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説得ゲーム

ドキュメント内 IV 7 : (ページ 42-52)

説得ゲーム

チープトークによる情報伝達の可能性.

➢ 利害対立が大きくない場合,部分的な情報伝達が可能.

➜ 一般的に完全伝達均衡は存在しない.

➜ 他タイプの真似をノーリスクで行える点が問題.

➱ メッセージはプレイヤーの利得に直接影響を与えない.

➢ チープトークであっても完全な情報伝達が可能な場合がある.

私的情報の立証可能性 (verifiability).

➢ 私的情報の真偽を証明するための“証拠”が存在する状況.

➜ (例) セールスマンの持つ商品に関する詳細資料.

➱ 薬の効能に関するデータ.

➱ 保険契約の内容に関する契約書.

➜ 立証可能な情報: (hard information).

➜ 立証不可能な情報: (soft information).

➢ ハード情報に関する戦略的コミュニケーションゲーム.

➜ (persuasion games) と呼称.

➢ 送り手のメッセージはチープトーク(費用ゼロ).

➜ ただし と仮定.

➱ メッセージを送る際は“証拠”の添付が必須.

➱ 証拠の捏造は費用が掛かりすぎる.

➢ が送り手の戦略的決定要素.

➜ 開示する/しない証拠の選択.

➜ 詳細なデータを伴う/大雑把で曖昧なメッセージ.

➜ 点に留意.

➢ チープトーク・ゲームはソフト情報に関するやり取りを描写.

➜ (例) 個人の選好,主観的予想.

➜ 情報の真偽を第三者に立証するための証拠がない状況.

Milgromモデル.

➢ タイプ: θ Θ [0, 1].立証可能なハード情報.

➜ 共通事前分布: f(θ) > 0 ∀θ Θ.

➢ メッセージ: .

➜ P(Θ): Θの閉部分集合の集合.

➜ が利用可能なメッセージ.

➜ ことに留意.

➢ アクション: a A [0, 1].

➢ プレイヤーのvNM効用関数:

US(a) = (17)

UR(θ, a) = (18)

➜ 送り手の効用はタイプに依存しない.aについて単調的.

➜ 受け手の効用はチープトーク・ゲームと同様.

チープトーク・ゲームとのモデル上の違い.

➢ チープトーク・ゲーム: .

➜ 利用可能なメッセージが全タイプで共通.

➢ 説得ゲーム: .

➜ タイプが異なれば,利用可能なメッセージも異なる.

➢ 解釈としては, の違い.

➜ チープトーク・ゲーム: .

➱ メッセージの意味は均衡上で内生的に決まる.

➱ メッセージ集合がM = {狸,狐}でもOKということ.

➜ 説得ゲーム: .

➱ もしm M(θ)で,m /∈ M(θ) ∀θ ̸= θならば,m

“タイプがθ”という意味を持つ.

➱ メッセージ自体の意味がオフパス上の信念に制約を課す.

(skeptical inference).

定義 5(Milgrom and Roberts, 1986)

信念P が以下の性質を満たすとき,受け手は を持つ と呼称する: ∀m M ≡ ∪θΘM(θ)について,

P(θ|m) =

{ 1 if

0 otherwise (19)

➢ 曖昧なメッセージは と解釈される.

➢ 曖昧なメッセージに対する受け手の思考回路:

➜ 「やましいことがなければ全開示出来るはずだ」

➜ 「送り手は自身にとって都合の悪い情報だから隠した」

➜ 「だから考え得る最悪のケースが起きたと想定しよう」

(続き).

➢ 懐疑的推測はオフパス上の信念に関する制約となる.

➢ 具体例:

m1 = [1/4, 1] .

m2 = [1/4, 2/3] .

m3 = {1/4} ⇒ .

➢ 送り手の選好はアクションに関して単調的.

aの値が大きいほど送り手の効用値は大きくなる.

➜ 懐疑的推測は として機能する.

➱ 曖昧なメッセージは,含有最少タイプとして評価される.

➢ 送り手は情報を隠すインセンティヴがない.

➜ 真の情報は必ずメッセージの中に含まれている必要有.

➜ タイプを“盛って”も全く考慮されない.

➜ 真のタイプ以下を含んでも効用値が下がるだけ.

(unraveling arguments). 定理 2 (Milgrom, 1981)

完全伝達均衡が存在し,それは一意なPBEである.

➢ 説得ゲームでは である!

➜ チープトークでも完全な情報伝達が可能.

➜ チープトーク・ゲームとの大きな違い.

➱ 本設定のチープトーク・ゲームでは無駄口均衡のみ.

➢ 加えて複数均衡の問題も発生しない!

➜ 均衡は完全伝達均衡のみ.

➢ この結果を と呼称する.

➜ 説得ゲームにおける代表的な結果.

説得ゲーム研究の展望.

1. 全開示原理の一般化.

i. 選好の一般化.(Hagenbach, Koessler and Perez-Richet, 2013)

➢ 送り手の選好が必ずしも単調性を満たさない場合.

➢ “真似る被真似”関係が循環を起こさないことと同値.

ii. 立証可能性の一般化.(Shin, 1994; Mathis, 2008)

➢ 情報の隠蔽が明らかであることが議論の大前提.

➢ 送り手の情報や立証能力が不完全な場合を考察.

2. コミュニケーション環境の内部化.

➢ 送り手は費用を支払って情報収集.(Che and Kartik, 2009)

➢ 送り手は情報構造を選択.(Kamenica and Gentzkow, 2011)

➢ 送り手は費用を支払って証拠取集.

(Eso and Galambos, 2013; Hedlund, 2012)

まとめ

では,非対称情報下における

メッセージのやり取りに関する駆け引きを分析する.

➢ 大きく以下の三つのクラスに分類される:

1. : メッセージの送信に費用が掛かる.

2. : のやり取り.

3. : のやり取り.

解概念は を用いる.

➢ 行動の合理性と信念の整合性を要求.

シグナリング・ゲームのPBEは以下の二種類に大別される:

➢ : タイプ毎にメッセージが異なる均衡.

➢ : 各タイプが同一のメッセージを送る均衡.

ドキュメント内 IV 7 : (ページ 42-52)

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