 し て お く こ と が望 まれ る 。

・詳 細 な プ ロ ジェ ク ト・ド キ ュ メ ン ト を も たな いJICAの 技 術協 力 プ ロ ジェ ク ト で は 、R/DとPDM が そ の 実 施 に 際 し て 内 容 を 規 定 す る 唯 一 の 文 書 で あ る 。 そ の た め 、「 能 力 強 化 」 と い っ た 漠 然 と し た 文 言 を 使 用 する 場合 に は 、① ど んな 能 力 を② ど こ ま で ③ ど の よう な手 法 で 強 化 す る の か が 自 明 的 な 指 標 及 び活 動を 設 定 す る こ と が 求め られ る 。プ ロ ジェ ク ト 開 始当 初 に 今 一 度C/P側 と 細 部 に わ た っ て PDMとR/Dの 確 認 を 行 い 、 プロ ジ ェ ク ト の ア ウ トプ ット 及 び そ の た め の 手 法 を 確 認・合 意 する ス テッ プ を 経 る こ と が 必要 であ る が 、加 え て キャ パ シテ ィ ア セ ス メ ン ト の 実 施 に よ り ニ ー ズ を明 確化 す る こ と も 推 奨 され る。

・プ ロ ジェ ク ト 成 果 の面的 な 拡 大 を 期 待 す る場 合に は 、地 方 分 権 化 に よる中 央 政 府・地 方 政 府 そ れ ぞ れ の 役 割 と 限 界を 考慮 し た プ ロ ジ ェ ク トデ ザイ ン を 描 く こ と が 望ま れる 。本 プ ロ ジ ェク ト で は 基 礎 自 治 体 で ある 県を 活 動 の 核 と し、村/区 に お け る コ ミ ュ ニ テ ィの 自発 的 な 保 健 衛 生 活 動 を 支 援 す る メ カ ニ ズム を構 築 す る 一 方 、州 は こ うし た 県 の メ カ ニ ズ ムを 好事 例 と し て 州 内 他 県 へ 普 及 さ せ る 役 割 を 日 本 側 は 期 待 し て い た 。 し か し な が ら 、 地 方 分 権 化 に よ り 州 は 県 に 対 し 、

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