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第 3 章 保護者の行動・意識の実態調査及び啓発コンテンツの評価

3.6 調査結果に関する考察・まとめ

本調査の回答者は、チャイルドシートを必ず着用すると回答した人が約71%で、昨年度の調査 と同様に、警察庁/JAFの調査結果よりも、着用率がやや高い傾向にあった。チャイルドシート を使用しなくなった理由についてたずねた質問では、「子どもが大きくなって、サイズが合わな くなってきたから」が最も多く、次いで「大人のシートベルトを着用し始めたから」、「子ども が着用を嫌がり始めたから」となった。特に、「大人のシートベルトを着用し始めたから」と回 答した18名全てが末っ子の年齢が6歳未満であり、子どもが大きくなってきた際に、何となく使 用を止めてしまう場合もあることが分かる。

チャイルドシートに着座するのを嫌がるかをたずねた質問からは、「必ず嫌がる」、「よく嫌 がる」、「たまには嫌がる」を回答した人が全体の44%を占めており、子どもが嫌がることは稀 なことではなく、良く起きることであることが分かる。年齢と嫌がりの関係は、1,2歳が嫌がる 傾向が強く、3歳頃から嫌がらなくなる傾向があることが分かった。しかし、一部の5歳児では嫌 がる傾向があることが分かった。

また、チャイルドシートに着座することを子どもが嫌がった場合、約28%の人がチャイルドシ ートから降ろしていることが分かった。また、ベルトを締めずにチャイルドシートに座らせてい る運転する人が約29%いることが分かった。これらの結果は、昨年度の結果とほぼ同じであるた め、チャイルドシートを設置していても、意味がある状態で使用していないユーザが一定数いる ことが分かった。

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

各群における割合

使⽤群 未使⽤群

全く問題ない 致命的

今年度開発した「啓発用映像を見る群」と「衝突実験映像を見る群」に分け、チャイルドシー トを使用せずに事故が起こった場合の傷害の重症度の認知、および、さまざまな状況下における 自己効力感の認知の違いを比較した結果からは、啓発用映像には衝突実験映像よりも傷害の重症 度の認知を上げる効果があることが示唆された。また、啓発用映像を見る前後では、重症度の認 知レベルに有意な差があることが確認され、啓発効果があることが確認できた。各状況における 自己効力感に関しては、状況3,4,8以外で、自己効力感を高める効果があることを確認した。

各状況で自己効力感が特に高いと思われる8~10を回答した人の割合を図33に示す。状況1~3 と8では、自己効力感が特に高い人の割合が50%以上となり、チャイルドシートを使うことができ ると感じやすいことが分かった。状況4~7では、自己効力感が特に高い人の割合が50%以下とな り、「絶対にできないと思う」と回答した人が全体の10%以上となり、チャイルドシートを使う ことが難しいと感じていることが分かった。この結果は、概ね昨年度の結果と一致しており、自 分と子ども以外の他者に迎えに来てもらった状況では、それを拒否してチャイルドシートを使っ て自動車に乗せることを選択することは難しいことが分かった。

図33 各状況における自己効力感が特に高い人の割合

自動車事故対策機構から提供していただいた2種類の動画のうち、どちらも見たことがないと 回答している人が、全体の60.3%もおり、昨年よりも顕著に多くの人が衝突実験の映像を見たこ とがないことが分かった。

以上のことから、チャイルドシートの着用率を上げるためには、意識・行動変容効果が高い啓 発プログラムを開発するとともに、以下の点を改善していく必要がある。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

状況1 状況2 状況3 状況4 状況5 状況6 状況7 状況8

⼰効⼒感が特に⾼い⼈の割

① チャイルドシートの着用に関する情報発信の場作り

‒ 法律が知られていない点

‒ 啓発に活用できる映像を見たことがない割合が高い点

‒ 6歳未満の子どもを持つ保護者だけでなく、孫がいる祖父母や友人に6歳未満の子ども

を持つ人がいる人といった6歳未満の子どもを乗せる可能性がある人への情報発信の 場がない点

② チャイルドシートを必要なときにすぐ使える仕組み作り

‒ 孫や友人の子どもを自動車に乗せる機会が稀にしかない人は、チャイルドシートを購 入しないことが多い点

‒ 買い替え時期など、手元にすぐに使えるチャイルドシートがないが、自動車は使う必 要がある点

③ チャイルドシートの効果を分かり易くする仕組み作り

‒ チャイルドシートを使っていなくても、自分は事故に合わないという考え

①については、イベントなどで情報発信するだけでなく、日常的に情報に触れることができる ように、テレビなどのメディアの力を使ったり、大型スーパーなどの日常的に自動車で訪れる場 所と連携して情報を発信していくなどが考えられる。②については、レンタカー事業者や自治体 などでチャイルドシートのレンタルサービスを行う、といったものが考えられる。また、チャイ ルドシートを使うのが難しくなるほど子どもが成長してから次のチャイルドシートを購入する のを検討するのではなく、早めに買い替えを検討できるようにメールなどで通知したり、適切な 時期にチャイルドシートを買い替えることで、割引や下取りといったサービスが受けられるとい った売り手の協力も必要であると考えられる。③については、交通事故が1人の人に起きること はそれほど頻繁ではないため、チャイルドシートを使っていることで得られる効果が感じにくい。

そのため、自分は事故に合わない、近所に行くだけだからチャイルドシートを使わないでも大丈 夫、といった考えが生まれてしまう。チャイルドシートによって得られる安全の価値は分かりづ らいため、チャイルドシートを使っていると駐車料金が割引されたり、高速道路利用料が割引さ れるといった、別の分かり易い価値へと変換する仕組みなどを考える必要がある。

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