研究費によって実施したものであるが、遺跡分布から人口動態を復元し文化変化モデルを構築する 際に必要となる、縄文時代・弥生時代の生活様式や移動のパターン、古環境変化に関する基礎的な データを得るという目的を達することができた。大山西麓の山間部に位置する井後草里遺跡では、
縄文時代の早期、中期、後期、晩期に居住地として利用された遺跡の状況を調査し、標高が高い地 点においても縄文時代後期中葉にある程度拠点的な集落が営まれていることを明らかにした(松本 編2008、2010、20日;幡中2013)。井後草里遺跡で出土した他地域から搬入された可能性がある注 口土器は、地域間ネットワークの存在を示唆するものであるが、集団間関係と集団の移動範囲をど う整理するかは残された課題である。縄文時代の後期から晩期にかけてみられる遺跡増加や沖積地 への進出は、相対的人口増加だけでなく短期的生活志向も関与している可能性がある(山口ほか 2010)
。
民族誌から推定される狩猟採集民の活動領域が平均して集落から半径10km程度(徒歩2時間以内) であるとすると (Finziand Higgs 1970)、二本松上郷後峯遺跡がある大山北麓のエリアは沿岸部に 居住する集団の活動領域であったことは十分に想定できる。また、農耕民についても半径5kmほど の活動領域が存在することが指摘されており、退休寺遺跡などから短期的に狩猟に出かけてくるこ とも考えられる。より実態に即した社会復元を行うためには、遺跡数に基づく単純な計算ではな く、地域における複数の遺跡聞の有機的な関係を考える必要がある。この作業をいかに進めるかに ついては残された課題も大きいが、引き続き検討を進めていくこととしたい。
(松本)
引用文献
西尾秀道2010r大山町文化財調査報告書第9集 町内遺跡発掘調査報告書IIJ大山町教育委員会
幡中光申書2013i井後草里遺跡をめぐる遺跡の定着性と地点利用Jr井後草里遺跡第4・5次発掘調査報告書j 岡山大学考古学研究室 松本直子編2
∞
8r井後箪里遺跡第2次発掴調査報告書』岡山大学考古学研究室松本直子編2010
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井後箪里遺跡第3次発掘調査報告脊』岡山大学考古学研究室 松本直子編2013r井後草里遺跡第4・5次発掘調査報告書』岡山大学考古学研究室山口雄治・津村宏臣・松本直子2011 i西日本における縄文時代遺跡の時空間動態解析」日本考古学協会第77回総会(口頭発表)
Finzi. V. and E. S. Higgs 1970 Prehistoric Economy in the Mount Carmel Area of Palestine: Site Catchment Analysis. Proceedings 011he P町hiSloricS,町ieη.XXXVI. pp.1‑37
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図7‑3
図7‑2
図7‑4
土器(表)
土器(裏) q o
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図版 1
図版2
図7‑S1 図7‑S2
図7‑S5 図7‑S6
図8‑S10
図7‑S3 図7‑S4
図8‑S7 図8‑S8
図8‑S11
石器1(表)
石器1 (裏)
必斗a
F円U
図8‑S12
図9・813
図9・814
図9・818 図9・816
石器2(表)
図版
3
図9・815
図9・817
石器2(裏)
F同υ
F同υ
図版
4
図1O‑S 19
石器3(表)
石器3 (裏)
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Fhu
図10・S20
1Tr北西下 (AT):オープン
1Tr中央 (od):オープン
火山ガラス (H型 )
火山ガラス (C型)
図版
5
クロス
クロス
オープン 斜方輝石 クロス
オープン
オープン石英 クロス
角閃石 クロス
ケ合│
オープン斜長石 クロス
火山灰顕微鏡写真
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図版
6
詰料:1トレンチ 51埋土
試料:1トレンチ北西部①
ツガ属
スギ属
キク車科
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‑ 、
試料:1トレンチ北西部⑥
トウヒ属(破片)
圃脳
f 司 ' 哩 E
ハンノキ鵬 コナラ車属
読料:2トレンチ酉壁⑥
マツ属(複維管東亜属)
ニレ属一ケヤキ属 シナノキ属
ヨモギ属 シノブ属
花粉顕微鏡写真
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オシダ科ーチャセンシダ科 スケールはすべて0.01mm
報告書抄録
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I書 抄 録
書 名 ふ り が な にほんまつかみごうあとみねいせきはつくっちょうさほうこくしょ 書 名 二本松上郷後峯遺跡発掘調査報告書
編 著 者 名 松本直子
編 集 機 関 岡山大学文学部考古学研究室 発 行 機 関 岡山大学文学部考古学研究室 発 行 年 月 日 2014年3月25日
所 在 地 〒7
∞
‑8530 岡山市津島中3‑1‑1 Tel.086‑251‑7519遺跡名ふりがな にほんまつかみごうあとみね 遺 跡 名 二本松上郷後峯遺跡
所在地ふりがな とっとりけんさいはく ぐんだいせんちょうしもいち 所 在 地 鳥取県西伯郡大山町下市
市 町 村 コ ー ド 313866
遺 跡 番 号 5 ‑258
北 緯 350 28' 21"
東 経 1330 33' 30"
調 査 期 間 2013年 8 月 20 日 ~8 月 29 日 調 査 面 積 84.6rrl
調 査 原 因 学術調査
種 JJ jI その他の遺跡(落し穴) 主 な 時 代 弥生
遺 跡 概 要 落し穴とみられる遺構を l基検出。遺物の出土はなし。 特 記 事 項
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