第 4 章 厨房排水由来の油分が下水道および公共用水域へ及ぼす影響 4.1 緒言
4.2 調査方法
4.2.1 調査対象地域
(1) 金沢市城北水質管理センター処理区
表4-1は,石川県全体と,調査対象とした金沢市および七尾市における平成22年度末 汚 水処理施設整備状況を示したものである2).石川県の下水道普及率は78.8%,汚水処理整 備率は89.8%と全国的にも高い値を示している.金沢市においては,下水道普及率は95.6%,
汚水処理整備率は97.7%と,ほぼ全市に下水道が普及しているのに対し,七尾市は,下水 道普及率が34.1%,汚水処理整備率は70.3%と,低い状況であることがわかる.
表4-1 金沢市および七尾市における平成22年度末 汚水処理施設整備状況2)
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金沢市の下水道全体計画図3)を図4-1に示す.金沢市は,公共下水道3箇所,流域下水 道1箇所,特定下水道1箇所および特定環境保全公共下水道1箇所の下水道区域に分かれ ており,それぞれ処理場を有している.そのうち城北水質管理センター処理区は,金沢市 で最初に下水道が普及した区域で,旧市街地のほとんどをカバーしており,多くの飲食店 が存在し,金沢市の指導により飲食店はすべて下水道に接続していることがわかっている.
そこで,下水道への負荷量を推計するために,金沢市城北水質管理センター処理区を選定 した.
図4-1 金沢市公共・特環・流域下水道全体計画図3)
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表4-2に,城北水質管理センター浅野処理区の下水道整備の現況4)を示す.
表4-2 城北水質管理センター浅野処理区の下水道整備の現況
事業計画 22年度末 整備状況 処理人口(人) 154,000 147,387 処理・整備面積(ha) 2,903(処理面積) 2,770(整備面積)
(2) 七尾市御祓川の下流域
図4-2は,七尾市(市街地)下水道工事予定箇所を示したものである5).
図4-2 七尾市(市街地)下水道工事予定箇所
七尾市の市街地のほとんどは,御祓川の下流域に存在している.下水道の整備は,近年 急速に進んでいるが,市街地の下水道普及率は72%,七尾市全体では普及率は34%(平成22 年度末)と低い.
御祓川の水質は,表4-3の観測地点で調査(石川県保健環境センター分析)されている.
この川は,長年,汚れがひどく水質改善が地元住民の課題となっている.平成 14 年度 8 月での下流域BOD値は8.2mg/L (環境基準値5mg/L)を示した箇所もあった6).
七尾湾
御祓川
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図4-3に御祓川の水質測定結果のBOD値を示す7).御祓川下流の仙対橋下の数値は,2009 年度(平成 21 年)までは環境基準に達成していなかったが,近年の市街地区域の下水道 整備により,2010年度に初めて環境基準値以下の値を示した.しかし,先にも述べたよう に,まだ下水道が普及していない地域が流域に存在していることから,図4-4で示す8)御 祓川分岐点より下流域を対象として,飲食店由来の厨房排水中の油分による河川への影響 を調査した.
表4-3 御祓川の測定地点
水 系 名 河 川 名 測 定 地 点 名 御祓川(上流)
〃 (下流)
〃 (下流)
〃 (下流)
本 川 〃 〃 〃
藤 橋 二 号 橋
西 藤 橋 橋
仙 対 橋
桜 川 橋
図4-3 御祓川の水質測定結果(平成14~22年の推移) BOD値7) 御祓川上流 環境基準値 BOD値 3 mg/L
御祓川下流 環境基準値 BOD値 5 mg/L
- 62 - 図4-4 御祓川流域8)