第 6 章 評価 25
6.1.3 考察
ゆらぎ係数の出力結果に対し考察を行う。どちらの出力結果も入力画像の内容に対し概ね 合致する結果を出力できた。しかしながら「明らかに自然的な景観」と「明らかに人工的」な 景観という極端な条件設定を考えると、「ある程度自然」「ある程度人工的」のような中間領 域に該当する画像が多くなってしまったのはよい動作とはいえなかった。しかしこれらは判 定アルゴリズムの閾値の再設定により改善することができるものと思われる。
またこの中で行われる緑視率による景観中の「緑」の量の判定であるが、人間が「緑」が存 在すると判断できる景観に対してシステムもほとんどの場合緑視率を取得することができた (図6.2)。しかしながら画像中のどの部分を緑と認識しているかをシステムが提示しない限り 人が認識する緑領域との一致を断言することはできないので、人が「緑」と認識する領域を 取得するさらなる手法の確立が望まれる。また露光条件などによって葉の色が青味がかった り黄味がったりするので、時間帯や季節によって提案した閾値の条件では緑領域とみなされ ない場合もあった(図6.3)。これらの知見を踏まえて、評価方法やアルゴリズムの改善を行う。
図6.2:緑視率の認識。左から緑視率56%、緑視率53%
図6.3:緑領域の認識の失敗例。緑視率0.2%と認識
第 7 章 結論
本研究ではまずユビキタス・コンピューティングにおけるコンテクスト・アウェアネスの 位置づけを述べ、コンテクストを取得するものとしてのセンサの概念について述べた。また その中でカメラをセンサとして用いた技術はこれまでいくつか存在したが、それらは限定さ れた対象の抽出に限定しているものが多く、景観のような広大な被写体を対象としたセンシ ング技術はこれまであまり存在しなかった点に着目した。そこで本研究ではカメラを景観の 情報を捕らえるセンサとして利用するために、景観評価で用いられるフラクタル解析と緑視 率の分析を用いて景観の情報というコンテクストを取得する手法を開発した。また本手法を 用いるアプリケーションについていくつかの提案を行った。
今後の展望として提案したアプリケーションの実装、また景観からより精度よく多様なコ ンテクストを取得するために研究を重ねていく。またより一般的な画像に対してもコンテク スト取得アルゴリズムが正常に動作するように、景観画像を統計的手法によって自然か人工 的かに分類した画像を用いてコンテクスト取得ツールと作成したアプリケーションの運用・評 価を予定している。
謝辞
本研究を行うに際しまして、丁寧な指導と多大なる助言を与えてくださった指導教員の田 中二郎教授に心より感謝し、お礼申し上げます。そして、チームの担当教員である高橋伸講 師を始め、同研究室である三末和男准教授、志築文太郎講師にも数多くのアドバイスを頂き ました。この場を借りてお礼申し上げます。
また同じ田中研究室のメンバーには研究に関する部分のみならず様々な面でお世話になり ました。本当に有難うございました。
そして最後に、入学当初より現在に至るまで力になってくださった家族、友人、サークル のメンバーにも心より感謝申し上げます。有難うございました。
参考文献
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