第1章 中国における聴覚障害幼児に指導する名詞
第6節 考察
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があると考えられる。そのためには抽象語の指導方法についても検討される必要があり、こ の点については本論文の後半で扱っている。
3 中国と日本における指導する名詞の比較
中国と日本における指導する名詞を比較するため、Table 4-6の日本における聾学校幼稚 部の語彙表から抽出した名詞をTable 4-4を参考にし、分類した。なお、中国では「数量」
について調査しなかったため、Table 4-6の名詞種類「数」と「助数詞」は分析しなかった。
そして、名詞種類別の中国と日本の聾学校幼稚部では指導する名詞の数およびその名詞数 が当該国の名詞総数に占める割合をTable 4-7とFig. 4-2に示す。
Table 4-7 中国と日本における聾学校幼稚部の指導する名詞および割合
種 類 中 国 日 本
具 象 語
食料・薬品 70(15.9%) 109(17.2%)
動物 58(13.2%) 84(13.2%)
学習・遊び玩具 35( 7.9%) 60( 9.3%) 生活用品 48(10.9%) 50( 8.5%)
人 33( 7.5%) 30( 4.7%)
衣料品 33( 7.5%) 24( 3.3%)
身体 27( 6.1%) 48( 7.6%)
乗り物 17( 3.9%) 14( 2.2%)
施設・場所 15( 3.4%) 41( 6.5%)
植物 13( 2.9%) 29( 4.6%)
自然 11( 2.5%) 13( 2.1%)
抽 象 語
物象・気象 28( 6.3%) 28( 4.4%) 時間・空間 26( 5.9%) 55( 8.7%) 娯楽・習俗 19( 4.3%) 45( 7.1%) 創作・学習 8( 1.8%) 4( 0.6%)
計 441( 100%) 634( 100%)
※ ( ) 外の数字は名詞数
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Fig. 4-2によれば、中国と日本の聾学校幼稚部とも指導する名詞について、「食料・薬品」、
「動物」と「生活用品」類の割合が一番高く、「乗り物」、「自然」と「創作・学習」類の割 合が低かった。「人」、「衣料品」、「施設・場所」、「時間・空間」、「娯楽・習俗」の5種 類は、中国と日本の指導割合の差は大きかったが、その他の種類では中国と日本の差は小さ かった。
「人」と「衣料品」類について、中国の割合が日本より高かった。中国では家族・親類の 呼びかけ方が日本より複雑であるため、教える名詞の数の割合も高かったと考えられる。例 え、日本では父方側のおじいちゃんと母方側のおじいちゃんの呼びかけ方は同じだが、中国 では違う呼びかけ方となる。中国の調査対象校は北方から南方、最低気温-25℃のところか ら最高気温 35℃のところまであるため、「衣料品」の中にいろんな種類の服装などが指導 している。例え、綿入れの服装など。
「施設・場所」、「時間・空間」と「娯楽・習俗」類について、日本の割合が中国より高か った。日本の聾学校幼稚部では校外見学、店屋さんごっこ遊びなどの活動が多いため、「施 設・場所」類のことばを多く教えていると考えられる。日本の「時間・空間」類では、曜日 (月曜日~日曜日)と日付(ついたち~とおか)を表す名詞が中国(曜日と日の2語だけ)より 多いため、指導割合が高かったと考えられる。「娯楽・習俗」では、日本は遊びの名前が数 多くあったため、中国より割合が高かったと考えられる。
Fig. 4-2 中国と日本の聾学校幼稚部では指導する名詞15種類の割合
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
16.0%
18.0%
20.0%
食 料
・ 薬 品
動 物 学
習
・ 遊 び 玩 具
生 活 用品
人 衣 料 品
身 体 乗
り 物
施 設
・ 場 所
植 物 自
然 物 象
・ 気 象
時 間
・ 空 間
娯 楽
・ 習 俗
創 作
・ 学 習
具象語 抽象語
中国
日本
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