• 検索結果がありません。

統計性について

6. シンプルなイベント生成とそれに連動した詳細分析

6.1. トラフィックの安定性

6.1.8. 統計性について

図 26 のトラフィックで、通信量の多い時間帯と少ない時間帯で支配的なN の安定性につ いて比較検討した。

図 32 は図 26 と同じデータで、通信量の多い時間帯(1分間あたりのパケット数が 1000 以上)となるケースを10個選択し、それぞれの支配的なNの変化を示したものである。

図 31 もおなじく支配的なN の変化を示しているが、おなじく図 26 と同じデータに対し て通信量の少ない時間帯(1分間あたりのパケット数が1000未満)となるケースを10 個 選択している。

通信量が多い時間帯の方が、明らかに支配的なNの変動が抑制されており、安定性が高い ことがわかる。両者の違いは、安定性に基づく分析には一定以上の通信量が必要である。

図 31 通信量の少ない時間帯(各スロットのパケット数が1000pkt未満)の安定性

図 32 通信量の多い時間帯(各スロットのパケット数が1000pkt以上)の安定性 上記の結果から、時間駆動のスロット化方式はネットワークの利用状況によって観測され る安定度に大きな違いをもたらすことがわかる。このことは規模の小さなネットワークほ ど顕著になる。

一方で同様な傾向は一定のパケット数を前提するパケット駆動のスロット化方式でも確認 できる。パケット駆動方式では時間に関する情報が含まれないため、極端なケースでは通

信がほとんど発生しないとき、適切な統計的特性を示さない。図 33と図 34に、小規模ネ ットワークと大規模ネットワークに対してパケット駆動によるスロット化方式を適用した 場合の各スロットにおける支配的なN をそれぞれ示す。図 33 は図 26 のデータに対応し ており、ネットワークの利用量が少ない前半部分においては支配的なNが大きく変化して いる。それに対し、常にある程度の量のトラフィックが流れている大規模ネットワークで は全体的に支配的なNの変化は小さい。このことから、パケット駆動の場合であっても最 低限のトラフィック量は必要となることがわかる。すなわち、一定時間内に発生するパケ ット数をパケットの時間密度と考えると、一定以上のパケット密度がなければ安定性が議 論できない。

図 33 小規模ネットワークの時間帯による支配的Nの変化(スロットサイズ30,000pkts)

図 34 大規模ネットワークの時間帯による支配的Nの変化(スロットサイズ30,000pkts)