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教訓 2 ― 主の方法の簡潔さ

V. 身に付けるように努める特質 信仰箇条第 13 条 は,わたしたちはどの

3. 聖約を守ることは,救い主と天の御 父に対するわたしたちの愛を身をもって

示すことです。

わたしたちはさらに励んで聖約を守ら なければなりませんが,その理由の中で 何よりも人の心を強く動かすのは愛です。

愛の原則について考えるとき,心を打たれ る聖句が旧約聖書にあります。聖書に書 かれたヤコブとラケルの愛の物語に感動 しない人がいるでしょうか。「こうして,

ヤコブは七年の間ラケルのために働いた が,彼女を愛したので,ただ数日のように 思われた。」21姉妹の皆さん,わたしたち はこのような深く献身的な愛をもって聖約 を守っているでしょうか。

救い主は御父と交わした聖約を進んで 守り,世の罪を贖うために神聖な使命を 果たされましたが,それはなぜでしょう か。それは御父への愛とわたしたちへの 愛のためです。独り子である完全な御子 が,世の罪と苦悩,病,弱さ,および現世 のあらゆる不正を背負うために,筆舌に尽 くし難い苦痛に耐えられるままにしておく のを,御父が快く良しとされたのはなぜで しょうか。その答えは次の聖句にありま す。「神はそのひとり子を賜たまわったほどに,

この世を愛して下さった。」22

「わたしたちのためになされた贖いに よって多くの祝福がもたらされたことを十 分に理解していれば,主が何をお求めに なろうと,わたしたちは精魂を込め,喜ん で果たそうと思うようになるに違いありま せん。」23ジョセフ・フィールディング・ス ミス大管長のこの言葉によると,聖約を 守ることはわたしたちの救い主,贖い主の 人知を超えた無窮の贖罪に対する崇すうけい

の念と,天の御父に対する心からの愛を 表す一つの方法なのです。

ホランド長老は感情を込めて言いまし た。「裁きの日にわたしたちがどのような 経験をするのか,わたしには分かりませ ん。しかし,その日,神とのやり取りのど こかで『わたしを愛するか』とキリストが ペテロにお尋ねになったのとまったく同じ 質問を,神がお聞きにならないとすれば,

わたしはとても驚くことでしょう。」24今晩 わたしたち各自は,自分がどれほど救い 主を愛しているか,自己評価をしてみると よいでしょう。その際に,どれほど大きな 喜びをもって聖約を守っているかを評価 の手がかりにしてください。救い主はこう 言われました。「わたしのいましめを心に いだいてこれを守る者は,わたしを愛する 者である。わたしを愛する者は,わたし の父に愛されるであろう。わたしもその人 を愛し,その人にわたし自身をあらわすで あろう。」25わたしたちは皆,日々の生活の 中で何度も救い主に御自身を現していた だく必要が大いにあると言えるでしょう。

忘れないようにしましょう。過去におい て道を外れた人でも,あるいは現在,悩み 苦しんでいる人でも,良い羊飼いの手を頭 の上に感じ,その御こえがこう言うのが聞こ えます。「さあおいで。あなたはもうつなが れてはいない。自由なのです。」救い主は 言われました。「わたしはよい羊ひつじかいである。

よい羊飼は,羊のために命を捨てる。」26 主がそう言えるのは愛の心で聖約をお守 りになったからです。わたしたちもそうし ていこうとしているでしょうか。信仰と喜 びに満ちた心で,聖約を守る者になりたい という大きな望みをもって前進できますよ うに。これは,天の御父と救い主に対す る愛を身をもって示す方法です。御二方 について深い愛をもって証します。イエ ス・キリストの御により,アーメン。■

1. D・トッド・クリストファーソン「君は自由だ」

『リアホナ』2013年 3月号,16 - 18 参照 2. ジェフリー・R・ホランド「聖約を守る 伝道

に出ようとする人たちへのメッセージ」『リア ホナ』2012年 1月号,49

3. 「神と交 わす聖 約を 理 解 する」『リアホナ』

2012年 7月号,23 参照

4. 「み旨のまま行かん」『賛美歌』172 番,強調 付加

5. 1 ニーファイ 14:14 6. ヨハネ 13:35

7. ルーシー・マック・スミスの言葉,『わたしの王 国の娘─扶助協会の歴史と業』25 で引用 8. モーサヤ 27:14 ,強調付加

9. 教義と聖約 18:13

10. ヘンリー・B・アイリング「霊的な備え─早 くから始め,絶えず積み重ねる」『リアホナ』

2005年 11月号,37 - 40 参照

11. リチャード・G・スコット「平安に満ちた家庭 を築くために」『リアホナ』2013年 5月号,30 12. D・トッド・クリストファーソン「福音は人生の 問題と困難に答えを与える」(世界指導者訓練 集会,2012年 2月)LDS.org/broadcasts 参照 13. ダリン・H・オークス「良いこと,より良いこ

と,最も良いこと」『リアホナ』2007年 11月 号,104 参照

14. トーマス・S・モンソン「幸福 ─すべての人 の願い」『リアホナ』1996年 3月号,4 - 5 15. 2 ニーファイ 5:27

16. アルマ 50:23 17. アルマ 50:22 18. モーサヤ 18:11 19. 教義と聖約 84:38

20. ヘンリー・B・アイリング「神の証人」『リアホ ナ』1997年 1月号,35 参照,強調付加 21. 創世 29:20

22. ヨハネ 3:16

23. ジョセフ・フィールディング・スミス, Impor-tance of the Sacrament Meeting,” Relief Society Magazine,1943年 10月号,592 24. ジェフリー・R・ホランド「いちばん大切な,第

一のいましめ」『リアホナ』2012年 11月号,84 25. ヨハネ 14:21

26. ヨハネ 10:11

ました。彼がバプテスマを受けたときに 交わした聖約を思い起こさせ,モーサヤ 書 18章に書かれたアルマの言葉を引用し ました。

「あなたがたは神の羊の群れに入って,

神の民と呼ばれたいと願っており,重荷が 軽くなるように,互いに重荷を負い合うこ とを望み,

また,悲しむ者とともに悲しみ,慰めの 要る者を慰めることを望み,…… 永遠の 命を得られるように,いつでも,どのよう なことについても,どのような所にいても,

死に至るまでも神の証人になることを望 んでいる。

あなたがたが心からこれを望んでいる のであれば,主からますます豊かに御たま を注いでいただけるように,主に仕えて主 の戒めを守るという聖約を主と交わした 証拠として,主の御によってバプテスマ を受けるのに何の差し支えがあろうか。」1 わたしはアルマの教えをポーターに説 明しました。バプテスマを受けたいと思う 人は,ほかの人に仕えることによって,生 涯にわたり,喜んで主に仕える必要がある のです。わたしはこう言いました。「自分 では気づかなかったかもしれないけど,あ なたがひいおばあちゃんに愛と関心を示 したことは,聖約を守るということなのよ。

人に親切にする,愛を示す,互いに思いや るなどの行いを通して,わたしたちは毎日 聖約を守っているのよ。聖約を守ってい るあなたを誇りに思っていることを伝えた かったの。バプテスマを受けたときに交 わした聖約を守るとき,神権を受ける備え ができるわ。バプテスマの次に交わすこ の聖約により,ほかの人々を祝福して奉仕 を行う機会が増えて,神殿で交わす聖約 に備える助けとなるのよ。こんなに良い 模範をわたしに示してくれてありがとう。

聖約を守る人がどんな人かを教えてくれ てありがとう。」

ポーターから返事が来ました。「おば あちゃん,メッセージをありがとう。いつ もひいおばあちゃんを抱きしめるとき,そ りました。彼女の腕に自分の腕をからま

せていることもありました。手にやさしく 触れたり,ちょっと抱きしめたり,隣に立っ ていることもありました。

その経験から数日間,そのときの光景 が頭から離れませんでした。ポーターに Eメールを送り,自分が目にしたことを伝 えようという思いに駆られました。わたし が見たことや感じたことを Eメールに書き 中央扶助協会会長会第一顧問

キャロル・M・スティーブンズ

たしの義理の父が亡くなったと き,お悔やみに来てくれた人た ちにあいさつをするために,家 族が集まりました。その晩は家族や友人 たちと話し合って過ごしましたが,その間 しばしば,10歳の孫息子のポーターがわ たしの義理の母,つまりポーターのひいお ばあちゃんのそばにいるのに気づきまし た。後ろに立って,見守っていることもあ

わたしたちが喜ぶべき もっともな理由が

あります

皆さんが小さな簡単な方法で,人々を愛し,見守り,仕えるときに,

積極的に救いの業に参加しているのです。

ポーター(右)。曾そう祖母とともに

れが聖約を守ることになってるなんて知ら なかった。でも心の中が温かくなって,い い気持ちがしたよ。心の中に聖霊がいた んだね。」

わたしも心の中が温かくなりました。

ポーターが聖約を守るということを,「い つも御子の御霊を受けられる」という約 束と関連づけて理解したのが分かったの です。2それは聖霊の賜たまものを受けることに よって可能となる約束です。

姉妹の皆さん,わたしは世界各地の皆 さんと会い,多くの方々がポーターに似て いると気づきました。皆さんは神の証人 として静かに立ち,悲しむ者とともに悲し み,慰めの要る者を慰めています。それ が皆さんの聖約,すなわち,バプテスマの 水と神殿の中で交わした聖約を守ってい ることだとは気づいていないのです。皆 さんがほかの人を愛し,見守り,ささやか で簡単な方法で奉仕するとき,救いの業,

すなわち「人の不死不滅と永遠の命をも たらす」という神の業に積極的に参加し ているのです。3

王国における娘として4,わたしたちは 神聖な聖約を交わしています。ニーファイ が「永遠の命に至る細くて狭い道」と呼 んだ道を歩んでいるのです。5道は同じで も,皆それぞれ異なる場所にいます。し かし,「キリストを確固として信じ,完全な 希望の輝きを持ち,神とすべての人を愛し て力強く進」むように互いに助け合うため にともに働くことができるのです。6

ジーンは若い女性のアドバイザーを務 めています。数か月前,ワードの青少年の ための活動が近々行われることを知りま した。マランズピークという所まで山登り をするのです。最近ジーンは自分でその 山に登ることを目標に定めていたので,胸 をわくわくさせていました。

登山口に着くと,仲良しのアシュリーが 近づいてきました。ジーンの腕を取って,

一 緒に登ろうと誘 い,こう言 いました。

「わたしはあなたと一緒に行くわ。」そのと き 16歳だったアシュリーは身体がいくら

か不自由なので,あまり早く登れませんで した。そこで,アシュリーとジーンはゆっ くりと歩きました。すると,天の御父の創 造物であるそびえる山頂の岩と周囲に咲 き乱れる花に気づきました。後にジーン はこう述べています。「そのうちに,山頂 まで登るという自分の目標を忘れてしまい ました。目標がすぐに別の種類の冒険に なったからです。山道に沿って目にする 美しいものを発見するという冒険です。

その美しいものの多くは,目指すマランズ ピークに到達することだけを目標としてい たら,見逃していたことでしょう。」

ジーンとアシュリーは歩き続けました が,グループのほかの人たちからかなり遅 れてしまいました。すると,エマが合流し ました。彼女もワードの若い女性です。

歩みを止めて,二人の姉妹と一緒に歩くこ とにしたのです。エマが加わったおかげ で,もっと楽しくなりました。二人に歌を 教え,さらに助けと励ましを与えてくれた のです。ジーンはそのときのことを思い出 してこう述べています。「わたしたちは 座って休憩し,歌い,おしゃべりして笑いま した。わたしはほかの方法ではできな かったやり方で,アシュリーとエマと知り合 うことができました。その晩,心に残った のは登山ではありませんでした。もっと ずっと大きなものでした。一歩一歩歩き ながら互いに助け合うことでした。」

ジーンとアシュリーとエマは一緒に登 り,歌い,休み,笑っていたとき,「ねえ,

わたしたちは今,聖約を守っているわよ」

とはおそらく思ってはいなかったでしょ う。でも実は聖約を守っていたのです。

愛と思いやり,そして固い決意をもって互 いに仕え合っていたのです。互いに励ま し,教え導き合うときに,互いの信仰を強 めていたのです。

ラッセル・M・ネルソン長老はこのよう に教えています。「自分が聖約の子孫で あることを悟るとき,自分が何者であり,

神から何を期待されているかを知ります。

神の律法が心に刻まれます。」7

マリア・クジーナは自分が何者であり,

神から何を期待されているかを知ってい る,神の聖約の娘です。わたしがロシアの オムスクにある彼女の家を訪れて歓迎さ れたとき,自分は彼女に奉仕するために 来たと思っていました。ところが,彼女か ら学ぶために来たのだということに間もな く気づいたのです。教会へ改宗したマリ アはルカ 22 章にある次の教えに従って 生活していました。「あなたが立ち直った ときには,兄弟たちを力づけてやりなさ い。」8彼女は生ける預言者トーマス・S・

モンソン大管長の言葉を信じています。

大管長はこう述べています。

「今こそ会員と宣教師が力を合わせる 時です。ともに働き,主のみもとへ人々を 連れて行くために主のぶどう園で働く時 です。……

わたしたちが主を信じる信仰をもって 行動するとき,わたしたちが生活している ワードや支部で主の教会を強める方法を 主は示してくださいます。主はわたしたち とともにあり,伝道活動において力強い パートナーになってくださるのです。

信仰を働かせて,皆さんの家族,友人,

隣人,知人の中でだれを家に招いて宣教 師に会わせ,回復のメッセージを聞かせ たらよいか,祈りの気持ちで考えてみてく ださい。」9

マリアは,この勧告に従い,家庭訪問の 担当の姉妹たちを見守り,教え導き,また この責任を果たす以上のことをしていま す。教会にあまり活発ではない友人,イエ ス・キリストの回復された福音のメッセー ジをまだ聞いていない友人がたくさんいま す。毎日信仰を働かせ,助けの必要な人 がだれかを分かるように祈っています。そ して,受けた導きに従って行動します。電 話をかけ,愛の気持ちを表し,「あなたが 必要です」と友人たちに言うのです。毎 週自分のアパートで家庭の夕べを開き,隣 人や会員たち,宣教師を招待し,ごちそう します。教会に来るように誘い,出迎え,

来てくれた人の隣に座るのです。

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