• 検索結果がありません。

調査研究

ドキュメント内 i (ページ 69-78)

Data 2.1.1 研究課題成果一覧

<本館・大利根分館・大多喜城分館>

1 重点研究課題

研究テーマ 研究担当者 研究の目的・内容および本年度の成果

1

房総丘陵の自然

‐過去、現在、未来‐

:植物学

原 正利 大野啓一 天野 誠 斎木健一 御巫由紀 尾崎煙雄 古木達郎 原田 浩 友田暁子

( 共 同 研 究 員 ・ 市 民 研 究員)

【内容】房総丘陵の森林には、関東周辺の山地と比べ、ヒメコマツやカツラなど温帯性 の維管束植物が低標高地に分布する。北総にも分布する温帯性の種との対比や、その生 育立地や生態の研究も行って、維管束植物の多様性を解明する。また、この森林には、

多くの蘚苔類、地衣類、菌類が共生している。これらの生物群に関する研究も行って、

房総丘陵の植物学的多様性を総合的に解明する。

【成果】(1)維管束植物相調査については、東京大学千葉演習林内の現地調査を 8 回行 い、千葉演習林の担当者ととりまとめについて相談した。房総丘陵に分布する温帯性植 物の立地と生態については調査を実施できなかった。(2)銚子市域の植物相調査は、1

㎢調査区全 106 区のうち、72 区の調査が終了した。総記録データ数は 5480、累積分類 群数は 932、館員の採集した標本点数は 937 であった。ボランティアはのべ 94 名、標本 点数は 2404 であった。(3)蘚苔類については、東京大学演習林が保管する標本および当 館所蔵標本による植物相調査を行った。(4)地衣類については、東京大学千葉演習林に て 4 日間の現地調査を行い、800 点の標本を採取し、県内未記録 2 種および希少種 1 種 について論文および学会発表により公表した。

2

房総丘陵の自然

‐過去、現在、未来‐

:動物学

宮野伸也 斉藤明子 尾崎煙雄 落合啓二

【内容】清澄山系は、動物相から見ても、多様性の高い地域である。特に昆虫は、この 地域でのみ記録されている種も多い。また、哺乳類も多いが、反面、移入種や植物相へ 影響などの問題も生じている。房総丘陵内の他の山系との比較も行い、清澄山系の昆虫 相の特異性を明らかにする。また、哺乳類の分布・生態に関する研究も継続する。研究

【成果】東京大学千葉演習林において、11 回の現地調査を行い昆虫標本の採集を行った。

採取した標本については標本化作業と同定を進めた。

3

房総丘陵の自然

‐過去、現在、未来‐

:地学

岡崎浩子 高橋直樹 加藤久佳 伊左治鎭司

【内容】房総丘陵に産する新生代の化石、火成岩がまとまって産出する嶺岡丘陵の岩石、

第四紀(沖積層)の地震隆起と津波堆積物の調査によって、房総半島南部の地質の特性 を解明する。

【成果】鴨川市内の房総丘陵から派生した分離丘陵「鴨川富士」周辺の地質について調 査を行い、50 点の資料を採集した。また化石については、市原市梅ヶ瀬渓谷のトド化石 の発見と報道発表を行ったほか、上総層群の脊椎動物化石調査を4回実施した。さらに、

君津市蔵玉、折木沢、高宕沢、清和地区の小糸川、養老渓谷等における陸成炭酸塩岩(ト ゥファ)の調査を行い、成果は学会で発表した。

2-①地域研究課題:地球誌系

研究テーマ 研究担当者 研究の目的・内容および本年度の成果

1 房 総 半 島 の 地 層 の 堆 積

環境の復元 岡崎浩子

【内容】房総半島はそのほとんどが新生代の地層からできており、この時代の日本の 模式地層として位置づけられている。したがってその地層の形成時の堆積環境を復元 することは、房総半島の成り立ちおよび日本列島の成り立ちを解明する上で大変重要 である。この堆積環境の復元を堆積相解析を用いて地域ごとに行う。

【成果】2011.3.11 東日本太平洋沖地震で屏風ヶ浦にに到来した津波堆積物の剥ぎ取 り資料の検討を行い、地球惑星連合大会で発表した。

2 房 総 半 島 嶺 岡 帯 の 地 質

構造の解明 高橋直樹

【内容】嶺岡帯は無数の断層が発達したきわめて複雑な地質構造を持っている。詳細 な現地調査を実施するとともに、構成岩石の岩石学的特徴の検討を加えて、これらの 地質構造を明らかにする。

【成果】嶺岡帯に産出する斑れい岩類の産状及び岩石学的性質のまとめを行い、日本 地質学会で発表した。

3

房 総 半 島 の 地 形 景 観 と そ の 成 り 立 ち に 関 す る 研究

八木令子

(吉村光敏)

【内容】房総半島には高い山や火山はないが、激しい隆起や侵食、氷河性海面変動な どに起因して形成された丘陵や台地、平野、海岸、河川など多様な地形が見られる。

これらの分布や成り立ちに関する総括的な調査を行うとともに、それぞれの地形を景 観として俯瞰できるような眺望地点の分布を明らかにする。

【成果】銚子半島〜屏風ヶ浦海食崖〜旭市椿海の現地調査を行い、地形景観を眺望で きる場所を把握した。それらのうち、銚子マリーナから見た屏風ヶ浦の地形地質、銚 子タワーから見た銚子半島の地形の解説図を作成し、銚子市で開催された一般向け講 演会などで発表した。

4 房 総 半 島 の 脊 椎 動 物 化

石の分布調査 伊左治鎭司

【内容】房総半島に分布する上総層群と下総層群から産出する脊椎動物化石は多種多 様であり、化石密集層から産出する例も知られている。脊椎動物化石を多く含む地層 について、産出化石と堆積環境について調査する。

【成果】市原市の梅ヶ瀬渓谷から発見された鰭脚類化石が、世界最大のトド類と判明 した。今後国立科学博物館の甲能直樹博士と共同研究を進めて、CT を用いた組織の解 析等を進める予定である。

5 房 総 の 十 脚 甲 殻 類 化 石

相 加藤久佳

【内容】中生代白亜紀前期~完新世に及ぶ、千葉県産の十脚甲殻類化石の分類、記載 を行う。

【成果】三浦層群千畑層、下総層群などからハサミ脚の断片を採集、クリーニング処 理などを行った。

6 房総周辺の花粉・環境誌

奥田昌明

( 館 外 研 究 者)

【内容】房総とその周辺で以下のような花粉調査を実施する。(1) 上総・下総層群相 当層に対し花粉分析をおこない日本列島中軸部の過去 100 万年の環境変動を解明す る。(2) 房総とその周辺で表層花粉資料の収集整備に努める。(3) 千葉市周辺の歴史 時代の古環境を復元する。

【成果】東総地域の歴史時代をさぐる試みとして、茨城県潮来から得られたボーリン グコアの花粉分析をおこなった。

7

房 総 丘 陵 に お け る タ ゴ ガ エ ル の 産 卵 場 所 に 関 する環境地質学的研究

大木淳一

【内容】タゴガエルの産卵場所および越冬場所である湧水箇所を環境地質学的に解明 する。

【成果】養老渓谷において 2012 年 4 月~6 月には幼生や幼体の生息状況を、2013 年 1 月~3 月にタゴガエルの越冬状況や産卵状況を調査した。

8

房 総 丘 陵 に お け る 河 川 の 発 達 と 河 道 の 変 遷 に 関する研究

小 田 島 高 之

(島立理子)

【内容】房総丘陵における河川の発達と河道の変遷を解明し、河川環境と人との関わ りについて考察する。

【成果】小櫃川上流域の踏査、古地図、迅速図、過去の地形図等による解析、古文書 の解析を行った。

2−②地域研究課題:生命誌系 1(房総の分類学的多様性の特徴とその保全)

研究テーマ 研究担当者 研究の目的・内容および本年度の成果

1 房総のハチ類誌 宮野伸也

【内容】県内で広くハチ類を採集し、作成した標本約 600 個体の同定を進める。

【成果】サイジョウハムシドロバチ、ミカドジガバチなどの生息が明らかとなった。

「アシダカグモを運ぶツマアカクモバチ」など 3 編を雑誌「房総の昆虫」に発表した。

2 房総の魚類誌 宮 正樹

【内容】房総の生息する魚類を網羅的に収集し、種組成や生態などを明らかにする。

【成果】ミヤコタナゴを生物多様性センターと共同で採集し、博物館のコレクション とすると共に DNA の分析を行った。また、内房の東京海底谷の魚類を収集した。

3 房総の貝類誌 黒住耐二

【内容】房総半島にどのような貝類が第四紀以降生息しており、それが人間活動を含 めた環境変化に対して、どのように変遷し、また人間にどのように利用されてきたか 等について調査する。

【成果】県内各地で調査を行うと共に、「原色図鑑.外来害虫と移入天敵」を分担執筆 し、市原市の縄文時代早期の天神台遺跡の微小貝類について報告し、房総のむらの展 示会図録に下総台地の貝類相の変遷についても報告した。

4 房総の土壌動物誌 萩野康則

【内容】房総に生息する多種多様の土壌動物について文献調査と採集を行い、詳細な 文献リストと生息種リストを作成し、生息種の標本を収集する。

【成果】千葉県内各地から採取した土壌試料からツルグレン装置で抽出した土壌動物 試料約 20 点を分類群ごと(概ね目または亜目単位)にソーティングした。

5 房総の甲殻類誌 駒井智幸

【内容】房総半島に出現する軟甲甲殻類相の解明を行う。特に共生性種において未記 載種が発見されており、資料の収集と記載を進めたい。

【成果】カイメン共生性エビ類の採集を行い、館山において、新たに潮間帯性の 2 種 の存在を確認した。木更津の盤洲海岸から採集された、ツバサゴカイ共生性のマメガ ニ属の一種は外来種であることが示唆され、今後は原産地由来の標本との比較が必要 である。房総半島とその周辺海域から採集された標本の検討を進め、イバラモエビ属 の1新種とトガリツノガイヤドカリ属の 3 新種を記載した。

6 房総の地衣類誌 原田 浩

【内容】千葉県内の地衣類相を明らかにするために、既に収集した標本資料の分類学 的検討をおこなう。また、必要に応じ、主として千葉県南部(あるいは銚子地域)に おいて補足調査を行う。

【成果】共同研究員・市民研究員と協力し、県内に産するアナイボゴケ科、マルゴケ 属、リトマスゴケ科、Malcolmiella属などの分類を一部明らかにした。

7 房総の蘚苔類誌 古木達郎

【内容】千葉県内に生育するコケ植物について、分類学的な再検討を行い、併せて分 布と生態を記述する。重点地域は継続して下総台地とする。

【成果】市原市の蘚苔類相について、市民研究員と調査を行い、ギボウシゴケモドキ やオオクラマゴケモドキなどの千葉県新産を確認した。

8 千 葉 県 の 甲 虫 相 に 関 す

る研究 斉藤明子

【内容】本研究は、房総地域に生息する昆虫の戸籍簿の作成を目的とするもので、昆 虫の内、カミキリムシ類などの食材性甲虫類の調査を行う。幼虫が生木あるいは枯れ 木を餌とする食材性の昆虫は森林環境を指標する生物群のひとつであり、これらの生 物相を調べることで、その地域の森林の状況を推測するための資料ともなる。

【成果】大多喜県民の森、清和県民の森、南房総市で調査を行い、千葉県の甲虫相を 明らかにするための基礎資料を収集した。市民研究員との協働で、千葉県動物誌、千 葉県産動物総目録に掲載されていない甲虫の文献調査を行い、60 種を確認した。

9 房 総 丘 陵 の 両 生 爬 虫 類 相

大木淳一

(尾崎煙雄・

小田島高之)

【内容】千葉県の中でも最も多くの両生爬虫類が生息する房総丘陵の両生爬虫類相を 解明し、1km メッシュ単位の分布図を作成する。

【成果】房総丘陵を中心に両生爬虫類の調査を行い、タゴガエル、ヒキガエル、モリ アオガエル、ニホンアカガエルなどの生態写真を撮影し、観察会で活用した。

10 房 総 丘 陵 の 昆 虫 ・ ク モ 類相

尾崎煙雄

(大木淳一)

【内容】「房総三角帯」に属し特有の昆虫およびクモ類が生息する房総丘陵の昆虫・

クモ類相を解明し、標本および生態写真のデータベースを作成する。

【成果】清和県民の森、清澄山を中心に調査を行い標本採集、同定、標本作製を行っ た。また、生態写真を多数撮影し、『しいむじな』や山 FM ウェブサイト等で公開した。

ドキュメント内 i (ページ 69-78)

関連したドキュメント