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まず昼間における分布図では、磁気赤道付近において落雷数が極端に少ない、落雷強度 が極端に高い、季節による変化があまり見られないなどの問題が見られた。これは、通常 昼間では夜間に比べて電離層における電子密度が高いので、電離層の透過係数も高くなり、

衛星の観測結果の補正が夜間に比べ荒い事や、雷のものではない電磁波を衛星が観測して いる事が原因であると考えられる。

図5.4~5.6の分布図を見ると、ELF帯においては内陸部、VLF帯においては沿岸部を中 心に雷活動が活発であることが分かる。さらに、図5.15の比を見ると、北米やオーストラ リアを中心とした内陸部の領域ではELF帯における電磁波強度がVLF帯の2倍以上とな っており、東南アジアやカリブ海を中心とした沿岸部の領域ではその真逆の結果になって いる事が分かる。したがって、内陸部では電荷モーメントの高い雷、沿岸部ではピーク電 流の高い雷が活発であると考えられる。また図5.2の分布図の結果において、極域付近の頻 度が異常に大きいという問題が見られた。これはグリッド内のイベント数をグリッド面積 で割ったものを発生頻度としているためであると考えられる。

図5.7~5.14のヒストグラムから比較し、最も活発な領域についてまとめたものを以下に 示す。

表6.1 : 2種類の雷が最も活発な領域

月 電荷モーメントの大きな雷 (ELF帯) ピーク電流の大きな雷 (VLF帯) 3~5 北米、カリブ海 中央アフリカ、東南アジア

6~8 北米、アジア 北米、カリブ海

9~11 北米、南アフリカ カリブ海、南アフリカ

12~1 南アフリカ、オーストラリア 南アフリカ、東南アジア

この表から、北米やオーストラリアにおいては電荷モーメントの大きな雷、カリブ海や東 南アジアではピーク電流の大きな雷が卓越して発生していることが分かる。これは、前述 の内陸部、沿岸部それぞれにおける雷の特徴とも一致している。また、月変化により落雷 の活発な領域が北半球から南半球へと空間的に移動していることが分かる。

図 5.16~5.19 の電磁界スペクトルおよび時間波形を見ると、スプライトの発生時刻±1 秒以内の範囲で電磁界がともに大きくなっている事が分かる。スプライトの発生地点と衛 星位置の緯度経度差が±20°以内である事も考慮すると、これらの電磁界の変化がスプライ トを伴う雷によってもたらされたものであると考えられる。また、VLF帯よりもELF帯に おいて電磁界の変化量が大きくなっている事から、スプライトの発生が落雷の電荷モーメ ントに深く関係しているといえる。次に図5.20, 5.21のヒストグラムを見ると、このスプラ イトが全球雷の中でも非常に大きな電磁波強度を持つ雷に伴って発生していると考えられ る。またこの図から、スプライトを伴う雷の電磁波強度が 6 年間にわたって観測された雷

37 のうちのわずか数%の雷しか持たない事が分かる。

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第 7 章 まとめ

 内陸部で発生する雷は電荷モーメント、沿岸部で発生する雷はピーク電流の大きな雷 が活発

 北米およびマダガスカルでは電荷モーメント・ピーク電流ともに大きな雷が活発

 オーストラリアでは電荷モーメント、東南アジアではピーク電流の大きな雷が一年を 通して活発

 DEMETER衛星によってスプライトを伴う雷の観測が可能

 スプライトは電荷モーメントの大きな雷の中でも非常に大きな電磁波強度を持つ雷に 伴って発生する

以上のことが確認できた一方で、

 昼間における観測で正確な結果が得られなかった

 落雷の発生頻度の図において極域付近の頻度が異常に大きい

 本来、通年雷活動が活発であるはずのアフリカや南米で、雷活動が観測されない季節 があった

などの問題が見られた。

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