1. 参考の作成方針 艦船用交流電動機の形状,寸法をまとめたこの「参考」は,NDS F 8302C
(S60.6.6 改正)の改正で,将来,防衛庁船舶設計基準付属図書にそのまま移行するようになった 場合のために,本文から切り離され,参考とした経緯があるが,今回の改正でも,「本体」及び「付 属書」の規定に関する事項を補足説明するものである事と,現行の「参考」の活用状況(枠番,
寸法等を参考用として利用されている)を考慮し,そのまま残すこととした。
なお,この「参考」は,防衛庁規格の一部になるものではない。
2. 主な項目の説明
2.1 NDS F 8302C(S60.6.6 改正)(以下,旧規格という)を改めた主な項目又は補足説明などは,
次のとおりである。
項目番号 項 目 説 明
1 種 類 ・ 形名
1. 種類 実績のある全機種について次のとおり整理統合した。
1.1 枠番号寸法表 と 枠番号の適用表 が適合される 標準 タイプ のもの
a) 従来の一般用電動機(ただし,一部を除き立形は足なしに改 めた。)
b) 軸流内装足なし片軸
c) 甲板補機用防水形 A ブレーキ内装横形 d) 甲板補機用防滴形ブレーキ内装横形 1.2 1 用途 1 タイプ 的なもの a) 軸流内装 3 本足(潜水艦用)
b) 軸流内装 4 本足(掃海艇用)
c) 軸流内装足なし両軸
d) 防滴立形3本足(潜水艦用)
e) 防まつ立形3本足(潜水艦用)
f ) 甲板補機用防水形 A ブレーキ内装立形 g) 掃海艇用全機種
h) 多翼通風機直結形
2. 類似の電動機について 電動機の種類は,大幅に拡大されたが,
これでも包含することができない特殊なものがあるので,この場合 には最も類似した電動機の形名に Z を付けて表すこととした。
項目番号 項 目 説 明 1 種 類 ・
形名
3. 基準周囲温度の限度 40℃ 旧規格では,基準周囲温度の限度が 40℃
及び 50℃の2本建てのため枠番号が異なり,補機との結合が困難にな っていた。このため,45℃1 本建てという案もあったが,審議の結果,
次の理由によって 40℃1 本建とした。
なお,50℃を要求されたものは努めて付表3の枠番号によることが望 ましい。また,60℃を追加したが,これは特殊の場合以外は使用しない こととした。
3.1 艦内において基準周囲温度の限度が 40℃の場所は 50℃の場所より も多い。したがって,50℃1 本建てとすることは不経済である。
3.2 基準周囲温度の限度が 50℃の場所でも,実際に温度が 50℃になら ない箇所もあり,40℃用の電動機を適用できる可能性がある。
4. 防まつ形(外扇付)
4.1 防まつ形(外扇付)を現行の 7.5kW から 15kW まで範囲を広げる ことが提案されたが,使用実績も少なく,次のようなことから規定しな かった。
a) 騒音が 5〜10 ホン増加する。
b) 鋳物が使えないため固定子枠の工作が著しく大となる。
4.2 30 分間以下の短時間のものでは,温度上昇は実用上支障がないの で,外扇を設ける必要がなく,防まつ形だけを採用できるようにした。
4.3 外扇の保護覆のすきまに落下物防止の網を設けることは,通風効 果の妨げとなるので,設けていない。
5. 立形電動機 一般用立形電動機の壁取付足は,なくとも支障がない ので廃止したが,うず巻きポンプ用の電動機は,補機の標準化のため,
旧規格と同様に壁取付足を残した。
2 枠番号 甲板用ブレーキ内装横形電動機及び掃海艇用単速度電動機について は,通則で定めた枠番号を適用できないので,それぞれの枠番号の適用 表を作成した。
3 形 状 ・ 寸法
1. つり金具 NDS F 8001では,50kg 以上のものにつり金具を取り付 けるように規定しているが,電動機の場合は,補機と結合して一体とな るため,電動機本体の質量が 35kg以上のものにつり金具を取り付け るようにした。
項目番号 項 目 説 明 3 形 状 ・
寸法
2. 防そ 防そ兼防滴のよろい戸は使用実績によって参考解説図1のよ
うに内面立より部分をラップさせるなどの方法をとることが望ましい。
参考解説図1
3. 軸受箱
3.1 スラスト押えは,原則として横形電動機では連結側に,立形電動 機では上部に取り付ける。
3.2 両シール形の玉軸受を使用する場合は,次の要領で参考解説図2 のように取り付けることが望ましい。
a) スラストを押える側の玉軸受はその両面を保持する。但し,この玉 軸受にはスリンガ及びばねを使用してはならない。
b) スラストを押えない側は,スリンガ及びばねを使用してもよい。
参考解説図2
4. 取付ボルト
4.1 一般用立形電動機の取付穴の数及び取付ボルトの径は,耐衝撃強 度計算の結果充分な強度を持つようにした。
4.2 多翼通風機直結形電動機は,トランクの可動部分の質量が加わる ので,電動機の取り付けに対する耐衝撃強度を,その都度検討する必要 がある。
5. 接地端子 多翼通風機直結形電動機は,防振ゴムを介して取り付け
られることが多いので,すべて接地端子を設けるようにした。
6. 固定子枠内の扇車取り付け要領 軸に扇車を取り付ける場合は,キ ー及び六角ボルトの押さえねじを併用することが望ましい。
項目番号 項 目 説 明
3 形状・
寸法
7. 軸端のキー及びキーみぞ 軸端のキー及びキーみぞの寸法は,国際 規格 ISO の採用によってJIS B 1301(キー及びキー溝)に合わせて改め た。
8. 甲板用ブレーキ内装立形電動機の枠番号 甲板用ブレーキ内装立 形電動機の枠番号については,通則解説2.8の枠番号によって平面取り 付け足を仮定して規定したが,平面取り付け足の F 寸法は,実装上特に 必要ないため, 1600 と規定した。
4 ノック ノックピンの打ち込みは,耐振性などの見地から参考付表23に示す ように垂直としたが,小形電動機で垂直打ち込み工作及び装備上困難な 場合は傾斜を付しても差し支えない。
また,参考付表23を適用できないものについては,強度を十分に確 保できるような寸法とする。
5 端子箱 1. 端子箱の位置 甲板用ブレーキ内装横形電動機は,電線導入の関係
上,参考付表15及び参考付表16のように端子箱を真横とした。
また,一般用立形電動機は,従来,壁取り付け足を有していたが,こ れを廃止したため,端子箱の位置は,銘板位置を正面とし,原則として 右 135 度とした。
なお,銘板位置は,次のことを原則として決定した。
1.1 左右のつり金具の中央
1.2 開放形玉軸受の場合,下部非常注油口と同じ面
2. 端子箱の構造・寸法 端子箱の構造及び寸法は,次の事項を原則と し,使用実績に基ずき軽合金製及び鋼鈑製のものを参考付表に例示し た。
2.1 端子箱の取り付け座は,容易に方向が変えられるように正方形と した。
2.2 端子箱は,防水形 A の電動機に対しては防水構造,防滴形及び防 まつ形電動機に対しては,防まつ構造とした。
2.3 電線貫通金物は締付形とした。
3. 端子 端子は,NDS F 8811(端子盤及び端子受け)による端子盤及 び端子受けを使用するように改めた。
なお,口出線がフレームを貫通する部分は,ブッシュなどで保護する。
項目番号 項 目 説 明
5 端子箱 4. 端子の配列 端子の配列は,従来電線貫通金物に向かって右から
U,V,W であったが,NDS F 8001(端子配列)及びNDS F 8018(回転 方向)に基ずき,端子箱に向かい外線の貫通から見て,左から U,V,
W とした。
また,立形電動機において電線貫通金物を横向に出す場合の端子は 配列は,下から U,V,W となる。
6 設計要目
表
巻線形電動機を廃止したので,設計要目表を改め,必要項目のみを記 載することとした。
7 その他 1. 立形電動機の許容スラスト荷重 立形電動機の参考付表には,許
容スラスト荷重を許容推力として記載した。この値は,4 極の場合の 下方向の外部スラスト荷重許容値であり,その計算方法は,参考解説 附属書に示す。
従来,立形電動機においては軸受寿命計算書を作成する場合があっ たが,外部スラスト荷重が参考付表以下であれば,特に考慮すること なく電動機を使用することができる。
2. 立形電動機スラスト荷重計算書 軸受に許容値により大きいスラ スト荷重のかかる場合は,それに見合う玉軸受を使用するとともに参 考解説附属書にならい許容外部スラスト荷重計算書を作成できるよう にした。
2.2 NDS F 8302C(S60.6.6 改正)からの主な変更項目は,次のとおりである。
項目番号 項 目 説 明
1 種類・形式 現時点での艦船用交流電動機の製作実績を調査した結果より,製 作実績の出来た枠番と掃海艇用甲板用ブレーキ内装立形(参考付表 22)を追加した。
2 取 付 け ボ ルト穴径
NDS F 8001Dを反映し,参考付表内の M12,M16 用ボルト穴径寸法 を見直した。(各々,15→14.5,19→18.5)
3 その他 規格様式による項番号を見直した。