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第 4 章 動作検証 19

4.3 考察

 雪が物体モデルに対し付着していく様子が表現でき、素材や温度を考慮するこ とにより雪が物体モデルに対し付着しやすいかどうかを考慮できる手法であるこ とが分かった。また、付着後の雪の見た目に関しては、周囲の温度を感じ取れる ようなリアリティのある印象を得ることができる効果的な表現手法であることが 分かった。

 しかし、本手法には次のような問題点も見られた。まず、空気の流れが考慮さ れていないことにより不自然な付着が起こることである。空気の流れを完全にシ ミュレートしていないために、物体モデルの動きによる物体モデル周りの空気の 流れが表現できず、物体モデルの周りへ雪が回り込むような動きができないため、

面に向かって垂直に風が吹いた場合など、雪が面に押し付けられてしまい、強制 的にその場に付着してしまうということが起こった。空気の流れを考慮すること ができれば、より自然な雪の付着が可能になると思われる。もう一つの問題点と して、本手法を長時間実行し続け、付着が連続し続けると、最終的に物体モデル が真っ白になってしまうということがある。本手法ではテクスチャにα値を加算 し続けるだけで雪の厚みを表現しているため、α値が最大値である255に到達した 場合は、それ以上描画に変化が起こらなくなってしまう。そのため、透明度を用 いた雪の表現以外にも、雪の表現を行う手法を併せて使用することにより、この 問題を回避する必要がある。

 以上のように、本手法は効果的な表現ができる反面、課題が残っているのが現 状である。

5 まとめ

 本手法を用いることにより、物体モデルの素材や温度変化を考慮した判定を利 用したリアルな雪の付着の様子が表現でき、テクスチャ表現によりリアルな付着 後の雪の表現できることができた。本手法をリアルタイム3DCGコンテンツにお けるキャラクターモデルや背景モデルに対して実装することにより、雪の場面で の臨場感を向上させることができると期待できる。また、今後の展望として、物体 モデルの動きや、雪自身の重みにより剥がれ落ちる雪を表現できれば、よりリア ルな雪の表現手法としての効果が期待できる。現状では課題も残っているが、そ れらの問題を解決することにより、雪を表現する非常に有効な手法となるだろう。

謝辞

 本研究を締めくくるにあたり、暖かいご指導と適切な助言をくださいました、本 校メディア学部の渡辺大地講師および和田篤氏(電気通信大学)に心より感謝い たします。また、いつも気軽に相談にのってくれた全ての友人たちに感謝します。

そして、温かく見守ってくれた家族に感謝します。

 最後に、本研究にご協力いただきました全ての方々に、厚くお礼を申し上げます。

参考文献

[1] 大場喜文, ”ボリュームデータを用いた積雪形状形成に関する研究”, 東京工科 大学, 2003.

[2] 森木大樹, ”雪の不規則な動きを考慮した積雪のリアルタイムモデリング”, 和 歌山大学大学院, 2003. 

[3] Hakan Haglund, Mattias Andersson, and Anders Hast, ”Snow Accumulation in Real-Time”, University of Gavle, 2002.  

[4] 北海道大学 高井研究室, ”時間経過を考慮した都市空間の雪景色CG表現に関 する研究”,北海道大学. 

[5] 安藤大志, ”リアルタイム3DCGにおける風を考慮した降雪表現に関する研究”, 東京工科大学, 2004.  

[6] 日本雪氷学会, 「雪氷辞典」,古今書院, 1990.

[7] 木下誠一編, 「雪と氷のはなし」, 技報堂出版, 1988.  

[8] 武 田 温 友, 「 パ ン プ キ ン ラ ン ド サ ロ マ 」, 雪 の 結 晶 の ペ ー ジ,

< http://www.muratasystem.or.jp/~takeda/ >. 

[9] 小林禎作著,「雪の結晶 − 冬のエフェメラル」, 北海道大学図書刊行会, 1983.

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