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. 設計したFBG光マイクロフォンシステムの特性

ドキュメント内 第1章 (ページ 39-60)

-70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0

1510 1520 1530 1540 1550 1560 1570

波長(nm)

光パワ(dBm)

図 5-3 SLD光源のFBGブラッグ反射スペクトル

-60 -50 -40 -30 -20 -10 0

1510 1520 1530 1540 1550 1560 1570

波長(nm)

光パワー(dBm)

図 5-4 SLD+光アンプ光源のFBGブラッグ反射スペクトル

-100 -80 -60 -40 -20 0

10 100 1000 10000

周波数(Hz)

伝達特性(dB)

図 5-5 スピーカの周波数特性

振動膜を固定してある微動台を移動させ、振動膜の0~200μmまでの変位に 対しての波長シフト量の測定を行ったが、100pmレベルまで測定できるスペク トルアナライザでは、ブラッグ波長シフト量の測定は行えなかった。そのため、

今回の 0~200μmの変位でのブラッグ波長シフト量は<100pmと予測される。

そこで変位量に対するAWGからの出力パワー変化の測定を行った結果を図 5-6 に示す。この結果より、膜の振動振幅による変位により一定の出力パワー変化 が得られることが確認できた。

1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8

0 50 100 150 200

変位量(μm)

出力パワー(μW)

5.1. FBG

光マイクロフォンの周波数特性

SLD

AWG 光アンプ

PD ネ ッ ト ワ ー ク アナライザ

FBG 光サーキュ

レータ

振動膜と振動棒

図 5-7 測定系

図 5-7の実験系で、FBG光マイクロフォンの周波数特性を測定した。光源はス ペクトル半値全幅 70nm のSLD(Super Luminescent Diode)を使用し出力

-1dBmとした。広帯域波長光源の出力パワーは出力波長全域に分散される。そ

こでFBGからの特定波長のみの戻り光にパワーを確保することが必要であるた め、光アンプでの増幅を行った。光アンプ接続後の 9dBmの光をFBGに入射す る。FBGからの戻り光のピーク波長パワーが-20dBmであった。この戻り光を AWGのポートのスロープ部にセットし、設計したFBG光マイクロフォンの 10Hz~10kHzまでの周波数特性の測定結果を 図 5-8に示す。スピーカから 10cm程距離をとった所で1インチダイナミックマイクの振動膜で音圧を受け FBGを垂直方向より押し曲げた。FBGで周波数変調された戻り光をAWGに入射 し、AWG出力Chから振動膜変化に伴った光強度変化をもった光を取り出す。出 力光を電気信号に変換し、ネットワークアナライザに入力して周波数特性を測 定した。

-120 -100 -80 -60 -40 -20 0

10 100 1000 10000

周波数(Hz)

伝達特性(dB)

図 5-8 作製したFBG光マイクロフォンの周波数特性

60Hz以下の低音部では、測定に用いたスピーカの特性により測定できなかっ

た。550Hz付近にピークがみられるがこれについては5.2に検証した結果を示す。

高周波領域での特性が悪いのは、今回実験にダイナミック型マイクロフォンの 振動膜を使用したが、ダイナミックマイクロフォンの出力信号の大きさは導体 の振動速度に比例し、振動数の少ない低域では周波数に反比例して振動膜の振 幅が大きくなり、高域では逆に振幅は小さくなる[11]。よって振動膜によるFBG の押し曲げ量が重要になる今回の設計では、高周波での振動膜の振幅が小さい ために高周波での特性が悪化したものと思われる。

5.2. FBG

光マイクロフォンの周波数特性改善

5.1 で述べた 550Hz 付近に見られるピークの原因について検討を行った結果

を記す。550Hz 付近に見られるピークがファイバの張力か振動膜の影響が考え

られるため、条件を変化させ実験を行った結果を示す。

図 5-9にAWGの出力ポートを示す。Aポートの中間波長が 1551.83nm、BとC の中間波長がそれぞれ1552.66nm、1555.05nmである。

A B C

800pm

AWG出力ポート

図 5-9 AWG出力ポート図

Aポートの肩にFBGの戻り光をセットし、振動膜を触れた状態(押し当て量 0 μ

5-10と図 5-11を比較してみると、 図 5-10ではピークが 296Hz付近に見ら m)での周波数特性を図 5-10とする。次に図 5-13に示すように、振動膜を固 定している微動台をつかって、振動膜をFBGに対して垂直方向から1000μm押 し当てた状態での周波数特性を図 5-11に示す。ただしこの時、振動膜は振動面 に対して垂直な方向に柔軟な構造をしているため、4.3.2で行った測定のように 1000μmの変位が完全には、ファイバの曲げ伸ばしには作用しない。

れ図 5-11では449.2Hz付近に見られる。このことより、図 5-8の周波数特性で、

550Hz付近に見られたピークは、振動膜の張り具合によるものか、ファイバの

張力(共振周波数)に関係していることが明らかになった。

伝達特性

λ(nm) 300pm

1551.83 1552.66 1555.05

FBGブラッグ反射ピーク

-100 -80 -60 -40 -20 0

10 100 1000 10000

周波数(Hz)

達特性(dBm)

図 5-10 A-Ch(低張力ファイバ)(0μm変位)の周波数特性

-100 -80 -60 -40 -20 0

10 100 1000 10000

周波数(Hz)

伝達特(dB)

図 5-11 A-Ch(低張力ファイバ)(1000μm変位)の周波数特性

に同一のFBGを用いて、ファイバに張力を加えグレーティングピッチを変 化

させることによって、ブラッグ波長を長波長側にシフトさせた。このブラッ グ波長を図 5-9のCポートの肩にセットし、周波数特性を測定した結果を 図 5-12に示す。ただしこの時の振動膜はFBGに触れた状態(押し当て量0μm)であ

-100 -80 -60 -40 -20 0

10 100 1000 10000

周波数(Hz)

達特性(dB)

図 5-12 C-Ch(高張力ファイバ)(0μm変位)の周波数特性

FBGの張力を変化させ、A~C-Chで出力を取り、それぞれの状態で、振動膜

を図 5-13に示すようにFBGに対して垂直方向から振動膜を押し当てた。その時

の押し当てた量とピークの立つ周波数を図 5-14に示す。

振動膜の変位量

固 固

ファイバ張力の調整

図 5-13 振動膜の変位量とファイバ張力

250 300 350 400 450 500 550 600

0 200 400 600 800 1000

変位量(μm)

ピーク周波数Hz)

低張力(A)

中張力(B)

高張力(C)

図 5-14 ファイバ張力と振動膜の変位量によるピーク周波数の変化

5-14より、FBGに対して振動膜の振動棒を強く押し当てるとピークのでる周

数が高周波に移動することが分かる。また、ファイバの張力を高めることで 図

ピークの出る周波数が大きく高周波に移動することが確認できる。この結果よ りファイバに加わる張力と振動膜を押し当てることによるファイバの張力(共振 周波数)がピークの原因であると考えられる。

5.3. 多地点測定の検討

FBGを2個接続した状態での周波数特性の測 を行った。FBG1からの戻り光をAWGのポートの肩の部分にセットし、次に 図 5-15に示す実験系を用いて、

FBG2 からの戻り光をFBG1 とは異なる出力ポートの肩の部分にセットした。

スピーカからの音圧を振動膜を通してFBG2 に与え、同様に周波数特性の測定 を行った。結果を図 5-16に示す。FBGを1段接続した結果と同レベルの周波数 特性の結果を得たことから、本システムにおいて多地点での同時計測の可能性 を明らかにした。

SLD

図 5-15 2段接続

-100 -80 -60 -40 -20 0

10 100 1000 10000

周波数(Hz)

伝達特性(dB)

図 5-16 2段接続周波数特性 AWG

光アンプ

PD

ネットワーク アナライザ

FBG1 光サーキュ

レータ

スピーカ

FBG2

PD

多地点測定を行う際のマイク設置可能数について示す。

まず、設置可能数がFBG波長によって制限される場合を考える。FBGによる設 置可能数は、図 5-17に示す振動膜の振動による反射シフト帯域λv、マイク設 置場所の温度変化を考慮したλt、隣の波長帯に設定するFBGとの干渉を防いだ り、受信部で正確に分波できる精度を確保する値として、ガードバンドλgによ って制限されるものとした。この時、FBGをN段設定したい場合に必要な帯域 は

( λ

t

+ λ

v

) N + ( N − 1 ) λ

g (5-1) となる。

図 5-17 FBG設置バンド図

λ FBGブラッグ波長

λv (振動)

λt(温度)

λg (ガード)

100Hz 134dB

図 5-18 FBGのブラッグ波長シフト量要因による多地点設定可能数

今回設計したFBG光マイクロフォンを多段接続する際の波長間隔について検 (図 5-18参照)。ダイナミック型マイクロフォンの振動膜の振幅は100Hz 音圧レベル134dBで片側最大50μmである[11]。今回周波数特性の測定は最大で

dB程度の音量で行ったことから、大きく見積もっても、振動膜の振動幅は 両側あわせて100μmよりも小さいと予想される。そこで、図 5-13の形式で振 動膜を固定してある微動台を 100μmまで変位させた時のブラッグ波長シフト 量の測定を行った。微動台を100μm変位させた状態で約30pmのブラッグ波長 シフトが測定できた。実際は音圧による振動膜変位はファイバの張力や膜の柔 軟性により大きく制限され、音圧印加時の波長シフトはこれよりも小さいと予

討する 、

90

想さ れ

れ15pmとり、FBG設置場所の温度変化に伴う帯域は、±5℃を保障すると考 た場合λt=100pmとなる。

れる。よって、振動による波長シフト帯域λvは長波長側、短波長側にそ ぞ

<100μm

固定 固定

波 長 シ フ ト

<30pm 100μm

30pm λ

基準FBG波長 設定可能波長

図 5-19 AWG要因による多地点可能数

次に設置可能数がAWGの設計によって制限される場合を考える。図 5-19に AWGを使用した際の使用帯域を示す。本システムでは隣接2ポートの中心波長 にFBGの反射光をセットする。よって、中心波長を中心に、シフト変化に伴う 一定の出力が得られる範囲(スロープの傾きが一定)λavの帯域を必要とする。

この時λavは、FBG設置場所の温度によるブラッグ波長シフトλtと振動膜の 振動によるブラッグ波長シフトλvとを考慮して

v t

av

λ λ

λ ≥ +

(5-2) とする。FBGをN段設定したい場合に必要な帯域、つまり、N段のFBGを設 置した時に必要なSLDの必要帯域はλwは

) 2 1 (

2 −

= m

ch

w

λ

λ

(5-3)

と表せ、この時

m = N

2

である。また、隣接設置FBGとの干渉を防ぐ為のガー ドバンドは、AWGの設計に左右され

伝達特性

λ(nm)

・・・

FBG反射光

FBG m/2

CH1 2 3 4 m

λav

AWG出力ポート

2 λch

λw

5.4. 感度

Ip=光電流、Id=暗電流、q=電荷、B=周

対温度として、式(5-5)よりS/N=1を得るために必要なIpを求める。

波数帯域、R=負荷抵抗、T=絶

B kT R

I I q

Ip

d

p

)

) 2 ( N

S

} 4 (

2 {

1

2

+

= +

(5-5)

式(5-5)よりId=0.1nA、B=100kHz、R=1MΩ に必要な光電流は、Ip=0.05nAと求まる。

図 5-20 感度測定系

図 5-20に示す実験系で、設計したFBG光マイクロフォンの感度測定を行った。

音圧レベル92.2dBで固定周波数(390Hz)を振動膜を通してFBGに与えた。そ の時のブラッグ波長シフトを、AWGを波長フィルタとして使用して波長変化を 光の強度変化に変換した。光の強度変化をPDで受けオシロスコープで波形の観 測を行った。オシロスコープで観測した正弦波より、Vp=4mVを得て、PDの負 荷抵抗1MΩより、光電流Ipは

、T=298とすると、S/N=1 を得るため

R Ip=Vp

= 4 × 10

9 (5-6) SLD

AWG

FBG1 光サーキュ

レータ

スピーカ

PD

ファンクション ジェネレータ

オシロ 92.2dB

390Hz

0.26dB

f=390Hz Vp=4mV

Ip=4nA スコープ

R1MΩ

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