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技能実習全般について意見や感想について、母国語による記入欄を設けたところ、中国は 42 件、ベトナムは 3 件、フィリピンは 11 件、インドネシアは 21 件、タイは 4 件の合計 81件の記入があった。

記入の内容は、技能実習生個人が複数の意見を持っていることを前提として、技能実習を 前向きに評価している意見が 50 件、改善についての意見が 25 件、要望に関する意見が 14 件に分類される。

前向きな意見としては、「また日本に行きたい、働きたい」「日本での生活や仕事を通じて 学ぶことが出来た」「日本の文化や日本人の国民性に触れることが出来てよかった」「技能実 習に参加できてよかった、有難う」などであった。

一方、改善については、「賃金が少ない」「仕事がつらい」「作業環境を良くしてほしい」

といった労働条件や作業環境にたいする内容、「日本語が難しい」「日本人が嫌いになった」

など環境や文化の違いに対する内容、「保証金の内訳がわからない」「説明なく書類に署名さ せられた」といった保証金手続きに関する内容であった。

また、要望については、単独での記入と肯定的意見や否定的意見に加えて記入されている ものがあり、その内容は、「受入れ企業や条件についての事前説明不足を改善してほしい」「監 理団体は技能実習生との面談機会をしっかりもってほしい」、「事前研修や技能実習の内容を しっかり伝えてほしい」、「実習期間を延ばしてほしい」、「帰国後の就労の道を開いてほしい」

などであった。

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第Ⅱ部

帰国技能実習生フォローアップ調査

(インタビュー調査結果:中国、ベトナム、フィリピン、

        インドネシア、タイ)

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第7章  調査の概要 

1.調査趣旨

日本で2年以上の技能実習を終え帰国した技能実習生に対して、技能実習と技能習得の状 況、帰国後の就職状況、職位の変化、日本で習得した技術、技能、知識の活用状況について 把握することを目的に、2014年10月から2015年2 月の期間でアンケート調査を実施した。

アンケート調査では、総計578票の有効回答を得ることができたが、本調査研究ではアンケ ート調査で有効回答を行った者の中からインタビュー調査に協力してもよいと回答した帰国 技能実習生のうち、調査日程や調査地域等の関係で対応可能な者についてインタビューを行 った。

2.調査名

帰国技能実習生フォローアップ調査(インタビュー調査)

3.調査対象

(1)調査対象国

アンケート調査を行った中国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイの5か国。

(2)調査対象者

アンケート調査でインタビュー調査への協力を承諾した帰国技能実習生に対して、日本か ら再度電話で依頼を行い、協力への承諾を確約した調査対象各国の合計41名を対象とした。

国別の人数内訳は以下の通りである。

中国(①大連、瀋陽、威海、済南、泰安、済寧、北京等各都市9名、②鎮江、泰州、蘇 州、上海等各都市10名)19名

ベトナム(ハノイ3名 ホーチミン5名)8名 フィリピン(セブ島)5名

インドネシア(バンドン)3名

タイ(ナコーンラチャシマー県、ウドンタニ県等)6名

4.調査期間

下記の調査期間で現地インタビュー調査を行った。

(1)中国 ①2015年3月4日(水)から13日(金)の10日間 ②2015年3月15日(日)から21日(土)の7日間

(2)ベトナム 2015年3月23日(月)から29日(日)の7日間

(3)フィリピン 2015年3月6日(金)から9日(月)の4日間

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(4)インドネシア 2015年3月21日(土)から26日(木)の6日間

(5)タイ 2015年3月12日(水)から17日(火)の6日間

5.調査の方法

調査方法は、原則的に対面インタビュー形式で行い、原稿作成にあたり、必要に応じて電 話インタビュー等による補足を行った。具体的方法は以下の通りであった。

(1)インタビュー形式は、原則的に1名ずつの対面により行った。

(2)インタビューの言語は、通訳を介して対応者の母国語で行った。

(3)インタビュー時間は、1時間から1時間30分程度。

(4)インタビューの実施場所は、各対象国にインタビュー実施者が出向き、各国の調査 対象者が所在する都市の指定の場所に、インタビュー対応者に来所を願うか、インタビ ュー実施者が対応者の指定する場所(企業や工業団地等)に出向いた。インタビューの 実施場所の選定は、インタビュー対応者と電話連絡等を行い、事前に相談して決めた。

(5)インタビュー対応者には謝礼を贈呈した。

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