• 検索結果がありません。

VII. 薬物動態に関する項目

4. 分 布

(1)血液-脳関門通過性 該当資料なし

<参考:動物データ>

組織内濃度(ラット)65)

14C-レボフロキサシン20mg/kgをラットに単回経口投与後の組織内放射能濃度は投与後15分で著明に上昇 し大部分の組織で全血液と同様、投与後0.5時間で最高濃度に達した。投与後0.5時間における組織内放射 能濃度は腎、肝で高く、脳で最も低かった。組織/全血液中濃度比は中枢神経系及び脂肪では0.2以下と低 かったが、その他の組織の多くは1.0以上であり、14C-レボフロキサシンの組織移行性は良好であった。ま た、いずれの組織においても14C-レボフロキサシンは投与後24時間までにほぼ消失し、蓄積する傾向は認め られなかった。

ラットにおける単回経口投与時の組織内放射能濃度推移

組 織 組織内濃度(µg/mL or g

0.25 0.5 1 2 4 8 24 48 72時間

全 血 液 1.34 2.51 1.61 1.21 0.60 0.40 0.04 0.06 0.023 血 清 1.55 3.23 1.99 1.66 0.83 0.49 0.03 0.01 N.D.

0.14 0.24 0.18 0.19 0.12 0.06 N.D. N.D. N.D.

4.90 11.05 5.80 4.57 2.55 1.63 0.08 0.02 N.D.

5.30 11.48 9.12 5.28 3.13 2.08 0.13 0.05 0.04

太字:ピーク値 meann=4

(2)血液-胎盤関門通過性 該当資料なし

<参考:動物データ>

妊娠ラットに 14C-レボフロキサシン 20mg/kg を単回経口投与した場合、レボフロキサシンは胎盤を 通過することが示されたが、胎児組織内の放射能濃度は母体全血液中濃度よりかなり低かった。

妊娠ラットにおける単回経口投与時の組織内濃度

動 物 組 織

組織内濃度(µg/mL or g)

妊娠12日目 妊娠19日目 0.5時間 24時間 0.5時間 24時間

母動物

全血液 2.99 0.08 3.46 0.09

血 漿 4.06 0.08 5.04 0.11

8.52 0.29 17.44 1.02

8.58 0.23 18.68 0.45

胎 盤 2.34 0.04 3.16 0.11 羊 膜 2.25 0.04 2.79 0.25

胎 児

全羊水 0.50 0.00 N.T. N.T.

全胎児 1.33 0.01 1.86 0.09

胎児肝 N.T. N.T. 2.59 0.11

胎児腎 N.T. N.T. 1.72 0.04

N.T.:試験せず mean(n=4)

(3)乳汁への移行性 該当資料なし

<参考:外国人データ>69)

レボフロキサシン 500mg/day 経口投与例で投与 5 時間後の母乳中のレボフロキサシンのピーク濃度は

8.2µg/mLで、通常の成人の血中濃度と同程度の乳汁中への移行が見られた。

<参考:動物データ>

授乳中ラットに 14C-レボフロキサシン水和物 20mg/kg を単回経口投与した場合、乳汁中放射能濃度は投与 後0.5時間に最高値5.81µg/mLに達した。投与後0.5~24時間における平均乳汁/全血液中濃度比は2.1~2.7

であり、14C-レボフロキサシンは乳汁への移行が高いことが明らかとなった。

(4)髄液への移行性70) 該当資料なし

<参考:100mg製剤>

泌尿器科疾患患者にレボフロキサシン水和物200mgを単回投与し、投与3時間後の髄液中及び血清中濃度を 測定した。

投与量 n 時 間 髄液中濃度

(平均値)

髄液中濃度

―――――

血液中濃度(平均値)

200mg単回 10 3時間 0.355µg/mL 0.156 (5)その他の組織への移行性

患者にレボフロキサシンとして500mgを単回経口投与した場合、口蓋扁桃(投与後2.6~4.1時間で対血漿中 濃度比:1.42~1.89)26)、前立腺組織(投与後2.9~4.0時間で対血漿中濃度比:0.76~1.58)28)、耳漏(投与 後1~4時間で対血漿中濃度比:0.40~0.88)27)、上顎洞粘膜(投与後2.3~5.8時間で対血漿中濃度比:0.89

~2.29)27)、鼻汁(投与後1~4時間で対血漿中濃度比:0.11~1.39)27)であり、高い移行性を示した。

唾液

レボフロキサシン500mg(レボフロキサシンとしての用量)単回投与後2時間の唾液中濃度(n=7)は、5.26

±1.75µg/mL(平均値)で、血清中濃度に対する比は0.97±0.17であった。 (社内資料)

<参考:100mg製剤データ>

体液及び組織中濃度

組織・体液 投与量 例数 投与後時間

(時間) 単位 組織・体液中濃度 組織・体液中濃度/

血中濃度 喀痰71) 100mg 2 0.524 µg/mL 1.16(最高値) 0.81

200mg 2 0.5~24 µg/mL 3.67(最高値) 1.24

唾液64) 100mg 5 µg/mL 0.72(最高値) 0.7

肺組織

100mg×3回,3

72) 17 µg/g 2.16±1.30(平均値) 0.39~5.38(範囲)

2.18±0.81 0.97~4.33 200mg73) 14 3 µg/g 3.91±2.33(平均値) 2.17 耳漏74) 100mg 3 2 µg/mL 0.54±0.62(平均値) 0.59±0.63 中耳鼓膜粘膜74) 100mg 1 2 µg/g 0.85 0.49

200mg 1 2 µg/g 1.01 2.73

上顎洞粘膜74) 100mg 41 18 µg/g 0.341.06(範囲) 1.111.93 篩骨洞粘膜74) 100mg 2 1 µg/g 0.84 0.63±0.88 前頭洞嚢胞組織74) 100mg 1 1 µg/g 4.10 3.66 口蓋扁桃74) 100mg 26 1~6 µg/g 1.09~1.51(範囲) 1.25~2.52

200mg 49 19 µg/g 1.595.91(範囲) 1.782.11

耳下腺74) 100mg 8 2~5 µg/g 0.19~0.77(範囲) 1.00~1.50

顎下腺74) 100mg 5 2~8 µg/g 0.84~1.37(範囲) 1.51~1.76

歯肉組織75) 100mg 26 µg/g 2.175(平均値)

口腔粘膜組織76) 100mg 16 3 µg/g 0.79±0.1(平均値)

顎骨組織76) 100mg 13 3 µg/g 0.35±0.1(平均値)

前立腺液 100mg77) 5 1.5

µg/mL 0.64±0.46(平均値) 0.55±0.12 # 200mg78) 5 1 1.02±0.46 (平均値) 0.47±0.10 前立腺組織79) 100mg 23 16 µg/g 0.491.79 (範囲) 0.781.86

精巣組織80) 200mg 4 2 µg/g 4.73±1.52(平均値) 1.63±0.13

精巣上体組織80) 200mg 4 2 µg/g 3.32±0.48(平均値) 1.19±0.13

精液80)

100mg×3,13

日間 5 7日目

µg/mL

1.19±0.08(平均値) 1.12±0.11 100mg×3回,13

日間 5 13日目 1.32±0.15(平均値) 1.26±0.14 子宮各部組織

100mg81) 3 2~4

µg/g

0.64~2.13(範囲)

200mg81) 3 2~4 0.77~4.86(範囲)

200mg82) 7 1.54 0.113.06(範囲) 子宮付属器

100mg81) 5 2~3

µg/g

1.57~2.04(範囲)

200mg81) 5 2~3 0.89~4.27(範囲)

200mg82) 7 1.5~4 0.11~3.39(範囲)

胆嚢組織83) 100mg 6 23 µg/g 0.341.59(範囲) 0.91.7 胆嚢胆汁83) 100mg 6 2~3 µg/mL 1.8~12.2(範囲) 4.5~12.3

胆管胆汁83) 100mg 4 2~3 µg/mL 1.4~5.8(範囲) 1.9~6.2

皮膚組織84) 200mg 39 50~240 µg/g 0.00~8.49(範囲) 1.14

涙液85) 100mg 13 2 µg/mL 0.61±0.25(最高値)

前房水86) 100mg 20 2~9

µg/mL 0.15±0.07(平均値) 0.20±0.07

200mg 22 2~8 0.53±0.27(平均値) 0.26±0.10

*:レボフロキサシン水和物として #:AUC

<その他>

好中球87)

In vitroにおいて、ヒト好中球を10~100µg/mLのレボフロキサシン溶液中で30分培養した結果、細胞内濃

度は外液中濃度の平均7.01~9.63倍に到達した。

血球

In vitroにおける14C-レボフロキサシンのヒト血球への移行率を検討したところ、移行率は37.0~39.4%であ

った。

ヒト血球への移行率(in vitro

レボフロキサシン濃度(µg/mL) 移行率(%)

1 39.4 ± 1.2

10 38.5 ± 3.5

50 37.0 ± 4.7

(n=3、mean±SD)

(社内資料)

<参考:外国人データ>

体液及び組織中濃度

組織・体液 投与量 例数 投与後時間

(時間) 単位 組織・体液中濃度a) 組織・体液中濃度/ 血中濃度 炎症性滲出液

500mg/24hr

×3

6

0.5~24 µg/mL 4.33±0.96(最高値) 0.8±4.0(平均値)

0.2~1.5 500mg/12hr

×5 0.5~24 µg/mL 6.79±2.05(最高値) 1.2±6.7(平均値)

0.51.2 皮質骨 大腿骨頭

500mg 24

0~24.6 µg/g 0.39~2.98(範囲) 0.28~0.69 大腿遠位 0~24.6 µg/g 1.05~7.57(範囲) 0.44~30.48 海綿骨 大腿骨頭 0~24.6 µg/g 0.49~15.12(範囲) 0.06~2.16

大腿遠位 024.6 µg/g 0.282.37(範囲) 0.120.80 気管支粘膜 500mg 35 0.5~8 mg/kg 4.8~8.3(平均値) 0.9~1.8 気管支肺胞洗浄液 500mg/日5日間 4 4~24 µg/mL 0.70~9.94(平均値)

500mg 35 0.58 mg/L 5.910.9(平均値) 1.13.0 肺マクロファージ 500mg/5日間 4 424 µg/mL 13.897.9(平均値)

500mg 35 0.5~24 mg/L 16.2~46.9(平均値) 4.1~18.9 肺組織 500mg 16 2.28~25.43 µg/g 1.61~18.40(範囲) 1.06~9.98 前立腺組織 500mg×3 20 024 2.96 b)

喀痰88) 500mg 30 124 mg/L 5.1(最高値)

副鼻腔粘膜89) 500mg 6 3 µg/g 5.84(中央値) 2.56 胆嚢90) 500mg 7 3.42±1.05 mg/kg 17.93(中央値) 1.7±1.12 胆汁への移行についても検討されている91) *:レボフロキサシンとして a (最高値)各被験者の最高組織内濃度の平均値、(範囲)最低体液・組織内濃度~最高体液・組織内濃度、(平均値)各観

察時点の平均体液・組織内濃度の最低値~最高値 b母集団解析により算出

関連したドキュメント