2.6 一層の金網に形成されるメニスカスの 最大毛細管圧力
2.6.2 解析
金網中央のメニスカス断面形状が半径R'の円弧となる場合に対する解析系な らびに座標(x, y)系をFig.2.19に示す. 図中のαはメニスカスが金網 素線と接触 する点Pの素線中心を結ぶ線からの伏角, 。は作動液と素線との接触角である.
点Pのx座標XPは, 素線の半径(d/2), 点Pの伏角αおよび素線中心のx座標 (d+ω)/2 から, 次式で与えられる.
xp=(d+ω) /2-(d/2
)cosα
(2.70)また, メニスカスの曲率半径R'は, 点Pから見たメニスカス円弧の中心0'の仰
角( e - α)とかから, 次式で与えられる.
R' =xp/cos( f)
-α)
(2.71)これらEqs. (2.70), (2.71)から算出されるR'を用いて, 毛細管圧力の解析値Pc.ca1
は次式で表される.
... 2σ 4σcos(
f)-α)
一一一
.1. c.cal - R' -(d+ω)-d
cosα
(2.72)したがって, PC. azlは金網の幾何形状(素線径d, 日開きω)や物性(接触角8,
表面張力σ)が一定であれば 伏角αだけの関数となる.
作動液の表面張力。を6. 7 9 x 1 0 -2 N/m ( 5 OOCの純水に対応)とし, 素線径d=
9.3XI0-5m, 日開きω= 1. 61 >く10-4 m (100メッシュの金網に対応)とした場 合について, 接触角。をパラメータにとり, 毛細管圧力の解析値PC. ca1と伏角α
との関係をFig.2.20に示す. いずれの接触角。の場合 でも, メニスカスが後退し
。 Xp
Fig. 2.19
Analytical system and coordinate
100 mesh d=0.093mm Ô 1=0.188mm
Pure Water T=500C
。=0.068N/m
---FJYん
-A
-りJ1〆
-J
tt\-Ee --
--F3 九JU\
-U グピメ -d-
F弘又込\
3
case(a)
d\ nd
r
\
AU寸
/
\ π 1\ =\\ 。\\
d\、 \h~\、九O\
=
\J
O
\J
111111JiM川
Ju m
\
AH. π ハσ
。=Orad 2
1
{吋円四一ぷ
}~qu
U(町
π π/2
α[rad]
O 。 -π/2
Variation of Pc,cal wi出the depression angle α Fig. 2.20
毛細管圧力の解析値Pc.calは増大するが, 図中にO 伏角αが増加するとともに,
隣接素線格子のメニスカスの影響が無 したがって,
印で示す最大値が存在する.
Fig.2.18に示した メニスカスはO印の点で圧力差に耐えられずに
い場合でも,
形態(a)で破壊する.
α =αaでは この点の伏角αをαaとおくと,
(2.73) dPc,cddα=0
(2.74) Eq.(2.72)をα で微分し整理すると次式となる.
dPc,caJ 4σ{(d+ω)sin( f) -α) -dsin f) } dα {(d+ω)-dcosαy が成立する.
Eq.(2.73)の条件から,
右辺の係数4σI{(d+ω)-dcosαyは常に正の値を持つので,
αaは次式で与えられる.
(2.75) αa= f) -sin-1{dsin f) I(d+ω)}
メニスカス破壊に及ぼす隣接素線格子のメニスカスの影響を考慮する.
次に,
隣接素線格子のメニスカスとの聞に できる液膜厚さがOになり破断する形
まず\
破断点 この破壊形態は,
態(b)でメニスカスが破壊する場合について検討する.
と接触点との関係から, e <π/2の場合に発生する. この場合のメニスカスが金 網素線と接触する点Pの伏角αをαbとおくと, 点Pがメニスカス円弧の中心0' より上方に位置するため, 点Pからの0'の仰角( e -αb )は負となるので, αb と0は次式の関係となる.
αb>。 (2.76)
αはPc,CaJの増大とともに増加するので, この形態での破壊が発生するためには,
αbが形態(a)での破壊が発生する伏角αaと次式を満足することが必要である .
αa>αb (2.77)
しかし, Eq.(2.75)から次式が成立し, e-αa >0となる.
sin( 8 -αa) = (dsinθ)/(d+ω)>0 �.7�
したがって, Eqs. (2.76), (2.78)からe, αb, αaは常に次式の関係にあり, 必 要条件Eq.(2.77)を満足しない.
αb> 8 >αa (2.79)
このことは, メニスカス断面形状を円弧と仮定すると, 平織り金網にできるメ ニスカスには, 隣接素線格子のメニスカスとの聞の液膜が破断する形態(b)での 破壊は発生しないことを示している.
次に, 隣接素線格子のメニスカスと素線上で接合する形態(c)でメニスカスが 破壊する場合について検討する. この破壊形態はe >π/2で発生する. この場 合の伏角αをαcとおくと, 点Pを隣接素線格子のメニスカスと共有し, 点Pの x座標Xpが素線中心のx座標(d+ω)/2と一致するため, αcは図中に一点鎖線で示
す一定値π/2radとなる.
毛細管圧力の増大とともにメニスカスは後退し, 点Pの伏角αが増大するた め, メニスカスはαa, αcのうち小さいαで破壊する. αa-αc (=π/2 )とな る接触角。の値8aはe >π/2の領域に存在し, αa -π/2をEq.(2.75)に代入する ことによって次式で与えられる.
。a=tan-1{ -(d+ω)/d} (2.8 0)
したがって, 1層の金網の素線格子に形成されるメニスカスの最大毛細管圧力 の解析値Pc*,1. caJは その時の伏角αをα* とおくと, eく8aを満足するOでは α* をEq.(2.75)で算出されるαa, それ以外の場合ではα* をαcとしてEq.(2.72) に代入することにより, 次式で与えられる.
(2.81) P'*.1.,al=4σcos( 8 -α* )/{(d+ω)-dcosα*}
α*= 8 -sin-1{(dsin 8 )/(d+ω)}
く8a
。
α*=π/2
。a く。
メニスカスは形成されない.
では,
図中に破線で示す伏角の領域(α 〉α* )
素線格子角部の影響で,
金網の素線格子に形成される実際のメニスカス形状は,
最大毛細管圧力 Pc*に達してメニスカ そのため,
断面形状が円弧とはならない.
Pc.Ctllはαカミα* と±
スが破壊するときの点Pの伏角αは不明である. しかし,
p,*時のαに対応 (π/12 )rad異なってもp,* 1.c:aJより最大6%しか減少しないので,
p,*時にもEq.(2.69)の関係が成立する.
する P,.c:aJは P,*.I.Ctllとほぼ等しい. また,
p,*は P,*.I.c:aJと次式の関係となると推察できる.
したがって,
(2.82) O.5 P, *.l.,afご P,*くp,*.l,'a/
l層の金網の最大毛細管圧力の解析解 P,*.I.Ctllと接触角。の関係をFig.2.21に示
。がπ/2に近い場合あるいは 大きい毛細管圧力を発生することができると予測される.
。が増大するにつれて減少するが,
π/2以上の場合でも,
p,* 1.c:aJ は,
す.
、、、、\
、、、
\、、\\ 100mesh
\、 d=0.093mm
、\\51=0.188mm
\、
\、、
\、、
"
\ \
\ \
\ \
\ \
\ \
\ 2
4 0 mesh d=0.27 7mm Ò 1=0.564mm 1
Pure Water T=20't σ=0.073N/m
[吋円山一色~8べ~~
π/2 π e
[rad]
。
Variation of P,*,1.c:aJ wi出a contact angle e
Fig. 2.21