第 3 章
3.5 計算結果
1. 定点での時間変化と周波数解析
3種類の条件において原点における時間変化を計算した。10万stepの計算を行い、磁場
𝐵𝑥 と電子流速 𝑢e𝑥 の時間変化を確認した。この結果をFig. 3-7とFig. 3-8 に示す。時間変化
では低い周波数の大きな振動と、高周波の小さな振動が確認できる。分散関係の 𝜔 を成分
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とする振動が確認できるかを、時間変化の結果をフーリエ変換して周波数解析を行った。
Fig. 3-8. 磁場と電子流速の原点での時間変化 (1.00 × 1018, 1019 [m−3])
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Fig. 3-9. 磁場と電子流速の原点での時間変化
下の図は までを拡大した図
ここでフーリエ変換をする際に、有限区間以外で値が 0 となるような窓関数を用いて計算 を行っている。窓関数を用いることで、ピークによるサイドロープの影響を減らすことがで きる。今回はハニング窓を用いて計算を行った。磁場 のフーリエ変換の結果をFig. 3-9 に、電子流速 のフーリエ変換をFig. 3-10に示す。定常成分は除去しており、ピークの 値は最大値で規格化している。磁場と電子流速の二つのフーリエ変換の結果を比較すると、
おおよそピークとして確認できた周波数の値はほぼ同じ値であった。低周波部分のピーク は分散関係の 𝜔 によるものだと考えられる。また、どの周波数成分が大きく表れているか は異なっており、電子流速の場合、電子の運動の影響を直に受けるために振動が大きく表れ ているためだと考えられる。プラズマ周波数などよりも高い周波数が確認できる。これは非 線形な効果による高周波波動であると確認できる。
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Fig. 3-10. 磁場 𝐵𝑥 のフーリエ変換の結果
Fig. 3-11. 電子流速 𝑢e𝑥 のフーリエ変換の結果
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参考として窓関数を入れていない場合の物理量の変化についても確認した。この結果を
Fig. 3-11 と Fig. 3-12 に示す。低周波部分のピークの影響が大きく、小さい周波数成分が結
果として観測しにくいことが確認できる。窓関数を導入する場合、ピークの幅が太くなり、
特定の周波数の値を検出しにくくなる傾向がある。
Fig. 3-12. 磁場 𝐵𝑥 のフーリエ変換の結果(窓関数なし)
Fig. 3-13. 電子流速 𝑢e𝑥 のフーリエ変換の結果(窓関数なし)
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2. 位相速度の計算
フーリエ変換の結果から、初期値として与えた 𝜔 の値に近い成分が確認できた。次に線 形波動の位相速度から求めた 𝜔 と理論値との比較を行った。この計算は中央面分布の時間 変化を確認することで計算できる。位相の時間変化を Fig. 3-13 に示す。この結果は 1 万 step までの結果を用いて中央面分布の変化を描画した。ただし、密度 の条件においては変化が小さいため2万step までの結 果を用いている。この結果においても各stepの最大値で規格化しており、位相の変化を確 認しやすいようにしている。結果を確認すると、線形な位相に高周波の振動が混ざっている ことが確認できる。
Fig. 3-14. 中央面分布の時間変化
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この位相の変化から同位相の点から時間変化を求めるとFig. 3-14 のような結果が得られ る。ここで、位相の変化はこの位相の時間変化の結果から位相速度を求めることができる。
この結果と理論値の比較をTable 3-5 に示す。これらの結果から密度が高いほど位相速度の 値が理論値から離れることが確認できる。また、高周波の振動は原点における時間変化でも 確認された高周波の振動であると考えられる。
Fig. 3-15. 同位相の点の時間変化
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これらの値を用いて密度と誤差の相関を調べた。計算結果と理論値から相対誤差を求め る。相対誤差 𝜀r は式 (3-43)から計算できる。
𝜀r= |理論値−計算結果
理論値 | (3-43)
密度と相対誤差の関係を Fig. 3-15に示す。この結果から真空に近い状態であると位相速 度の誤差は少ない線形波動となることを意味している。
Table 3-5. 理論値と計算結果の値の比較
理 論 値
𝜔 [rad/ns] 65.3 29.4 4.65
𝜔/𝑘 [m/s] 2.08 × 108 9.37 × 107 1.48 × 107
計 算 値
𝜔 [rad/ns] 61.4 19.2 2.44
𝜔/𝑘 [m/s] 1.95 × 108 6.12 × 107 7.75 × 106
Fig. 3-16. 密度と位相速度の相対誤差の相関
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密度が の場合ではおよそ理論値に近い位相速度が計算できた。一方で現在は のときの波数 を設定していたが、他の の値を用いて結果を確認した。波数の 値 から求められる を用いて 1 万step 計算を行い、位相速度を求めた。Figure
3-17 に分散関係の曲線と𝑘̅ = 𝜋, 2𝜋 における解を示す。上で示した図と横軸は変えてある。
𝜔 の解を小さい順に 𝜔̅1, ⋯ , 𝜔̅4 とし、この曲線上に図示した。分散関係の 𝜔, 𝑘 の値と計算結
果をTable 3-6 にまとめて示す。位相の時間変化はFig. 3-17 に示した。この結果から位相
速度が大きいほど高周波の振動の影響が現れることが確認できる。
Fig. 3-17. 分散関係のグラフと𝑘+= 𝜋, 2𝜋 における解
Table 3-6. 理論値と計算結果の値の比較
理論値 計算値
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Fig. 3-18. 𝜔̅1, ⋯ , 𝜔̅4 を用いたときの位相の時間変化