5.3 プロトタイプから得られた考察
5.3.1 計算順序による属性アクセスコントロール規則生成への影響
Router
Hub1 Hub2
Host1 Host2 Host3 Host4
ユーザ U
オフィス領域A オフィス領域B
untrust untrust
untrust untrust
untrust
untrust
信頼度属性の伝搬
marginal
marginal
marginal
marginal marginal
marginal untrust
:untrust 信頼度属性marginal
:marginal 信頼度属性図 5.7: 例題2 : 信頼度属性の伝搬
このままのネットワーク構成では、図5.7 に示すようにユーザUが 、サービ スを利 用すると信頼度属性が untrust であるhost3でサービスを利用することになり、ポリ シー違反となってしまう。
そこで、ネットワーク構成を図5.8に示すような構成に変更し 、RouterとHub2に おいて VLANを設定し 、仮想ルータであるVerouterで適当なアクセスコントロール規 則を設けることで、Host3を Host4から分離する。
こうすることで、信頼度属性は、図5.9に示すように、Host3においてmarginalと なり、ユーザU の移動に伴うポリシー違反を取り除くことが可能となる。
Hub1
Host1 Host2 Host3 Host4
ユーザ U
オフィス領域A オフィス領域B
ネットワークの再構成
Vrouter Vhub4 Vhub5
Vhub3 Vhub2
VLAN1 VLAN2
図 5.8: 例題
2 : ネットワークの再構成
Hub1
Host1 Host2 Host3 Host4
ユーザ U
オフィス領域A オフィス領域B
untrust untrust
untrust untrust
信頼度属性の伝搬
marginal marginal
marginal
marginal marginal
marginal untrust
:untrust
信頼度属性marginal
:marginal 信頼度属性Vrouter Vhub4 Vhub5
Vhub3 Vhub2 untrust marginal
marginal untrust
marginal
marginal
marginal
marginal
図 5.9: 例題2 : 信頼度属性の伝搬の分離
Host3 Host2
Host1
Router1
Router2
C+
C-S
A
初期状態B
オブジェクト属性と ポジティブサブジェクト属性が
伝搬する場合
C- C+
S
Host3 Host2
Host1
Router1
Router2
C+
C-S
C+
C+
C+
C+
S
S
S
S
C
ネガティブサブジェクト属性が 先に伝搬してしまう場合
C- C+
S
Host3 Host2
Host1
Router1
Router2
C+
C-S
C-図 5.10: 属性計算順によるアクセスコントロール規則生成への影響
ジェクトであるサーバ Host1でサービ スを行っている場合を考える。
このとき、属性評価マトリックスとして以下のものを定義する。
•
s とc+ は共存しなくてはならない。
•
s とc- は共存してはならない。
•
c+ とc- は共存してはならない。
このとき、規則生成の計算の順番としては、
1.Router1からスタートする場合
2.Router2のHost3側のポートからスタートする場合
3.Router2のHost2側のポートからスタートする場合
が考えられる。はじめの2つの場合には、Router2で
c- をブロックし 、c+とs がうま く共存する規則が生成される。(5.10の B)しかし 、最後の場合には、c- が Router1と
Router2の間のリンクに伝搬してしまい、所望のアクセスコントロール規則が生成でき
ない。(5.10の C)
この問題を解決するために つの方法が考えられる。
•
ネットワーク構成の回りから一つずつ属性計算を行うようにしてアクセスコント ロール機構を持った論理機器に来るたびに規則生成計算を行う方法•
オブジェクトサービス属性s とポジティブサブジェクトサービス属性c+の属性計 算/規則生成計算を先に行い、その後ネガティブサブジェクトサービス属性の属性 計算/規則生成計算を行う方法
それぞれの特徴としては、前者の場合、ネットワーク構成全体に対する知識を必要と する。また、その知識に基づいてスパンニングツリーを計算して、属性計算木のリーフ から属性計算/規則生成計算を行っていく処理を行わなければならない。また、後者の場 合、属性値にポジティブ/ネガティブの区別を行うための情報を付加する必要がある。
ネットワーク構成全体に対する知識は必要ない。
前者の方法では 、スパニングツリー計算処理が入ることと 、リーフからの計算順を どのように行えばよいかの問題があり、実現が容易でないと考え、今回は後者の方式を とった。