1.事業原簿
次ページより、当該事業の事業原簿を示す。
「水素先端科学基礎研究事業」
事業原簿(公開)
担当部 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 新エネルギー部
水 素 先 端 科 学 基 礎 研 究 事 業
中間評価分科会 資料5-1
― 目 次 ―
概 要
プロジェクト用語集
Ⅰ.事業の位置付け・必要性について
1. NEDOの関与の必要性・制度への適合性 ... Ⅰ-1 1.1 NEDOが関与することの意義 ... Ⅰ-1 1.2 実施の効果(費用対効果) ... Ⅰ-2 2. 事業の背景・目的・位置づけ ... Ⅰ-2 2.1 事業の背景 ... Ⅰ-2 2.2 事業の目的 ... Ⅰ-3 2.3. 事業の位置づけ ... Ⅰ-4
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
1. 事業の目標 ... Ⅱ1.-1 2. 事業の計画内容 ... Ⅱ2.1-1 2.1 研究開発の内容 ... Ⅱ2.1-1 2.2 研究開発の実施体制 ... Ⅱ2.2-1 2.3 研究の運営管理 ... Ⅱ2.2-1 3. 情勢変化への対応 ... Ⅱ2.2.-4 4. 中間評価結果への対応 ... Ⅱ2.2.-7 5. 評価に関する事項 ... Ⅱ2.2-8
Ⅲ.研究開発成果について
1. 事業全体の成果 ... Ⅲ1.-1 1.1 研究開発項目①「高圧水素物性の基礎研究」 ... Ⅲ1.-2 1.2 研究開発項目②「高圧/液化による金属材料等の水素脆化の基本原理の解明及び
対策検討」 ... Ⅲ1.-5 1.3 研究開発項目③「液化・高圧化状態における長期使用及び加工(成形・溶接・表面修飾)、
Ⅳ.実用化の見通しについて ... Ⅳ-1
Ⅴ.まとめ ... Ⅴ-1
(付録) 特許 ... 付-1 文献 ... 付-3 口頭発表・講演 ... 付-15 受賞実績 ... 付-47 シンポジウム等の開催 ... 付-48 展示会等への出展 ... 付-48
(添付資料)
エネルギーイノベーションプログラム基本計画 プロジェクト基本計画
概 要
作成日 平成22年8月 制度・施策
(プログラム)名 エネルギーイノベーションプログラム
事業(プロジェクト)名 水素先端科学基礎研究事業 プロジェクト
番号 P06026 担当推進部/担当者 新エネルギー部/中山博之・森大五郎 (H22~)
燃料電池・水素技術開発部/檜山清志・川村 亘・高橋 靖・中山博之 (~H22)
0.事業の概要
本事業では、水素物性等に係る基礎的な研究を実施し、高度な科学的知見の集積を 行い、水素社会到来に向けた基盤整備を行うことを目的に、①高圧化した状態におけ る水素物性の解明、②液化・高圧水素環境下における材料の水素脆化の基本原理解明 及び対策検討など、高度な科学的知見を要する根本的な現象解析を実施する。また同 結果を元に、水素環境下での長期使用に耐え得る材料、劣化評価方法、運用方法等の 提案を行う。
Ⅰ.事業の位置付け・
必要性について
水素及び燃料電池を広くかつ円滑に一般社会に普及させるために、現在、産学官挙 げて技術開発に取り組んでいるところであるが、燃料である水素を高圧化または液化 した状態で輸送・貯蔵するなど水素を高いエネルギー密度で取り扱う場合の水素物性 については、未だ世界的にも知見集積が乏しく、特にこれらの環境下における容器や 機器で使用する材料の水素脆化現象のメカニズム解明は、長期間、水素を安全に利用 するためには早急に解決・確立しなければならない重要な基礎的かつ高度な科学的課 題の一つである。そこで当該事業により、燃料電池自動車導入や水素インフラストラ クチャーの整備を行う上で必要となる水素物性や水素環境下における材料特性に関わ る基礎研究を進展させることで、燃料電池や水素エネルギーの実用化技術の進展を支 え、安全性の確保、標準化等に大きく貢献すると共に、我が国の国際競争力の維持・
確保に繋げる。
Ⅱ.研究開発マネジメントについて
事業の目標
燃料電池自動車、定置用燃料電池システム及び水素インフラ等水素社会構築に必要な 水素物性、水素環境下材料特性に係るデータ取得、材料劣化等の基礎的研究及びメカニ ズム解明を行うために、具体的には、下記項目を当該事業にて実施し、その成果を用いて、
関連産業界の技術開発や標準化活動を支援する。
①高圧水素物性の基礎研究
②高圧/液化水素環境下における金属材料等の水素脆化の基本原理の解明及び対策検討
③液化・高圧水素環境下での長期使用及び加工、温度等の影響による材料強度特性研究
(金属材料)
④液化・高圧水素環境下での長期使用及び加工、温度等の影響による材料強度特性研究
(高分子材料)
⑤高圧水素トライボロジーの解明
⑥材料等内の水素拡散、漏洩などの水素挙動シミュレーション研究
主な実施事項 H18fy H19fy H20fy H21fy H22fy H23fy H24fy
①高圧水素物性の基礎研 究
物性測定技術、
装置の開発 熱 伝 導 、 露 点 測 定 データ取得
⑥材料等内の水素拡散、
漏 洩 な ど の 水 素 挙 動 シミュレーション研究 成果とりまとめ
開発予算 (単位:百万円)
会計・勘定 H18fy H19fy H20fy H21fy H22fy H23fy H24fy
一般会計 0 0 0 0 0
特別会計 高度化 1,666 1,632 1750 1696 1000 総予算額 1,666 1,632 1,750 1696 1000
開発体制
経産省担当原課 資 源 エ ネ ルギー 庁 省 エネル ギ ー ・ 新エネ ル ギ ー 部 新エネルギー対策課 燃料電池推進室
プロジェクトリーダー 村上敬宜(独立行政法人 産業技術総合研究所水素材料 先端科学 研究センター センター長)
委託先
独立行政法人 産業技術総合研究所 国立大学法人 九州大学
独立行政法人物質・材料研究機構 国立大学法人京都大学
国立大学法人佐賀大学 国立大学法人長崎大学 学校法人上智学院 学校法人福岡大学 NOK株式会社
情勢変化への対応
本事業開始後、平成20年7月、燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が「2015年、一 般ユーザーへの普及開始を目指す」とする『FCV と水素ステーションの普及に向け たシナリオ』を発表し、平成 21 年 3 月には、産業競争力懇話会も同様の発表を行 い、2015年にFCV・水素インフラを普及開始する合意が急速に形成されてきた。
このような情勢変化に対応するため、
(1) 燃料電池自動車の普及に向けた日本自動車工業会や燃料電池実用化推進協議会 等々からの追加検討要望を受け、燃料電池自動車や水素スタンドの例示基準向け安 全検証の根拠となる材料特性データ提供や同評価方法に関する指針等を纏める旨加 速
(2) 第2期水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFC)にて計画されている70MPa級水素 供給インフラの検討にも反映させるために、安全確認検証(例、実証終了プロジェク トから得た水素曝露機器の解体調査等)、70MPa 級蓄圧器等材料物性補足データ取 得等を追加し、研究を加速中。
(3) 燃料電池・水素技術の基準・標準化、規制見直しに向けた国際協調・体制整備に 関する最近の政策提言等への対応として、材料評価データの提供・データベース構 築に加えて、今後、規制見直し・国際標準化・認証制度の構築に貢献できる体制強 化を推進中。
(4) 平成21年度より、「液化・高圧化状態における長期使用及び加工(成形・溶接・
表面修飾)、温度などの影響による材料強度特性研究」を担当する水素材料強度特 性研究チーム(九州大)を、金属材料を担当する「水素材料強度特性研究チーム」
と高分子材料を担当する「水素高分子材料研究チーム」に分け、それぞれ専門分野 に特化して研究加速を図った。
(5) 平成22年度より、産業技術総合研究所からの再委託先となっていた 5 大学、1 公的研究機関、1民間企業をNEDOからの直接委託先に変更し、責任体制をより明 確にするとともに情報の横通しを強化し、研究加速に繋げる。
(6) 産業界におけるニーズを的確に把握し、研究成果を効率よく展開することを狙 い、平成22年度上期中に民間企業等実施者の公募を実施。
Ⅲ . 研 究 開 発 成 果 に ついて
【研究開発の対象】
水素高圧状態下における水素の物性や水素機器材料中の水素挙動等基礎的 メカニ ズム解明等に関し、具体的な試験、分析、解析、評価等を重ね、理論的考察を進める とともに、科学的裏付けとなる検証データを取得・蓄積し、自ら導出した仮説・提 案・指針等内容を精査・強化する。
★ 中間評価1 報告 ★ 中間評価2 最終報告 ★ 報告
固体内拡散挙動解析
実測データとの比較検証 材料内水素と材料強度、
疲労特性の相関解析 水素挙動シミュレーション整備 実験担当者との連携、事前評価など支援
研究開発項目①「高圧水素物性の基礎研究」
本研究では、100MPa、500℃までの高圧高温での水素物性のデータベースを構築 し、広くWEBに公開するために、以下に示す項目を実施した。
(1) PVTデータの測定装置の開発および状態方程式の作成 (2) 粘性係数の測定
(3) 熱伝導率の測定
(4) 水素ガスの種々の物質に対する溶解度の測定 (5) 水素物性データベースの研究開発
(6) 水素雰囲気における高沸点ガスの露点の測定 (7) 比熱の測定
【成果】
・世界的にも類の無い高温・高圧力条件下で、水素のPVT性質、粘度および熱伝 導率を測定するための装置を開発した(高圧対応型バーネット法装置、細管法粘 度測定装置および非定常短細線法熱伝導率測定装置)。
・種々の物質に対する水素の溶解度、物質内拡散係数を測定するためのNMR装置 を導入し、測定法を確立した。
・さらに、水素雰囲気中の高沸点ガスの露点の計測システムを完成した。
・100MPa、200℃(473K)までの条件下で水素のPVT性質を始めて測定すること に成功した。
・熱伝導率に関して、非定常短細線法を高温高圧条件下の水素に初めて適用した。
また、熱伝導率のパラ水素濃度依存性を定量的に高精度で測定した。なお本方法 は熱伝導率と熱拡散率の同時測定が可能である。
・100MPa、200℃ (473K)までの条件下のPVT性質、粘性係数、熱伝導率を測 定し、実測データをもとにしたPVT性質の状態方程式および粘性係数と熱伝導 率のそれぞれについて高精度の推算式を作成した。
・全く新しいコンセプトに基づいた物性推算機能付きデータベースシステム(All in 1 CD)の骨格を完成し、本プロジェクトで収集されたデータに基づいてデー タベースの拡充を行った。また、プロセス設計に使える熱物性値推算ツールとし てのMS-EXCEL版水素物性ライブラリを完成した。
・完成したMS-Excel用水素物性推算アドインライブラリには、水素物性値計算用 の既存の推算式と本実測を基にして得られたビリアル状態方程式および粘性係数 と熱伝導率のそれぞれの推算式が関数として組み込まれている。
研究開発項目②「高圧/液化水素環境下における金属材料等の水素脆化の基本原理の 解明及び対策検討」
研究開発項目③「液化・高圧水素環境下での長期使用及び加工(成形・溶接・表面修飾)、
温度などの影響による材料強度特性研究(金属材料)」
②本研究では、高圧水素雰囲気下での水素脆化の基本原理を解明、また疲労き裂発生 と伝ぱに及ぼす高圧ガス水素の影響を明らかにし、そのメカニズムを解明すること を実施した。
(1) ナノ・メゾレベルにおける強度・変形過程の解明
(2) 高圧ガス水素下及び液体水素下における疲労き裂発生と伝ぱ機構の解明 (3) 疲労き裂先端における塑性変形(すべり変形)と水素の相互作用の解明