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欠施 設理 論は

︑そ の意 義を めぐ る議 論が ヨー ロッ パに おい ても 一様 では ない にし ても

︑ヨ ーロ ッパ 独占 禁止 法 制の 一部 とな って きて いる

︒不 可欠 施設 理論 は︑ もと もと 取引 拒絶 の一 類型 とし て理 解さ れて いる が︑ 取引 拒絶 との 違い は︑ 施設 の所 有者 が競 争者 に対 して その 施設 を開 放す る意 図が ない こと であ る︒ 施設 への アク セス が︑ 外部 に対 して 解放 され る場 合︑ その 所有 者は 全て の競 争者 に対 して 同等 のア クセ スを 認め なけ れば なら ず︑ 取引 を拒 絶す るこ とは でき ない

︒従 って

︑原 則と して 新規 参入 を問 題と する 規制 であ る︒ ただ

︑近 年と りわ け問 題に なっ てき てい るフ ァ クタ ーは

︑施 設の 内部 的利 用が その 所有 者に 確保 され てお り︑ その 施設 の利 用が 隣接 市場 にお ける 競争 上有 利に 働く 場合 であ る︒ いわ ゆる IT 産業 及び 電気 通信 は技 術の 展開 も急 速で あり

︑新 しい 派生 商品 を創 出す る可 能性 も大 きい

︒ ヨー ロッ パレ ベル で︑ 不可 欠施 設理 論が 最初 に適 用さ れた 事例 は

Comme rci al Sol ve nt s

ケー ス43 とさ れ︑ その 一九 年 後の

Sten a Sealin k

Se a C ont aine r

44

ケー ス等 では

︑支 配的 地位 にあ る事 業者 は︑ 客観 的正 当性 なく 一定 のリ ソー ス又 は施 設へ のア クセ スを 競争 者に 与え るこ とを 拒絶 し︑ この よう にし て川 下市 場に おけ る競 争を 排除 する とし て︑ 一般 的な 不可 欠施 設理 論が 明白 に確 立し たと され る︒ 問題 とな った 施設 は︑ 港湾 施設 であ り︑ 不可 欠施 設の 供給 支配 的地 位を 有し

︑自 らそ の施 設︵ その アク セス がな けれ ば競 争者 がそ の顧 客に サー ビス を提 供で きな い施 設︶ を使 用す る事

九二

29−2−220(香法2009)

業者 が︑ 客観 的正 当性 なく その 施設 への アク セス を他 の事 業者 に拒 絶す るな いし は自 身の サー ビス に与 える 条件 より 不利 な条 件で のみ アク セス を認 める 場合 には

︑八 二条 に該 当す る可 能性 があ ると して いる

︒さ らに

RTE

他ケ ース45 で は︑ 国内 の著 作権 規定 に依 拠し て基 本情 報の 提供 を拒 絶す るこ とは

︑ま だ提 供さ れて いな いが 潜在 的消 費者 の需 要が ある 週刊 テレ ビガ イド とい う新 商品 の登 場を 妨害 し︑ 八二 条b 号に いう 濫用 を構 成す ると して

︑こ こで 新し い要 件が 加わ った とい える

︒放 送業 者の 番組 情報 がテ レビ ガイ ドの 編集 に不 可欠 であ るこ とが 強調 され てい るが

︑一 般的 な不 可欠 施設 理論 への 言及 はな く︑ 八二 条b 号の 一般 的な 検討 手法 がと られ てい ると もい える

︒本 件で は︑ 知的 所有 権に 基づ く排 他的 権利 の行 使は

︑例 外的 な状 況に おい ての み濫 用行 為と なる とし て︑ 八二 条に いう 取引 拒絶 の適 用ケ ース では

︑知 的財 産権 は︑ 他の 所有 権と 異な って 扱わ れる べき とさ れて いる

︒そ の後

Os ca r Br onne r

ケー スで は46

︑裁 判 所は

︑施 設の 不可 欠性 を否 定し

︑濫 用を 認め なか った が︑

Mag ill

ケー スの 検討 手法 を踏 襲し てい る︒ さら に︑

IMS

Health

ケー ス47 にお いて も︑

Mag ill

及び

Os ca r Br onne r

ケー スと 同様 の理 論を 敷衍 して きて いる

IMS

ケー スで は︑ 強 制ラ イセ ンス につ いて は物 理的 施設 より も高 い基 準を 設け てい ると 見る こと もで きる

︒た だ︑ 後述 の最 近の マイ クロ ソフ トの ケー スに つい ては

︑従 来の 不可 欠施 設に 関す る事 例を 挙げ なが ら︑ そこ での 判断 基準 に正 確に 従う こと 無く 理論 展開 して いる 面も 認め られ る︒ これ らの ケー スか ら︑ 委員 会及 び裁 判所 によ って 一貫 した かつ 統一 的な 不可 欠施 設理 論が 構築 され てい ると は言 い難 い︒ この 理論 の意 義は

︑支 配的 な地 位が 特殊 な施 設の 排他 的所 有・ コン トロ ール から 生じ る場 合の 濫用 行為 の問 題を 明ら かに した 点と いう こと にな る︒ 加え て︑ 不可 欠施 設理 論の 規定 を持 つド イツ では

︑と りわ け電 力産 業を 中心 とし た法 適用 が実 施さ れて いる

︒そ こ での 中心 的考 え方 は︑ 同一 のネ ット ワー ク及 び施 設の 競争 者と の共 同利 用で あり

︑こ こに は社 会的 な要 素が 認め られ よう

︒し かし なが ら︑ かか る共 同利 用は 例外 的に 認め られ るべ きこ とを 前提 とす る︒ いわ ゆる 公益 産業 にお いて も︑

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九三

その 施設 の特 殊性 に基 づき 業法 との 組み 合わ せで

︑従 来の 独占 者に 対す る規 制は 一様 に理 解さ れな い︒ 電気 通信 にお ける 施設 の不 可欠 性は

︑長 期的 な視 点を 前提 とし てお らず

︑技 術の 進展 が大 きく 左右 する 分野 であ る一 方︑ 他方 で︑ 電力 産業

・鉄 道等 にお ける 不可 欠性 は長 期的 に捉 えう る︒ 有効 な競 争を 創出 する とい う共 通の 目的 を持 つ業 法的 規制 にも 拘ら ず︑ 既に 様々 な市 場状 況︑ 秩序 政策 的切 り口 に基 づき

︑規 制の 基本 的枠 組み は異 なる 方向 に展 開す る傾 向に ある さ ︒ らに

︑不 可欠 施設 理論 は︑ 不可 欠施 設の 取引 拒絶 とい う類 型を 出発 点と して

︑同 時に

︑そ の施 設の 利用 料金 の妥 当性 が重 要と なる

︒こ れは

︑ド イツ にお いて は不 可欠 施設 を捉 える 競争 制限 防止 法一 九条 四項 四号 の問 題だ けで な く︑ いわ ゆる 搾取 的高 価格 濫用 を問 題に する 一九 条四 項二 号の 問題 でも ある

︒近 年︑ 高価 格濫 用規 制が ドイ ツの 競争 制限 防止 法の 実務 にお いて 実際 上の 意味 を持 つの は︑ 価格 形成 によ り同 時に 競争 者へ の妨 害効 果を 出発 点と する 場合 であ り48

︑と りわ け︑ 垂直 的統 合し た事 業者 が︑ 垂直 統合 して いな い競 争者 に対 して 前段 階商 品に つい て計 算す る価 格 であ る︒ この よう なケ ース は︑ 特に ネッ トワ ーク に基 礎を おく 産業 にし ばし ば見 られ

︑価 格ス クイ ーズ とい う形 でも 捉え られ る︒ この よう にし て︑

﹁不 可欠 理論

﹂の 不確 定さ

︑技 術の 更な る発 展を 背景 に︑

﹁不 可欠 施設 理論

﹂の 独自 性は 弱く なっ てき てい るよ うに 思わ れる

︒こ れは

︑﹁ 不可 欠施 設理 論﹂ が意 味を 失っ てき てい ると いう より は︑ その 適用 範囲 が拡 大し て︑ 一般 的な 濫用 行為 類型 であ る取 引供 給等 と近 似し てき てい ると いう こと であ る︒ すな わち

︑従 来の

﹁不 可欠 性﹂ の捉 え方 を緩 和し なが ら︑ 施設 への 選択 的な アク セス が欠 ける 場合 には

︑﹁ 必要 な﹂

indi spe ns abl e

︶施 設・ イン プッ トと して

︑川 下市 場で 活動 する ため に競 争者 が必 要な イン プッ トを 取引 拒絶 する こと は認 めら れな いと する 考え 方で ある

︒こ こで は︑

﹁不 可欠 施設 理論

﹂に 言及 する こと なく

︑取 引拒 絶の 規制 対象 を拡 大し

︑従 来の

﹁不 可欠

﹂施

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設よ り広 い﹁ 必要 な﹂ 施設

・イ ンプ ット を捉 える こと を特 徴と して

︑川 上︑ 川下 市場 での 活動 を前 提と する 垂直 的統 合事 業者 に焦 点を 当て た取 引拒 絶が 捉え られ てい る︒ この よう な考 え方 は︑ 委員 会の ガイ ダン スに 見ら れる

︒そ して

︑ 不可 欠施 設理 論で は︑ 不可 欠施 設の 所有 者が

︑川 下市 場に おけ る製 品又 はサ ービ ス市 場で の活 動に 必要 な施 設の 共同 利用 を拒 絶す るこ とに より

︑こ れら の市 場に その 市場 地位 を拡 大す るこ とを 防ぐ こと であ ると して

︑拡 大さ れる べき 市場 にお いて 市場 支配 的地 位が 問題 にな る必 要は ない とさ れて きた

︒こ の点 につ いて は︑

﹁不 可欠 性﹂ の基 準が

﹁必 要﹂ であ ると いう 基準 に緩 和さ れる 場合 には

︑い わゆ る派 生市 場で ある 川下 市場 への 当該 行為 の効 果の 分析 が重 要に なっ てく ると 思わ れる

︒派 生市 場の 効果 を問 題に する か否 か︑ そし てど の程 度の 効果 が捉 えら れ︑ さら に要 求さ れる 立証 の程 度の 問題 があ る︒ 従来 の一 般的 濫用 事例 のケ ース にお いて も︑ この 点は 明確 には され てい ない

︒い わゆ る搾 取濫 用の 行為 につ いて は︑ 悪影 響を 受け るの が取 引相 手方 であ り︑ 高価 格に よる 搾取 につ いて は影 響が 明白 であ るた め︑ 濫用 行為 であ るこ との 認定 の他

︑市 場効 果の 立証 は必 要が ない

︒こ れに 対し て︑ 競争 者排 除の ケー スに おい て は︑ 排除 の効 果の 立証 は依 然と して 大き な問 題で ある

︒直 近の マイ クロ ソフ トの ケー スで は︑ 競争 者を 排除 する ない しは 消費 者侵 害の 具体 的効 果の 立証 は必 要と され てい ない よう に思 われ る︒ これ は︑ 市場 支配 的地 位の 濫用 行為 の本 質︑ 及び 川上 市場 での 支配 力の 存在 に顧 慮す れば

︑特 に︑ 川下

︵隣 接︶ 市場 にお ける 支配 力の 存在 や具 体的 効果 を立 証す る必 要は ない とい うこ とで あろ う︒ もっ とも

︑ド イツ にお ける バン ドリ ング のケ ース

Stro m un d Telefo n !

﹂で は︑ 川下 市場 にお ける 明白 な競 争制 限的 効果 の立 証を 必要 とし てい るよ うに も思 われ

︑今 後の 展開 に注 目す る必 要が あろ う︒ 最後 に︑ 市場 支配 的地 位の 濫用 行為 とし ての 不可 欠施 設理 論を めぐ る議 論は

︑我 が国 独占 禁止 法に おい てど のよ う に位 置づ けら れる であ ろう か︒ 公正 取引 委員 会は

︑平 成一 五年 に独 禁法 の独 占・ 寡占 体制 の見 直し に関 する 独禁 法研

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