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5 周波数範囲 30 MHz から 1000 MHz までの無線周波妨害波測定用試験場

5.5 試験台とアンテナ昇降装置の評価

一般的な電界強度測定では、D.5 で指定する試験台に EUT を配置する。この試験台の形状、

構造及び材料の誘電率は、電界強度測定結果に影響を与える(参考文献[2]、[6]、[7]、[10])。次

の5.5.2項では、30 MHzから 18 GHzの周波数範囲における試験台の影響を調べ、そして、

電界強度測定値に関連する不確かさの寄与を見積るための手順を解説する。高さが0.15 mを 超える試験台は、いずれも評価を行うこと。

注) 試験台の上に水平偏波の送信アンテナを配置した場合だけを評価する。水平偏波は、垂 直偏波とは対照的に、テーブルによる影響の最悪ケースを示す。

アンテナ昇降装置については、あらゆる影響が試験場評価測定(5.4節参照)及びSVSWR測定 (8.3節参照)に含まれていると考えられるので、追加の評価を必要としない。

5.5.2 試験台の影響に関する評価手順

試験台の影響を評価するために、送信アンテナを指定の場所に置いて、試験台の有無によ る 2 つの伝送特性の測定を行う。試験台の有無による測定結果の差違によって、試験台に起 因する影響が評価できる。測定手順は、次のとおりである。

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試験台は、試験場の通常位置に配置し、かつ、その最大寸法を受信アンテナに対向させて 配置する(図14参照)(すなわち、四角形の試験台の対角線又は、円形試験台の半径)。

上限周波数1000 MHzまでの周波数範囲では、全長が0.40 m未満の小さいバイコニカルア ンテナを使用すること。1 GHz 超の周波数範囲では、8.3.3.1 に適合したアンテナを使用する こと。

送信アンテナの配置は図 14 及び図 15 を参照すること。アンテナは水平偏波の状態で試験 台上に設置し、試験台上面とアンテナ基準点(バラン)間の距離は0.1 mとすること。アンテナ は受信アンテナの方向に向け、試験台の中心と角を結ぶ直線の中点に設置する。標準信号発 生器の信号を送信アンテナに供給する。送信アンテナと受信アンテナはアンテナエレメント 同士を平行にし、かつ、測定軸に対して直交させる。測定において、試験周波数ステップは、

利用される最高周波数の0.5 %と同じか、又は、それ以下にしなければならない。受信アンテ ナで観測される電圧は、測定装置のノイズレベルよりも、少なくとも 20 dB 以上であること。

長いケーブル又はフェライトコアを使うことでケーブルの影響を最小にすることができる。

ケーブルを最小でも 2 m 後方まで水平に配置すれば十分である。どちらにしても、受信電圧 がケーブル配置を最初の位置から0.5 m以上変化させても0.3 dBを超える変化が無ければ、

その影響は無視できる。

例) 水平に 1.6 m 配線されたフェライトコア付きのケーブルの影響を確認するためには、ア

ンテナ接続点から 2.1 m の点で垂直に落として再配線されたケーブル配線で、電界強度に 与える影響が0.3 dBを超えないかどうかを再測定する。

この目的は、テーブルの有無による測定機器配置構成で変化が生じないことを示すことで ある。送信アンテナ及び信号発生器からの接続ケーブルは、テーブルの有無に関わらず同一 の空間位置を維持するような方法で支持しなければならない。NSA / RSM測定又はSVSWR測 定(5.4 節参照)に使用されるマスト、三脚又はタワーを、送信アンテナとケーブルを支持する ために使用すること。

アンテナ高とアンテナ間の距離は以下のように設定すること。

・ 全ての周波数において、受信及び送信アンテナ間の距離は放射妨害波測定の規定に従う こと。

・ 1000 MHz以下では、少なくとも 200 MHzから1000 MHzまで測定を行うこと。OATS

又はSACでは、受信アンテナ高は放射妨害波測定の規定に従って(通常は1 mと4 mの間 で)高さ走査を行うこと。FARでは、受信アンテナは放射妨害波測定の規定の高さに固定す ること。

注) 200 MHz 未満の周波数範囲では、この検証手順を適用しても試験台の影響は無視でき

る程度である。

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・ 1 GHzを超える周波数範囲では、同じ周波数範囲(例えば1 GHz から18 GHzまで)で測

定を行い、さらに、アンテナの高さは放射妨害波測定で規定されているように(例えば、テ ストボリュームに合わせて1 mから4 mの範囲のいずれか)設定すること。

各周波数刻みで、デシベルで表示された2つの測定結果の差異Δ(f)は、式(17)を用いて計算 すること。

∆(𝑓𝑓) =�𝑉𝑉R,with(𝑓𝑓)− 𝑉𝑉R,without(𝑓𝑓)� (17) ここで

VR ,with (f)は、試験台がある場合の測定周波数における受信アンテナの dB(μV)で表した最大

電圧

VR ,without (f)は、試験台が無い場合の測定周波数における受信アンテナの dB(μV)で表した最

大電圧

この周波数範囲にわたって記録された 2 つの測定結果の差の最大値を、デシベルで表し Δmaxと記述し、これに推定最大偏差を用いる。これは式(18)に従って計算すること。

max= max�𝑉𝑉R,with(𝑓𝑓)− 𝑉𝑉R,without(𝑓𝑓)� (18) 試験台に起因する標準不確かさ utableは、測定された最大偏差 Δmaxの間で一様分布すると仮 定して見積もられる。したがって、utable (dB)は式(19)を用いて計算できる。

𝑢𝑢table =√31max (19)

utable の値は、以下の周波数範囲において測定を行い、不確かさバジェットを考慮すること

(CISPR16-4-2参照)。

・ 200 MHzから1 GHzまでの範囲

・ 1 GHzから6 GHzまでの範囲

・ 6 GHzから18 GHzまでの範囲

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図14 長方形試験台の角からのアンテナ配置(平面図)

図15 試験台上のアンテナ配置(側面図)

注) 試 験 所 間 で 、 試 験 台 の 構 造 及 び 材 料 の 種 類 が 異 な る 。 し か し 、utable の 決 定 に は 、

max(又は VR,with)の最悪値を決めれば十分である。

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