第 2 章 BMMD の特性評価実験
2.7 考察
実験結果から,負荷質量が標準分銅のときは fbeatが安定して減衰しながら振 動していることがわかった.
しかしヒトで測定した場合は,fbeat に乱れがみられた.この原因としては,
ヒトで測定したときにブランコのように呼吸を BMMD の振動と合わせてしま ったために振幅が大きくなってしまったことが要因の一つと考えられる.また,
実験結果よりヒトが呼吸をしているときの周期の標準偏差は大きく,安定して いないことがわかった.また図2.6.3,図2.6.15より体質量33.16 [kg]のときに 見られるように呼吸をしている区間で振動が非常に乱れ,周期のばらつきが大 きく標準偏差も非常に大きくなる場合もあった.体質量33.16 [kg]のときの呼吸 をしていないときの周期の標準偏差は 1.856 [ms],呼吸をしているときの周期 の標準偏差は386 [ms]となった.したがって,ヒトで測定する際に安定した振 動を得て周期のばらつきを抑えるためには呼吸を止め測定する必要があると考 えられる.また推定体質量には誤差が平均して約 0.42%程度あった.これはヒ トの心臓の鼓動や僅かな動作が振動に影響を与えてしまったことが原因の一つ として考えられる.
41 第3章 結論
本論文の目的は,1973年にNASA のSkylab 計画で開発された微小重力下で の体質量測定器 (BMMD)の特性評価及びその応用である.まずBMMDに乗せ る負荷質量が無い場合,負荷質量が標準分銅の場合について実験を行い安定し た振動を確認することができた.さらに各標準分銅の質量と平均周期T [s]の関 係から近似式を導出した.
次に BMMD にヒトを乗せて実験を行った.ヒトで実験を行う際に呼吸の影 響によって振動が不安定になることが確認できた.比較的安定した振動を得る ためには呼吸を止める必要性があると考えられる.そこで呼吸を止めた区間で
平均周期T [s]を導出し,標準分銅の実験結果から得られた近似式に代入し体質
量を推定した.誤差が平均して約 0.42%程度生じたものの周期から体質量を推 定できた.
BMMDの特性評価実験の結果からヒトの呼吸がBMMDの振動へ影響を及ぼ すことが確認できた.現在 ISS (国際宇宙ステーション)上で使用されている体 質量測定器は振動から体質量を推定するものである.ただ,体質量を測定する 際に呼吸の有無は重視されていない.ゆえに呼吸の影響が測定結果間に誤差を 生じさせる要因の一つとなるのではないかと考えられる.
42 謝辞
本研究をまとめるにあたり,あたたかい励まし,的確なご指導,ご鞭撻を賜 りました群馬大学大学院理工学府教員の藤井雄作教授,田北啓洋助教,薊知彦 技術職員に深く感謝いたします.また,本実験を行うにあたり,BMMDを譲っ て頂いた開発者でもあり元宇宙飛行士のDr. William Thornton先生,多くのアド バイスを頂いた宇宙航空研究開発機構JAXAの嶋田和人様には多大な協力を賜 りました.
また,論文の審査をしていただいた,主査の群馬大学大学院理工学府教員の 山口誉夫教授,副査の群馬大学大学院理工学府教員の太田直哉教授に深く感謝 いたします.
そして,研究室の皆さんとは共に支えあい,大きな心の支えとなりました.こ れらの方々,また,本研究に関わっていただいたすべての方々に深く感謝いた します.ありがとうございました.
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参考文献及び参考資料
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