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課題と提案

ドキュメント内 第1章 コンサルタントの経験・能力 (ページ 91-95)

2) 環境への影響の少ないアクセス道路のルート選定

FS 段階では、生態系への影響を最小化する方向で、アクセス道路のルート選定を行う べきである。

Pre-FSの左岸案アクセスルート検討の際、当初、公園内通過距離のもっとも短いルート

を設定したが、重機の通行可能な道路にするためには、切り盛り土量が多くなる上、橋梁 の設置が必要になることが判明した。そのため、公園内通過距離は長くなるが、橋梁設置 の必要が無く、切り盛り土量の最も少ない既存道路の拡幅ルートを選定した。

ただし Pre-FS で提案されたアクセス道路は、観光道路としての利用や薪採集のための

住民の利用、動物の移動ルートと競合する可能性もある。そのためFS段階では、観光道 路の利用や将来的に設置する送電線用の管理道路なども考慮に入れた上で、最も自然環境 に影響の少ないルートを再検討することが望ましい。

3) ロードキル対策

FS 段階では、ロードキルを最小化するような道路設計・運用計画を行う必要がある。

アクセス道路は動物の生息地内を通過するため、工事用車両の通行によりロードキルが発 生する可能性が高い。また、ゾウとの遭遇が事故につながることもある。そのためFS段 階では、陸上を移動する生物の移動ルート、生息密度、移動季節・時間帯などを考慮した 上で、ロードキル発生確率の高いエリア、季節・時間帯を特定し、対策を講じることが望 ましい。特に発生確率の高い場所が特定された場合は、生物横断用の構造物の検討や、道 路内への進入を阻害する道路の構造、ロードキルを最小化させるための工事中の道路交通 管理方法、動物やドライバーへの警告システムなど、さまざまな対策を検討することが望 まれる。

4) 改変面積の最小化する施設配置

水力発電関連施設の配置を計画する際は、改変面積を最小化する方向で、レイアウト検 討する必要がある。特に多くの生物が依存する河畔林の改変面積は最小化することが望ま しい。水力発電所の発電施設の恒久施設には、取水堰、取水口、導水路、発電所、放水路、

サージタンク、変圧器、管理用道路、土捨場などがあるが、管理用道路、土捨場、堰、取 水口、放水口、送電線以外はほとんど地下施設となるため、地表植生の恒久的な改変は限 られている。一方、ストックヤード、クラッシャープラント、バッチャープラント、工事 用道路など一時的な施設は全て地上部に設置するため、これらによる一時的土地改変は避 けられない。そのため、これらの改変面積が最小となるための慎重な施設配置計画と植生 復元計画の策定が望まれる。

5) 維持流量の確保

水域を主な生息環境とする生物に対する影響を最小化するため、減水区間の流量確保が 十分にできるような方向で設計を検討する必要がある。Pre-FS段階では、望ましい維持流 量の提案はできなかったが、FS段階では、水域に生息するカバやクロコダイルの個体数、

群れの行動範囲、生息環境の水質、水温、流量、流速、水深、河床の地形、上陸地点の地

形、上陸後の移動ルートを調査した上で、供用後の流量・水質・水温・水深・上陸地点の状況 などを推定し、流量シナリオ別の影響の程度を予測した上で、維持流量を慎重に決定すべ きである。

6) 景観への配慮

国立公園内の景観は、ウガンダ国の大きな観光資源でもあり、景観に対する影響は最小 化する方向で設計を検討すべきである。景観阻害要因となりうるものとして、取水堰、送 電線などがある。取水堰は、維持流量をオーバーフローさせる構造になっており、通常河 岸から見えないが、流下する水がより自然に見えるよう、堰の形状を工夫することは可能 である。送電線は、地形測量に基づいて複数のルートを設定した上で、眺望地点からのシ ミュレーションを行い、可能な限り眺望景観を阻害しないよう工夫するほか、鉄塔の形状・

色・航空標識も景観になじむよう検討すべきである。地上に残る恒久施設も、眺望地点か らの視認性をシミュレーションし、遮蔽植生などを検討する。

7) 水生生物の移動路確保

FS の段階では、堰による分断が水生生物へ与える影響を最小限にする方向で検討すべ きである。カバやクロコダイル、魚類の現状で移動可能な流速・段差・傾斜等を調査した 上で、水路を移動するカバ、クロコダイル、魚類のための斜路の設置が可能かどうか検討 する。

8) UWAの活動支援

火入れの管理、密猟対策、違法伐採対策、公園境界の管理、ゲート管理、モニタリング 活動など、現在UWAが強化したいと考えている活動は複数存在する。環境緩和策の一環 として、これらの活動の支援を行うことができるかどうか、検討する。

(3) 環境モニタリング実施

EIA が終了した後の環境対策の実施のためには、環境モニタリングによる状況把握の継 続性が課題となる。IAが終了した後も、環境モニタリング調査を行うことが望ましい。EIA 終了後から工事着工前までの間や、工事期間中、供用後まで、同一の地点・同一の方法で環 境モニタリングを継続していくことにより、生物相の変化に応じた適切な対策を講じるこ とができる。

(4) Bujagaliの調査

Bujagali水力発電プロジェクトで実際に発生した環境社会影響は、F/Sの設計を行ううえ

で多くの教訓を与えてくれる。Pre-FS の段階でも、Bujagali 水力発電プロジェクトを複数 回訪問し、モニタリング調査団への動向等から、ミティゲーションの実施状況などを確認 し、スコーピングチェックリストに反映させているが、F/S 段階では、これらをチェック リストだけでなく、計画に反映させる必要がある。

(5) Karuma水力の開発方式

Ayago水力の開発方式については、環境への影響を最小化する観点から、流れ込み式(流

入量=放流量)の開発方式を採用した。しかしながら、仮に上流側の Karuma 水力で調整 池式あるいは貯水池式開発によるピーク発電が行われた場合は、河川の水位変動の増加に より、動植物の生態への影響および観光への影響が懸念され、加えて、Ayago 水力との水 系一貫運用ができなくなる恐れがある。

8.2 設計

(1) 測量調査の実施

Pre F/Sでは航空測量による概略地形図を用いたが、F/Sでは実地測量による詳細地形図

の作成が必要である。河川測量についても、構造物の設計のみならず維持流量の検討のた めに広範囲の測量が必要である。

(2) 地質調査の実施

Pre F/Sでは、堰とヘッドタイプの地下発電所並びに取放水口のボーリングを中心に行っ

たが、F/S では、テールタイプの地下発電所や水路のボーリング調査を行うことを推奨す る。その他に、広範囲に延びる水路の地質性状を把握するための弾性波探査や、地下発電 所の設計に資するために初期地圧測定やボアホールTVの実施が望ましい。

(3) 水理実験

最大取水量が840m3/sと大きいことから、河川に生息している動物に与える影響を把握 し、対策を検討するために、取水口付近を対象とした水理模型実験を推奨する。

(4) 系統安定解析および単機容量の検討

今回のPre F/Sでは潮流、事故電流解析を対象としたが、200km以上の長距離送電でもあ

り安定度が系統の健全運転の支配要因となる可能性がある。このため F/S においては、よ り信頼度の高い送電系統を実現するため、系統安定度解析の実施が必要である。またその 結果を踏まえ、Pre F/Sにおいて50MWとしている単機容量の再検討を行うことを推奨する。

8.3 施工計画・積算 (1) 施工計画策定

Pre F/Sでは、主に図面を用いて仮設用地や土捨場の位置を設定した。F/S時には、地形

測量のデータに基づき、環境影響の低減も念頭においた上で、最適な場所と規模を決定す る必要がある。

(2) 工事費の積算

Pre F/Sでは、概算数量と市場単価に基づき概算工事費を算定したが、F/Sにおいては、

数量と単価の精度を更に向上させる必要がある。特にウガンダでは地下工事(地下発電所、

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