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考察及び結論

ドキュメント内 50 mg 10% 2.6.6 (ページ 41-45)

経口単回投与によるラットの概略の致死量は、雌雄ともに1880 mg/kgより大きく、

雌性カニクイザルでは469 mg/kgより大きいと推定された。静脈内投与による雄性マ ウスのLD50値は、188 mg/kgであった。なお、投薬と関連した変化としては、ラット 経口投与で眼瞼下垂が、また本薬の抗菌力による変化として、カニクイザルでは軟便 が一過性に認められたが、遅延毒性を示唆する変化は認められなかった。マウス静脈 内投与では自発運動低下、呼吸抑制、横臥、痙攣、腹部着床、挙尾、腹式呼吸および 眼瞼下垂が認められたが、生存例ではいずれも投与後2時間には回復した。

経口4週間反復投与では、ラットにおいて188 mg/kg/day以上で腎病変を伴わない 尿中薬物様結晶および大腿骨遠位端における自然発生骨軟骨症病変の増強が認めら れ、無毒性量は46.9 mg/kg/dayであった。カニクイザルでは、93.8 mg/kg/dayの1例 に精細管内精細胞の減少が認められ、無毒性量は28.1 mg/kg/dayであった。ラット経 口13週間反復投与では、80 mg/kg/day以上で腎病変を伴わない尿中薬物様結晶およ び大腿骨遠位端に自然発生骨軟骨症病変の増強が認められ、無毒性量は20 mg/kg/day であった。カニクイザル経口52週間反復投与では、62.5 mg/kg/dayで血清リン脂質の 軽度増加が認められたが、投与終了13週間で回復した。無毒性量は25 mg/kg/dayで あった。反復投与によりラットおよびカニクイザルいずれにおいても消化器症状とし て下痢および軟便が認められた。これらは、抗菌薬を投与したときに認められる一般 的な変化であり、腸内細菌叢の変化による腸粘膜からの水分吸収の抑制に起因すると 考えられている(2.4.6参考文献一覧8参照)。さらに、無菌マウスにシタフロキサシ ンを投与した試験で、盲腸拡張、下痢および軟便が認められなかった(2.6.3.4 安全 性薬理試験参照)ことから、下痢および軟便は本薬による消化管粘膜への直接的な作 用ではないと結論した。腎病変を伴わない尿中薬物様結晶は、他のニューキノロン系 抗菌薬を投与したときにも生じ、その原因として、尿と外気あるいはガラス面との接 触、温度あるいはpHの変化などが考えられており(2.4.6参考文献一覧9〜12参照)、 本薬の場合も他のニューキノロン系抗菌薬と同様に採尿後に生じたことが示唆され た。尿中薬物様結晶はサルの経口および静脈内反復投与試験では確認されておらず、

臨床試験でも確認されていない。また、ラットに経口反復投与したときに、大腿骨遠 位端における自然発生性骨軟骨症病変(成長期関節軟骨の菲薄化遅延)の増強が認め られた。この骨軟骨症病変は、オフロキサシンおよびナリジクス酸でも惹起され(2.4.6 参考文献一覧21参照)、またロメフロキサシンでも類似の病変(2.4.6参考文献一覧 22参照)が報告されており、ラット特有の病変と思われる。以上のことから、関節 毒性に関してシタフロキサシンも既存ニューキノロン系抗菌薬と同様の毒性プロフ ァイルを有するものと考えられた。

なお、経口反復投与試験でラットの無毒性量は20 mg/kg/day、カニクイザルの無毒 性量は25 mg/kg/dayであり、いずれも、ヒト臨床用量(200 mg/50 kg/day)の約5倍 の安全域が確保されている。一方、血清中薬物濃度で比較すると、カニクイザルの無

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毒性量におけるCmaxは、ヒトで100 mg投与時の約5.4倍に相当する。従って、動物 で認められた変化が臨床で起こる可能性は低いと考えられた。また、投薬に関連した 全ての変化は、回復性が示されている。

細菌を用いる復帰突然変異試験および突然変異誘発頻度試験は、いずれも陰性であ った。In vitro染色体異常試験(125 µg/mL以上)およびマウスリンフォーマTK試験

(75 µg/mL以上)においては陽性であったが、経口および静脈内投与によるマウス 小核試験、ラット不定期DNA合成試験および経口投与によるマウス優性致死試験は 陰性であり、生体内でシタフロキサシンが遺伝毒性を示す可能性は低いと推察された。

またこれら試験成績は、レボフロキサシン(2.4.6参考文献一覧13参照)と同様であ ることから、臨床で遺伝毒性が生じる可能性は低いと考えられた。

なお、シタフロキサシンはE. coli WP2uvrA/pKM101を用いた復帰突然変異試験で は陽性であった。この現象は既存の5種のニューキノロン系抗菌薬でも同様に認めら れた。また、変異原物質に対する感受性において本菌株との類似性が明らかにされて いるSalmonella typhimurium TA102(2.4.6参考文献一覧14参照)で、8種のニューキ ノロン系抗菌薬がSOS反応の誘発により変異原性を示すことが報告されている

(2.4.6参考文献一覧15参照)。しかしながら、SOS反応に関与する分子の構造が大 きく異なることから、原核細胞での結果を真核細胞にあてはめることは難しく(2.4.6 参考文献一覧16参照)、ニューキノロン系抗菌薬の遺伝毒性評価には、ほ乳類の細胞 を用いる試験系が適している(2.4.6参考文献一覧17参照)。本薬については、マウ スリンフォーマTK試験をほ乳類の培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験として実 施したが、代謝活性化の有無にかかわらず、37.5 µg/mLでその作用は認められなかっ た。この濃度は、臨床1日最大用量200 mg/manで得られた血清中濃度のCmax 1.86 µg/mL(n = 6)の約20倍に相当する〔2.7.2.2.2.1.2単回投与(ステップ1~4)(血清中

濃度) 表2.7.2.2-1参照〕ことから、臨床において本薬の遺伝子突然変異誘発作用が

問題となる可能性はほとんどないものと考えられた。

ラット妊娠前および妊娠初期投与試験では、投薬に起因する変化は雌雄親動物およ び胎児に認められず、無毒性量は188 mg/kg/dayであった。ラット胎児器官形成期投 与試験では母動物に対する毒性は認められず、一般毒性および生殖毒性に関する無毒

性量は1000 mg/kg/dayであった。胎児においては、催奇形作用は認められなかったが、

100 mg/kg/day以上で体重減少を伴う骨化遅延が認められた。また出生児においては、

100 mg/kg/day以上で体重増加抑制が認められ、胎児および出生児に対する無毒性量

は10 mg/kg/dayであった。ウサギ胎児器官形成期投与試験では、母動物において、2

mg/kg/day以上で流産動物数の増加が認められ、一般毒性および生殖毒性に関する無

毒性量は、0.4 mg/kg/dayであった。胎児において、10 mg/kg/dayで13肋骨形成の増 加が認められ、無毒性量は2 mg/kg/dayであった。なお、流産動物数の増加は、抗菌 薬のウサギ催奇形性試験でしばしば認められる変化であり、他のニューキノロン系抗 菌薬(フレロキサシンおよびロメフロキサシン)においても報告されている(2.4.6

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参考文献一覧 18、19参照)。その原因として、抗菌薬投与による腸内細菌叢の菌交代 現象に伴う一般状態の悪化が考えられている。さらに、妊娠ウサギの胎児器官形成期 に給餌制限すると流産が起こりやすいことが報告されている (2.4.6参考文献一覧20 参照)ことから、本試験で認められた流産は、投薬による著しい摂餌抑制の結果発現

したものと推察された。ラット周産期および授乳期投与試験では、母動物に対する毒 性は認められず、一般毒性および生殖毒性に関する無毒性量は 1000mg/kg/dayであっ た。出生児においては、 1000mg/kg/dayで授乳期間中の生存率に低下傾向が認められ、

無毒性量は 100mg/kg/dayであった。以上の成績から、ウサギ、を除き生殖発生に対す るシタフロキサシンの影響は小さいと考えられた。

シタフロキサシンは、マウスのIgE抗体産生系においてアレルギー誘発性を示した が、免疫原性は示さず、また、モルモットの全身性アナフィラキシ一反応および受身 皮膚アナフィラキシ一反応誘発性は陰性であった。モルモットマキシマイゼーション 試験において、比較対照のトロバフロキサシンは非常に強い抗原性を示したが、シタ フロキサシンでは弱かった (2/30例に弱陽性)。ヒトでは、これまでに安全性が確認 されているレボフロキサシンとシタフロキサシンの比較対照試験において、アレルギ ー性副作用の発現頻度に明らかな差は認められなかった(2.7.41.1.1.1有害事象発現 状 況 表2.7.4.2.1.1‑1参照)。従って、シタフロキサシンが臨床で高率にアレルギー性 副作用を惹起する可能性は低いと考えられた。

不純物(類縁物質)の毒性試験では、マウス静脈内単回投与で、 類縁物質μ 類縁物質B牢、類縁物質C卒、類縁物質D牢 および 類縁物質E牢のLD50値は、シタフロキサシンと ほぼ同等であった。一方、類縁物質Hは約6倍、 類縁物質G牢 は約4倍、およ び 類縁物質取は約6倍、シタフロキサシンよりも単回投与毒性が強かった。しかし、

これらの含有量はいずれも 0.1%以下であることから、シタフロキサシンの毒性への 影響はないものと思われた。さらに、シタフロキサシンとこれらの類縁物質を添加し た原薬(規格値以上を添加、 2.3.8.3.2.2不 純 物 一 覧 表2.3.8.3‑8参照)のラット経口2 週間反復投与試験では、両者の聞で、毒性に差がなかったことから、類縁物質はシタフ

ロキサシンの毒性に影響を及ぼさないものと考えられた。遺伝毒性に関して、類縁物 質添加原薬はシタフロキサシンと同様に復帰突然変異試験では陰性、染色体異常試験 では陽性、マウス小核試験では陰性であった。なお、染色体異常試験において、類縁 物質添加原薬 (12種類の類縁物質を添加したシタフロキサシン)は、非添加シタフ ロキサシンよりも強い染色体異常誘発作用を示したことから、各被験物質の染色体異 常の無毒性量を求める試験、さらに個々の類縁物質(類縁物質μ、類縁物質B卒、類縁物質C牢、

類縁物質I、卒 類縁物質G牢 、類縁物質E卒 、類縁物質由 、類縁物質J牢、類縁物質h 、類縁物質L1、 類縁物質Mヰおよび類縁物質f*)をシタフロキサシンにそれぞれ添加した混合物の染色体異 常試験および E.coli WP2uvrA/pKMI0lを用いた復帰突然変異試験を実施した。その 結果、シタフロキサシンの染色体異常誘発性を増強させる類縁物質として、類縁物質μ

および類縁物質Cキが疑われた。しかし、マウス小核試験で用いたロットの両物質の含

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