〈治療方針〉
丁寧に 手掌軽擦法
揉捏法(母指、把握、鋸切状)
・補助的に、大腿部内側、外側、後側の筋群にも施術
〈鍼灸〉
・膝OA・・・・・・梁丘、血海、犢鼻、委中、曲泉、鶴頂、膝眼 その他膝周囲の圧痛点
・運動性膝関節痛・・・・・・膝OAの穴に加え、
大腿四頭筋、脛骨外側部等の圧痛点 ・滑液包炎 ・・・・・・各滑液包部(教科書 p.92 図 2−2−15)
長距離歩行等 → 経筋、経脈を労損 → 気血の運行阻滞 長期に渡り膝に負担
・痹証
外邪の侵襲 → 経路阻滞 → 気血の運行不良 ・行痹(風痹)
・痛痹(寒痹)
・着痹(湿痹)
・熱痹
・挫傷
打 撲 → 軟部組織の損傷 圧 迫
〈治療方針〉
・労 損 行気活血(気血の流れを促し、経筋の改善をはかる)
舒筋通路(筋緊張の緩解、経絡の循り改善)
・痹 証 ・行痹(風痹)・・・・・・血行改善、去風 ・痛痹(寒痹)・・・・・・温経散寒、去風去湿
・着痹(湿痹)・・・・・・去湿通路(脾胃の機能改善をすることにより、湿を除去)
去風
・熱痹・・・・・・・・・・・・・・清熱利湿、去風活血 ・挫傷 活血化瘀 消腫止痛
〈処方例〉
膝周囲の穴
足三里、犢鼻、梁丘、陽陵泉 足の陽関、陰陵泉、膝関
曲泉、陰谷、委陽、委中、浮郄 など
膝痛
東洋医学的
・労損
膝
痛
右膝を検査する場合,検者の右手で右 足の外側部をもち内旋しつつ台より浮か せ,検者の左手は膝の外側にあて母指を 腓骨頭後方にあて,外反力と下腿の内旋 力を加えつつ,膝を屈曲 90°位から徐々に 伸ばしていく。陽性の場合 40°から 20°の 間で突然瞬発的にガクッと下腿が内旋か つ前方へすべるのが視診また触診で認め られ(不安定性陽性),患者は不安感(恐 しい感じ)を覚える.(Nakajima,H.,et al.
による)。
①変形性膝関節症(膝OA:Knee Osteo Aathiritis) 原因 膝関節の退行性変化→関節軟骨の摩耗 → ・骨の増殖性変化
・半月板の変形、摩耗、断裂 ・靱帯の過緊張、変形、弛緩 ・関節包の肥厚、滑膜の炎症
・大腿四頭筋の萎縮 etc. (♀:♂=3:1)
症状 ・中年以後の肥満した女性に多い・・・女性は筋肉が弱い、膝が安定しない ・歩行痛、正座痛、和式トイレにしゃがめない
・階段昇降時痛(特に降りるとき)・・・脛骨にあたる ・動作開始時痛(立ち上がり痛、歩行開始時痛) ・自発痛・・・・・・膝蓋骨下部〜膝内側(関節裂隙)
・圧痛・・・・・・・・ 〃 、膝窩部 他覚的所見 ・ 関節腫脹
・ 膝蓋跳動(← 浸出液)
・ 膝蓋骨圧迫テスト・・・動かして痛ければ陽性
・ 内・外反試験(← 内側に痛み)、ステインマンテスト、マクマレーテスト ・ (進行すれば)内反変形(O脚)・・・内側に痛み
大腿四頭筋萎縮(→ 大腿周径)
②運動性膝関節痛
a.ジャンパー膝(跳躍膝)・・・・・・膝蓋靱帯炎 原因 膝関節の過使用→膝蓋靱帯、膝蓋骨の障害
膝蓋靱帯の膝蓋骨付近にかかる牽引力→靱帯の膠原繊維の小断裂 ジャンプ・ランニングの着地時のショック 一番負担がかかる → 大腿四頭筋→膝蓋骨→膝蓋靱帯→脛骨粗面へ伝わる
症状・膝蓋骨下端に限局される疼痛、圧痛(ゆっくり進行:初期に気付かないことが多い) ・自発痛、運動痛
・腫脹、軋轢音(握あく雪音せつおん) ※ジャンパー膝になりやすい素因 ・膝蓋骨の過移動性
・外反膝 ・O脚、X脚
・オスグッド・シュラッター病 Osgood−Schlatter(成長痛)
・脛骨粗面に存在する骨端核にかかる機械的牽引力
・活発な発育期(10〜15歳)の男子に多い → 運動時に増悪 ・スポーツ等により膝伸展の繰り返し→牽引力働く
24)膝 痛
B.適応となるもの
ジャンパー膝と機序が同じだが身長が 伸びる時、脛骨粗面に負荷がかかる。
(サッカー少年)
→膝蓋骨遠位端 → 膝蓋靱帯 → 脛骨粗面が弱点 → 疼痛
●
→ 内反
側副 靱帯
← 外反
これが痛い
b.ランニング膝
中年以上、ジョギングをやっている人 →膝に過度の負担
→膝の鈍痛
・ 年齢的に膝OAが合併
・ ランニングが膝OAを発症させる引き金 c.平泳ぎ膝
平泳ぎのキック→下腿が外旋 →内側側副靱帯に過度の緊張 →膝関節内側に痛み
圧痛・・・・・・内側側副靱帯 外反試験→ 膝内側に痛み d.腸脛靱帯炎
(腸脛靱帯・・・・・・上前腸骨棘→脛骨外側窩)
過度のランニング
→ 腸脛靱帯が大腿骨外側顆と摩擦 → 膝関節外側部の腸脛靱帯に沿って圧痛 *検査・・・・・・ グラスピングテスト(+)
25)運動麻痺
中枢神経麻痺 抹消神経麻痺
障害部位 大脳皮質〜内包、脳幹、脊髄 〜脊髄前角細胞の前まで
脊髄前角細胞〜抹消部
麻痺の性質 痙性 弛緩性
筋萎縮 少ない 著明
深部反射 亢進 減退 or 消失
病的反射 出現 なし
A.注意を要するもの
①中枢神経麻痺症状があるもので、診断が未確定のもの
②発症時、重篤な経過(意識障害等)があり、時間を経ていないもの→ ・脳外傷 ・脳血管障害
③麻痺の程度、範囲の拡大が進行性 → ・ 中枢神経腫瘍 ・ 運動ニューロン障害
④筋萎縮、麻痺程度の強いもの → 重度の抹消神経障害
B.適応となるもの
①脳血管障害後遺症(片麻痺) ←医師の診断を受けてから
・脳内出血 ・原因の多くは高血圧(脳内細動脈の動脈瘤破裂) ・頭痛(頭が割れる様な)、悪心を伴わない ・数時間以内に局所神経徴候
・脳梗塞 脳血栓 ・原因・・・糖尿病、脂尿病、脂質代謝異常、血液凝固能亢進 ・アテローム硬化に伴う脳動脈の血栓
・緩除で階段状に進展
脳栓塞 ・原因・・・心疾患(弁膜症、心筋梗塞、心房細動) ・血流中の血栓、空気、脂肪、腫瘍等が脳血管を閉塞 →局所神経徴候突発、数分以内に完成
・くも膜下出血 ・原因・・・・・・脳動脈瘤が圧倒的に多い、
脳血管奇形、高血圧性脳動脈硬化疾患 ・突発性の激しい頭痛
・その他・・・・・・ 脳外傷、脳腫瘍 etc.
〈症状〉
・後遺症 ・マン・ウェルニッケ肢位・・・・・一側性の上下肢の運動麻痺(痙性)
上肢:屈曲、下肢:下垂足、歩行:ぶんまわし ・失行、失認、失語症(左脳出血 → 右半身麻痺)
・精神症状・・・・・・おこり中風、泣き中風
運動麻痺
〈原因〉 上腕部 ・上腕骨骨幹部骨折 骨片による神経麻痺
徒手整復時に、骨折部に挟み込まれる ・筋肉注射
・肩関節脱臼 ・切創
・長時間の圧迫(Honemoon palsy,Saturday night palsy) 肘部 ・上腕骨顆上骨折
・職業(肘屈曲位持続)
〈症状〉 ・ 下垂手、落下手・・・・・・(手根伸筋群、総指伸筋、長母指伸筋の麻痺) → 橈骨手根関節の背屈 不能
手指MPの伸展 不能 母指伸展 不能 ・知覚障害 ・ 母指
・ 示指背側 b)正中神経麻痺
〈原因〉 上腕、前腕部・・・切創(ガラス、ナイフ)、骨折、胸郭出口症候群 手関節部・・・ ・ 切創(含、自殺のためらい傷)
・ 手根滑液包腫脹 ・ 関節リウマチ ape hand ・ 末端肥大症 etc.
〈症状〉 ・ 猿手 ・母指、小指対立運動低下 ・母指球筋隆起の萎縮 ・橈側手根屈筋が障害 → 尺側手根屈筋の過作用
→ 手関節屈曲すると尺側に引かれる ・ 知覚障害・・・・・・ Ⅰ〜Ⅲ指掌側(特に抹消部)
・ 発汗障害、カウザルギー(灼熱感)・・・交感神経が多く含まれるため ・ 検査・・・・・・ チネル徴候、 パーフェクト 0
ティアードロップ型 c)尺骨神経麻痺
〈原因〉 ・上腕、前腕部・・・・・・ 骨折、外傷、切創 ・手関節部 ・・・・・・ 切創、関節リウマチ ・ガングリオン等による圧迫
〈症状〉 ・ 鷲 手(奪略手態、カギ爪様手、clow hand) ・・・・・・末節骨屈曲(虫様筋麻痺→総指伸筋優位) ・知覚障害 ・・・・・・ V指全体及びⅣ指尺側
運動麻痺
②抹消神経麻痺 a)橈骨神経麻痺
*橈骨神経・・・・・・構造上、外傷や圧迫による麻痺を起こしやすい
d)総腓骨神経麻痺
〈原因〉腓骨頭部付近の圧迫
・ギプス、骨折後の仮骨形成 ・腫瘍 etc.
〈症状〉 ・ 下垂足 → 鶏歩(前脛骨筋、長趾伸筋、腓骨筋等の麻痺)
・ 内反尖足 (← 後脛骨筋の過作用)
・ 知覚障害・・・・・・ 下腿前外側〜Ⅱ趾中足骨周辺 e)脛骨神経麻痺
*腓骨神経に比べ、麻痺頻度は少ない(膝窩、下腿の深部にある為、損傷は稀)
〈原因〉膝関節脱臼等による損傷
〈症状〉 ・ 外反鉤足 → 踵足、鷲足
腓腹筋、ヒラメ筋等の麻痺+足底の筋の麻痺 →拮抗筋(総腓骨神経)の過作用
→足関節背屈、外反(踵足) ・ 足弓・・・低下、消失
知覚障害・・・・・・ 足、外果〜足背外側、足底部
運動麻痺
A)脳血管障害後遺症(片麻痺)
〈治療方針〉
・脳循環の改善
・麻痺神経及び、麻痺筋への刺激→ 痙性麻痺の緩解 進行の防止
〈按マ指〉
・発病1〜2週間位から機能回復と平行して行う
(早期に治療開始する程、筋萎縮を防ぎ、麻痺の回復も早める)
①全身施術(麻痺側を中心に)
* 高血圧が原因でも、血流を降下させる目的の施術は行わない 脳内の血流を悪化させることは禁物
軽擦法・・・・・・・・・初期には軽擦法を多く施術 揉捏法 段階的に刺激量を増加させる 圧迫法
叩打法
②関節部
目的・・・・・・関節拘縮の緩解
・関節周囲の組織への施術
・他動運動、自動運動法
③併用療法
・温熱療法・・・・・・温泉療法、ホットパック
・電気療法・・・・・・低周波
・水治療法・・・・・・ハバート・タンク
・運動療法
*「中風三年」・・・・・・3年経過すると再発の可能性ある ・脂肪食の過食を避ける
・減塩食
・野菜、果実を多く摂る ・十分な睡眠
〈鍼灸〉
天柱、曲池、合谷 伏兎、足の三里、委中
運動麻痺
麻痺が起きてる場所
・障害部神経、麻痺筋の血行改善
・筋、神経機能の促進
*筋萎縮の予防の為、早期よりの施術開始が効果的
〈按マ指〉
・麻痺した神経の支配下にある筋肉・・・・・・収縮能力を呼び起こす
・拮抗筋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・拘縮、短縮防止の為の施術と他動運動 軽擦法
揉捏法 *特に軽擦法を中心に施術 圧迫法
叩打法
a.橈骨神経麻痺 b.正中神経麻痺 c.尺骨神経麻痺 筋 肉 総指伸筋 長橈側手根伸筋
腕橈骨筋
橈側手根屈筋 長掌筋
尺側手根屈筋
経 穴 曲池、合谷 手三里 郄門 内関 少海 神門
補装具
Cook−up splint
(手関節背屈位保持)
Long opponens splint
(手関節固定、
母指対立位保持)
Knuckle bender
(MP関節屈曲補助)
d.総腓骨神経麻痺 e.脛骨神経麻痺 筋 肉 前脛骨筋 長趾伸筋
長、短腓骨筋
腓腹筋 ヒラメ筋 経 穴 陽陵泉 懸鐘 承山 承筋 補装具 底屈制限スプリント
足関節背屈足吊り
〈併用療法〉
・温熱療法・・・・・・ ホットパック 癒着防止 パラフィン浴 瘢痕形成防止 渦流浴 循環改善
・電気療法・・・・・・低周波通電(筋萎縮防止)
〈治療体操〉
・初 期・・・・・・・・・・・・・・・他動運動(関節拘縮、筋萎縮防止)
・筋力回復につれ・・・・・・・介助運動〜自動運動〜抵抗運動(筋力の増強図る)
*下肢・・・・・・・肋木につかまって、しやがむ、立ち上がる等 (四頭筋、腸腰筋等強化)
B)末梢神経麻痺
運動麻痺〈治療方針〉
痿・・・・・・四肢に力なく、運動障害のあること 関節弛緩して意のままにならないこと 躄へき・・・・・・下肢が萎えること、軟弱で力ないこと 実証
肺熱
温邪(熱毒)→肺、津液損傷 → 皮毛、筋脈を栄養できない
湿熱
湿邪→長期間除去されない→熱化→湿熱→筋を傷る
辛いもの、甘いもの→脾胃熱→津液損傷→筋脈を栄養できない
筋が弛緩して戻らない 虚証
脾胃虚弱
脾胃の機能低下 → 気血の生成不足 → 筋脈、肌肉栄養されない
肝腎陰虚
老化、久病 → 肝腎陰虚 → 血不足 房事過多
〈治療方針〉
上肢、下肢の経絡気血の疏通はかる(疏通経絡)
筋肉、骨の栄養改善 (筋骨濡養)
*主に手足陽明経穴を取穴
〈処方例〉
上肢・・・・・・肩髃、曲池、手三里、外関、陽谿、合谷等 下肢・・・・・・髀関、環跳、伏兎、梁丘、足三里、解谿等 肺 熱・・・・・尺沢、肺兪 (清熱、生津を図る)
温 熱・・・・・陰陵泉、脾兪、内庭 (清熱、利湿を図る)
脾胃虚弱・・・脾兪、胃兪、太白 (健脾益気を図る)
肝腎陰虚・・・肝兪、腎兪 (肝腎の精気補う)
懸鐘(髄会)
陽陵泉(筋会) (筋骨の改善)
*中風七穴「類経図翼」(患側)・・・・・・百会、肩井、曲池、足三里、風池、間使、大椎 「明堂灸経」(健側)・・・・・・百会、肩井、曲池、足三里、曲鬢、風市、懸鐘
*頭皮鍼、醒脳開竅法
東洋医学的
素問「痿論篇」……痿証 痿躄へき、四肢不用、四肢不挙
運動麻痺
いざり
痿
証