3. 1 駐輪場利用及び施設整備の基本方針
新町地区や中町地区の一部において人口の増加が予想されていることから、人口推計を基 に駐輪需要台数を算定しました。人口がピークになると見込まれる平成36年における将来駐 輪需要台数は以下の通りです。
注1:収容台数(A)は、平成 24 年4月時点の収容台数です。
注2:現最大駐輪台数(B)は、平成 23 年 10 月の最大駐輪台数であり、承認台数とは異なります。
注3:放置台数(C)は、平成 23 年度午前9時時点の一日平均放置台数です。
注4:将来駐輪需要台数(E)は、現集中台数(D)を基に、大都市交通センサスのゾーン区分における各駅 の自転車利用割合及び人口変化率を加味し算定しています。
将来駐輪需要台数においても各駅ともに駐輪台数は充足する見込みです。今後は、自転車 の駐車環境づくりにおいて新規整備や拡張工事主体からの転換を図り、利用者ニーズへの対 応や効率的な運営といったマネジメント面での対策を重視します。
具体的には、以下の6つの方針を柱として、施策を進めます。
表 12 将来駐輪需要台数
単位:台
ニーズに 対応
効率的な 運営
意識改革
駐輪場の 整備 計画的な
改修 徒歩への
誘導
図 43 自転車環境整備における6つの柱
収 容 台 数
現 最 大 駐 輪 台 数
放 置 台 数
現 集 中 台 数 ( B + C )
将 来 駐 輪 需 要 台 数
( A − E )
A B C D E F
浦 安 駅 6, 691 6, 347 72 6, 419 6, 515 176 新 浦 安 駅 11, 091 8, 969 15 8, 984 9, 586 1, 505 舞 浜 駅 5, 500 3, 237 7 3, 244 3, 416 2, 084
駅
【方針1】駐輪場利用者の多様なニーズへの対応
駐輪場利用者の多様なニーズに対応するため、駅周辺の商業事業者との連携を図りながら、
自転車駐車環境の整備を進めます。
具体的には、一時利用駐輪場を短時間利用する方への一定時間の無料化や、利用の少ない 日曜日及び祝日の空きスペースの活用のほか、自動二輪車用の駐車スペースの設置等につい て検討します。
【方針2】駐輪場ごとの利用形態等の見直しによる効率的な運営
現状の利用形態や駐輪場の位置関係、放置自転車の状況を踏まえて、より効率的な駐輪場 運営を進めます。
具体的には、駐輪場ごとの便益性に応じた料金設定による収容率の平準化や、利便性向上 のための利用区分の明確化について検討します。また、民間主導による運営についても検討 します。
【方針3】放置自転車に対する意識改革の推進
放置自転車は、防災や景観、安全な市民生活に悪影響を与えます。これまでの様々な放置 自転車対策により利用者のモラルが向上し、放置台数は大幅に減少してきていましたが、今 後も現在の施策を継続・強化し、更なるモラルの向上や意識改革の推進に努めます。
【方針4】駐輪場の整備
将来の需要予測では駐輪台数は充足していますが、駅周辺の再開発状況や借地(民地)所 有者の事情等により駐輪場を廃止した場合などには、必要に応じて駐輪場の整備や拡張を検 討します。また、需要が減少した場合には、駐輪場の集約化を図ります。
整備に際しては、民間事業者の参入促進についても積極的に検討します。
【方針5】駐輪場の計画的な改修
駐輪場設備の安全性と利便性を確保し長寿命化を図るため、定期的なメンテナンスを行い ます。また、改修計画を策定し、施設の建築年次等を考慮しながら順次駐輪場の改修を行い ます。
【方針6】自転車から徒歩への転換
駅まで歩いて行ける距離での移動については、自転車ではなく徒歩への誘導を行い、自転 車利用者の抑制及び歩行空間や駐輪場の確保を図ります。将来的には、駅から一定距離(半 径)以上の居住者を優先することを検討します。
3. 2 各駅周辺の駐車環境整備
(1)浦安駅周辺
<現状の整理・分析>
浦安駅周辺には小規模な駐輪場が点在していますが、全体としては、通勤・通学者が使用 するための駐輪台数は概ね充足している状況です。また、将来の駐輪需要予測に対しても現 在の収容能力で充足できる見込みとなっています。
現状の課題としては、駅前の商店街や娯楽施設を利用する一時利用駐輪場が十分確保され ていないことや、施設・設備の老朽化が著しい箇所が見られ、改修等の対応が必要となって います。また、借地(民地)による駐輪場もあり、安定的な駐輪場運営のための対応が望ま れます。
<方針>
舞浜駅
新浦安駅 浦安駅
① 一時利用駐輪場における無料時間の設定
② 駐輪場収容率の平準化
③ 老朽化の著しい駐輪場の計画的な改修
④ 駐輪場の整備と集約化
⑤ 自動二輪車用駐車スペースの設置
⑥ 駐輪場の日曜・祝日の活用
⑦ 自転車から徒歩への転換の促進
駐輪場の環境整備にあたっては、駅周辺の特性に基づいて行うものとします。
<具体的な施策>
①一時利用駐輪場における無料時間の設定
一時利用駐輪場を短時間利用する方の利便性向上を図るため、一定時間の無料化を進めま す。
②駐輪場収容率の平準化
駐輪場運営の効率化を図るため、駅からの一定距離(半径)を基準として距離に応じた料 金設定とし、全体としての駐輪場収容率の平準化に努めます。また、各駐輪場における利用 区分(定期利用・一時利用)の見直しを進めます。
③老朽化の著しい駐輪場の計画的な改修
駐輪場の安全性と利便性の向上を図るため、
老朽化した建物や設備については改修計画を 策定し、建築年次等を考慮しながら順次改修 を行います。
④駐輪場の整備と集約化
買い物客等の利便性の向上を図るため、一 時利用の駐輪設備の設置を進めます。また、
駅周辺の道路上への駐輪場の設置や民間事業 者の活用についても検討します。
点在する小規模駐輪場については、駅前再開 発 事 業 の 中 で 駐 輪 場 の 集 約 化 を 検 討 し て い き ます。
⑤自動二輪車用駐車スペースの設置
設置可能な駐輪場内において、自動二輪車用駐車スペースの設置について検討します。ま た、大規模商業事業者に対しても、自動二輪車用駐車場の設置や拡充を働きかけます。
⑥駐輪場の日曜・祝日の活用
利用の少ない日曜日及び祝日には空きスペースがあることから、その活用について検討し ます。
⑦自転車から徒歩への転換の促進
自転車利用の抑制及び歩行空間や駐輪場の確保のため、駅まで徒歩で行くことができる自 転車利用者については、徒歩への転換を促進します。将来的には、駅から一定距離(半径)
写真2 老朽化が進んでいる駐輪場(浦安第1)
(2)新浦安駅周辺
<現状の整理・分析>
新浦安駅周辺では、鉄道軌道周辺や駅前 商業施設建物内などに駐輪場が整備されて いますが、通勤・通学者が使用するための 駐輪台数は概ね充足している状況です。
今後は、新町を中心とした人口の増加に 伴う駐輪需要の増加が見込まれますが、将 来の駐輪需要予測に対しても現在の収容能 力で充足できる見込みとなっています。
現状の課題としては、特定の駐輪場に人 気が集中しており、駐輪場間の収容率の偏 りの解消や駅周辺の商店街や娯楽施設を利 用する短時間利用者からのニーズへの対応 が求められています。
<方針>
<具体的な施策>
①駐輪場利用者の分散化
駅に近く料金設定が低い駐輪場への偏りが大きい現状の利用状況を分散化するため、駅か らの一定距離(半径)を基準として距離に応じて使用料を見直し、また、駐輪場の立地や設 備状況といった便益性に応じて料金設定を見直します。
定期利用と一時利用を併用している駐輪場については全体のバランスを見ながら調整し、
利用区分の見直しについて検討します。
②一時利用駐輪場における無料時間の設定
一時利用駐輪場を短時間利用する方の利便性向上を図るため、一定時間の無料化を進めま す。
写真3 新浦安駅第 13 自転車駐車場(マーレ内)外観
① 駐輪場利用者の分散化
② 一時利用駐輪場における無料時間の設定
③ 駐輪場の整備・拡張
④ 自動二輪車用駐車スペースの設置
⑤ 駐輪場の日曜・祝日の活用
⑥ 自転車から徒歩への転換の促進
③駐輪場の整備・拡張
駐輪場の配置見直しによる整備として、鉄道 軌道周辺の隣接地(京葉線複々線用地)の活用 に よ る 駐 輪 場 整 備 や 既 存 駐 輪 場 の 拡 張 を 図 り ます。また、民間事業者による駐輪場の設置に ついても検討します。
④自動二輪車用駐車スペースの設置
設置可能な駐輪場内において、自動二輪車 用駐車スペースの設置について検討します。
また、大規模商業事業者に対しても、自動二 輪車用駐車場の拡充について働きかけます。
⑤駐輪場の日曜・祝日の活用
利用の少ない日曜日及び祝日には空きスペースがあることから、その活用について検討し ます。
⑥自転車から徒歩への転換の促進
自転車利用の抑制及び歩行空間や駐輪場の確保のため、駅まで徒歩で行くことができる自 転車利用者については、徒歩への転換を促進します。将来的には、駅から一定距離(半径)
以上の居住者を優先することも検討し、徒歩への転換を促進します。
写真4 これまでに拡張した駐輪場(新浦安第3)
写真5 原動機付自転車専用の駐輪場(新浦安第 10)