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行政コスト計算書を活用した財務分析

ここでは,行政コスト計算書の数値を使って,財務分析を試みました。

( 1)   行政コスト対有形固定資産比率(図表13)

    性質別行政コストの「人にかかるコスト」や「物にかかるコスト」の有形固定資産に対する比率 は,資産を活用するためにどれだけのコストがかけられているか,参考となる指標と考えられます。

    行政コスト対有形固定資産比率は,次のように計算されます。

        (主な目的別行政コスト)÷ (バランスシートの目的別有形固定資産)

    「人にかかるコスト」の割合は,民生費が50%,衛生費が31%と高い割合を示しており,労 働集約型の行政サービスであることを表しています。「物にかかるコスト」の割合は,衛生費が  41%と高くなっていますが,これは,健康診査,予防接種の保健事業やごみ収集,し尿収集等の 清掃事業において,外部委託(物件費)を行っているためです。

    また,農林水産業費や土木費,教育費は,資産形成に多くの財源が配分されていて,比率は低い ものとなっています。

( 2)   収入項目対行政コスト比率(図表14)

    目的別ごとの比率を見ることにより,各分野の行政コストが受益者からの使用料・手数料等や資 産から生み出される収益でどれほど賄われているか,外部からの補助負担金等でどれだけ賄われて いるか,また,税等の一般財源がどれだけその分野に投入されているかを把握することができます。

    収入項目対行政コスト比率は,次のように計算されます。

        (各項目の使用料等の収入)÷ (各項目の行政コスト)

    民生費は,コストは最高額ですが,使用料・手数料等及び国県支出金の財源が手厚いため,実際 に市の負担となる一般財源の負担率は58%と最も低くなっています。

    一方,土木費と教育費,消防費は,一般財源への依存率が高いものとなっています。

    また,目的別行政コストに必要な一般財源額は(図表15),土木費が35億円で最高額,続い て民生費32億円,衛生費24億円となっています。

図表13

  ( 単位: 千円, %)

民生費 衛生費 農林水産業費 商工費 土木費 教育費

845, 531 430, 631 184, 962 11, 794 394, 780 764, 013 382, 018 571, 607 560, 118 27, 575 1, 637, 268 1, 259, 666 1, 698, 896 1, 386, 924 8, 791, 841 354, 78229, 734, 75124, 834, 256

49. 8 31. 0 2. 1 3. 3 1. 3 3. 1 22. 5 41. 2 6. 4 7. 8 5. 5 5. 1 図表14

図表15

①/③

②/③

人 に か か る コ ス ト ① 物 に か か る コ ス ト ② 有 形 固 定 資 産 ③

収入項目対行政コスト比率

0%

20%

40%

60%

80%

100%

使用料・手数料等 5. 6 9. 2 6. 9 27. 6 2. 2 0. 1 4. 8 21. 7 0. 4

国庫( 県) 支出金 3. 8 33. 3 2. 0 4. 2 0. 1 0. 1 0. 5 0. 2 3. 6

一般財源 90. 6 57. 5 91. 1 68. 2 97. 7 99. 8 94. 7 78. 1 96. 0

総務費 民生費 衛生費

農林水産 業費

土木費 消防費 教育費 公債費 その他

目的別必要一般財源額

0 500, 000 1, 000, 000 1, 500, 000 2, 000, 000 2, 500, 000 3, 000, 000 3, 500, 000 4, 000, 000 千円

必要一般財源額 1, 622, 428 3, 171, 088 2, 390, 994 1, 063, 551 3, 547, 707 753, 888 2, 023, 302 442, 903 522, 690

総務費 民生費 衛生費

農林水産 業費

土木費 消防費 教育費 公債費 その他

( 3)   市民一人あたりの行政コスト

    バランスシートと同様,各項目の数値を市民一人あたりで算出することによって,簡単に他都市 と比較することが可能になります。市民一人あたりでは次のようになります。

      一人あたりの行政コスト      33. 7万円    (平成17年度    33. 3万円)

      うち人にかかるコスト      7. 1万円    (平成17年度      6. 4万円)

      うち物にかかるコスト      9. 1万円    (平成17年度        9. 4万円)

      うち移転支出コスト      16. 4万円    (平成17年度  16. 0万円)

      うちその他のコスト      1. 1万円    (平成17年度        1. 6万円)

    前年度との比較では,行政コスト全体は若干増加しました。他都市と比較すると(図表16),

一人あたりバランスシートと同様に,笠岡市は,行政コスト合計は全般的に高くなっているものの,

「人にかかるコスト」は低くおさえられています。「物にかかるコスト」では,物件費等は,他都 市と同じような項目別構成比率となっています。「移転支出的なコスト」では,一部事務組合負担 金や病院会計補助金等の補助費等と,笠岡湾干拓負担金の普通建設事業費(他団体等への補助金等)

により,他都市より高くなっています。「その他のコスト」では,公債費利子分の構成比率は,財 政健全化により低下しています。

( 4)   その他の財務分析(図表17)

A    退職給与引当金繰入比率

    この比率は,職員に対する退職金コストが,通常の人件費と比較してどの程度の負担になって いるかを見るものです。比率が高い場合は,職員の高齢化が進み退職金の負担が重くなっている と考えられます。

B    地方債平均利子率

    この比率は,自治体が発行している地方債に対して,何%の利子を支払っているかを見るもの です。他の自治体や市場金利との比較により,資金調達の巧拙を計ることができます。

C    不納欠損率

    この比率は,未収金として計上されている住民等に対する債権のうち,何%が実際に不納欠損 処分されたか,すなわち貸し倒れたかを見るものです。

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