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評価結果の考察

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 33-36)

評価結果の分析から、オンデマンド配信における表示形態について、ユーザは総合的に

「臨場感」「画質・音声」を求めていることがわかった。

以下では評価結果をもとに、「従来型」「提案型」それぞれの表示形態に関する考察と、

2つの表示形態に共通に見られた点の考察を述べ、「提案型」実装上の課題を挙げる。

3.3.1

「従来型」の考察

「従来型」は、スライドと1つの動画像との表示により、画像の乱れがなく、「画質・

音声」の高い評価に影響を与えている。その一方で、スライドとその説明のための動画像 であることから、「臨場感」「視覚効果」の低い評価に影響を与えている。なかでも「臨場 感」の低い評価が総合的評価に影響を与えている。

とくに評価が高かった項目は、第1因子「画質・音声」に属する以下の項目である。

10)音声が遅れることは気にならなかった

(9)画像と音声の時間的ずれは気にならなかった

とくに評価が低かった項目は、第2因子「臨場感」に属する以下の項目である。

14)臨場感が得られた

13)講義の雰囲気が伝わった

(5)講師が指し示している場所がわかった

3.3.2

「提案型」の考察

「提案型」は、複数の動画像の表示が「臨場感」「視覚効果」の高い評価に影響を与え ている。これらの評価の要因として、講師映像の他にスライドスクリーン映像や板書映 像を表示させていることが挙げられる。その一方で、評定者によっては画像のちらつきか らストレスを感じ「画質・音声」の低い評価に影響を与えている。総合的評価には「臨場 感」の高い評価、「画質・音声」のやや低い評価が影響を与えている。

とくに評価が高かった項目は、第2因子「臨場感」、第3因子「視覚効果」に属する以 下の項目である。

13)講義の雰囲気が伝わった

14)臨場感が得られた

(5)講師が指し示している場所がわかった

(3)講師の動作がわかった

とくに評価が低かった項目は、第1因子「画質・音声」に属する以下の項目である。

(7)画像の乱れやちらつきは気にならなかった

3.3.3

「従来型」「提案型」共通の考察

総合的評価については、両者の表示形態とも平均得点50点以上(カテゴリー「普通」

中)の評価を得ていた。

第4因子「内容」については、平均得点60点以上(カテゴリー「良い」)の高い評価を 得ており、両者の間に有意差は認められなかった。

「音声」に関する質問項目である、 (11)講師の音声は聞き取ることができた につ いては、主観的には両者の表示形態とも音声の遅れは認められず、高い評価を得ていた。

この理由として、音声の情報量が動画像に比べて小さいことが挙げられる。

3.3.4

「提案型」実装上の課題

評価実験の結果から、オンデマンド配信による複数の動画像を用いた表示形態におい て、臨場感や視覚的な表示効果の面での有効性が明らかになった。

そこで、複数のストリームをオンデマンドで配信し表示させるシステムを実装するにあ たり、考慮しなければならない問題として次の2つを挙げる。

一つは、配信される動画像は高品質かつ大容量コンテンツであり、配信にあたっては、

エンドユーザに安定してストリームデータを提供するための手法が必要である。もう一つ は、受信側において、複数の動画像の表示数がディスプレイの画面領域サイズに制約を受 けることから、それに対応するためのユーザインタフェースが必要である。

これら実装上の課題の解決手法ついては後章で検討していく。

4

配信コンテンツの制作コストによる表示形 態の比較

この章では、配信コンテンツに対する企画・制作アプローチの違いによって表示形態を 分類し、その制作工程における作業工程数と作業時間をもとに制作コストの比較をおこな い、複数の動画像を配信する表示形態の有効性を検証する。

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