quantization
6.5 考察
本手法は,第3 章から第5 章までの全てのアプローチを組み合わせたものであ る.それぞれの弱点を補い効率的に探索することができ,大きな変動があるため に探索が困難であった幾何変換を探索の対象とすることを可能とした.しかしな がら,ここでは音の場合のみ扱ったが,映像の場合のように変動のパラメータが さらに多くなると,さらに処理が複雑になり実装が困難になることが予想される.
また,変動パラメータに基づいて生成特徴を計算するときの誤差にも注意を払わ なければならない.特に,距離の近い特徴間で計算された変動パラメータを用い て距離の遠い特徴の生成に利用するときは,誤差を含むため誤差を考慮した探索 が必要となる.
また,探索速度は,縮退生成を行わない5.4節の探索速度と比べて大幅に低下し ている.これは,探索空間が時刻に加えて幾何変換パラメータが導入されたこと と,縮退特徴の表現のダ イナミックレンジが小さいために,探索の枝刈りの効果 が小さいためであると考えられる.本実験では,特徴の組から計算される不変量 を4096に量子化して使用したが,同一の不変量を持つ特徴が多く存在したため,
探索コストがかかってしまったと考えられる.
6.6 まとめ
本章では,目的信号と蓄積信号の間の幾何学的変動を考慮して探索する手法を 提案した.本手法は,信号から頑健な特徴を抽出し ,複数の特徴間の相対的な関 係を記述した縮退特徴を求め,同一の縮退特徴を持つ目的信号と蓄積信号の箇所 を特定し ,目的信号と蓄積信号の間の幾何学的変動パラメータを求め,その変動 パラメータに基づいて蓄積信号を幾何変換し目的信号と照合するものである.本
手法を用いて,音響信号を伸縮させた音の断片を 8.3 時間の蓄積信号のど の時刻 に対応するかを調べる課題について実験を行ったところ,幾何変換を行わなかっ た場合に 11.8%であった探索精度が 77.2%にまで改善し,本手法の有効性が確認 された.
本手法は,第3 章から第5 章までの全てのアプローチを組み合わせたものであ る.それぞれの弱点を補い効率的に探索することができ,大きな変動があるため に探索が困難であった幾何変換を探索の対象とすることを可能とした.しかしな がら,ここでは音の場合のみ扱ったが,映像の場合のように変動のパラメータが さらに多くなると,さらに処理が複雑になり実装が困難になることが予想される.
また,変動パラメータに基づいて生成特徴を計算するときの誤差にも注意を払わ なければならない.特に,距離の近い特徴間で計算された変動パラメータを用い て距離の遠い特徴の生成に利用するときは,誤差を含むため誤差を考慮した探索 が必要となる.
図 6.7: 処理の手順
図 6.8: スパースな特徴選択の例
図 6.9: 第二の基本特徴の選択