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1)北部地区医師会病院 2)名桜大学人間健康学部看護学科

て専門職9名(13.6%)、自営業6名(9.1%)、公 務員6名(9.1%)であった。

 母親の職業では約95%が職業婦人で、パートタイ ム・アルバイトが25名(37.9%)と最も多く、続い て会社員15名(22.7%)、専門職9名(13.6%)、公 務員7名(10.6%)、自営業4名(6.1%)、専業主 婦3名(4.5%)であった。

 子ども数の平均値は2.1人(1人~4人)で、「2 人」

29世帯(43.9%)

「1人」

19世帯(28.7%)

「3人」

10世帯(15.1%)「4人」8世帯(12.1%)という順

であった。

2.父親の家事参加について

 家事の参加については、「参加している」62名

(95.3%)「参加していない」3名(4.6%)の順となっ ていた。家事に参加していると答えた父親の家事参 加理由(複数回答含む)としては、「協力するのは 当然」27名(39.7%)「妻だけでは大変そう」22名

(32.2%)「役割分担をしている」8名(11.7%)「妻 に言われている」6名(8.8%)、「時間に余裕がある」

4名(5.9%)であった。図1で示す通り、家事に 参加している父親の家事内容は、「食事の後片づけ」

「ゴミだし」「洗濯」を過半数の父親が行っていた。

        3.父親の育児参加について

 育児参加については「参加している」

64名(98.4%)

「参加していない」1名(1.5%)であった。育児に 参加していると答えた父親の育児参加への理由(複 数回答含む)としては、「協力するのは当然」48名

(73.8%)「妻だけでは大変そう」11名(16.9%)「子

どもと一緒にいたい」9名(13.8%)「時間に余裕 がある」4名(6.1%)「その他」3名(4.6%)「妻 に言われている」1名(1.5%)の順であった。図 2で示す通り、育児に参加している父親の育児内容 は、「一緒に遊ぶ」「お風呂に入れる」「保育園の送迎」

が約8割から9割と多かった。

4.夫婦の話し合いについて

 「家事・育児について夫婦で話し合うか」では、「話 し合う」が58名(87.8%)「話し合わない」が8名

(12.1%)であった。「家族計画について話し合うか」

では、「話し合う」が52名(80.0%)、「話し合わない」

が13名(20.0%)であった。

 「今以上に家事・育児に参加したいと思っている か」では、「思う」53名(82.8%)、「思わない」11 名(17.1%)であった。

図1 家事に参加している父親の家事内容    (複数回答) n= 62

6.4%

43.5%

50.0%

50.0%

54.8%

62.9%

64.5%

その他 食事の準備 掃除 買い物 洗濯 ゴミだし 食事の後片付け

図 2 育児に参加している父親の育児内容

(複数回答)n= 65

6.3%

60.3%

60.3%

63.4%

69.8%

71.4%

76.1%

80.9%

87.3%

90.4%

その他 ミルク・ごはんをあげる 寝かしつける 病気の時に面倒を見る ほめる・叱る オムツ交換・トイレ 着替え 保育園の送迎 お風呂に入れる 一緒に遊ぶ

図3 あなたの考える父親または夫としての 役割について(複数回答) n= 66

6.0%

33.3%

43.9%

53.0%

54.5%

56.0%

68.1%

71.2%

74.2%

その他 家庭における決定を行う 家庭内の家事を行う 妻の話し相手になる

(直接的な)育児支援 家庭を見守る 子どものしつけを行う 妻のよき理解者となる 仕事で収入を得る

5.父親役割について

 家族が増える際に父親としての役割調整を考え るかでは、64名の回答数から、「考えている」59名

(92.1%)「考えたことがない」5名(7.8%)であった。

 図3で示す通り、「あなたの考える父親または夫 としての役割について」は、「仕事で収入を得る」「妻 のよき理解者となる」「子どものしつけを行う」が 約6割以上と多かった。

Ⅴ 考 察

1.父親の家事・育児参加について

 新しい家族が増える際、父親は家族の役割調整を 考えていると答えたのが9割もいた。これは、子ど もの誕生により家族の喜びと同時に、母親の負担を 軽減させたいという父親の役割責任を自覚するから だと思われる。佐々木2)は妻への愛情が強い男性 ほど、父親としての実感や喜び、良い父親になれる という自信が高く、妻へのいたわりが夫婦関係や父 親の自信にも影響していると考えている。これらか らも、家庭での父親の家事・育児への参加が、重要 な役割を担うと考える。

 橘ら3)によると、炊事や洗濯という家事行動や、

食事・排泄などの日常的な世話は手間がかかるの で、あまりかかわろうとしない父親が多いと述べて いる。本研究結果では、家事・育児に対して「協力 するのは当然」と考え、家事行動の炊事や洗濯、育 児行動の食事や排泄などの日常的な役割も6割以上 の父親が参加していた。また、約8割の父親が「今 以上に家事・育児に参加したい」と思っていること がわかった。

2.家事・育児に対する父親の役割意識

 「家事・育児について、夫婦で話し合っている」「家 族計画について夫婦で話し合っている」と答えた父 親がいずれとも約8割おり、夫婦間でのコミュニ ケーションが取れており、妻との良好な関係性がう かがわれた。

 小葉ら4)によると、夫の家事育児参加の協力が 高まることで「子供がもう一人欲しい」と答える母 親の確立が高まると述べている。B市の保育園2

施設での子どもの平均人数は2.1人と出生率が高く なっているが、これは、父親の家事・育児参加の割 合が高いか、家族計画について夫婦で話し合ってい るからか、と推測される。一方、十代の妊産婦が多 いという地域でもあることからも一概に言えない。

 父親または夫としての役割としては「仕事で収入 を得る」「妻のよき理解者となる」「子どものしつけ を行う」「家庭を見守る」「(直接的な)育児支援」「妻 の話し相手になる」という内容を多くの父親が役割 として考えていた。

 本研究の結果では、B市では父親が家事・育児に 対して高い意識を持って参加していると考えられ る。しかし、調査施設が保育園ということから、母 親のほとんどが何らかの職業を持っており、共働き で父親が家事・育児に参加しないといけない状況で あるかもしれない。

 今後、保育園の施設だけでなく、専業主婦等の父 親の家事・育児参加についても偏りなく調査をして いく必要があると考える。

Ⅵ 結 論

 B市内の認可保育2施設において、9割以上の父 親が家事・育児へ積極的に参加しており、父親の家 事・育児への意識の高さや妻との良好な関係性がう かがわれた。 

 本研究の調査結果は、父親への保健指導や教室の 中で、新米の父親や家事や育児にどのように関わっ たらいいのか悩んでいる父親、また、夫にどのよう な家事や育児をしてもらいたいか考えている妻に対 して、指導内容の一助となると考えられる。

引用文献 

1)沖縄県福祉保健部保健所:平成22年度福祉保健 所活動概況

2)佐々木裕子:初めて親となる男性の父親役割適

応に影響する要因、母性衛生、第50巻2号、413-421、2009年

3)橘千恵、中村絵里子、中島夕美、石田貞代、萩 原結花:夫の育児家事参加の特徴と子どもへの愛 着、夫婦関係満足度との関連-妻との比較-、母

性衛生、第49巻1号、65-73、2008年

4)小葉武史、安岡匡也、浦川邦夫:夫の家事育

児参加と出生率、神戸大学経済学研究科、1-18、

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