本論文の最後に,今後の課題を述べ,その後本研究をまとめる.
7.1 今後の課題
本章では今後の課題として,シミュレーションとGOMASHIOの機能の拡張に分け て述べる.
7.1.1 シミュレーション
シミュレーションにおける今後の課題として,移動するノード に対する評価と評価 項目の増加を挙げる.
移動するノード に対する評価
今回のシミュレーションは静止しているセンサノードを対象に評価を行った.しかし,
センサノードは実際には移動する場合がある.移動には二種類存在し,センサノードに 車輪などの移動装置があり自律的に移動するものと,風や雨などの環境の影響によって 意図せずして移動してしまうものがある.GOMASHIOを利用するセンサネットワー クとしては,後者の移動が想定される.センサノードが移動する場合に,GOMASHIO によって位置の特定を実行する場合の問題点を明確にし ,移動するノード への対応を 目指す.
測定項目の増加
本論文で説明したシミュレータは位置情報の取得部分のみの実装であり,評価は位 置情報の精度を中心に行った.今後は,シミュレータにノード の電力消費量や,計算量 を測定する機能を組み込み,センサネットワークに適した位置情報特定方式を実現す るためのシミュレーションを行う.また,時間軸を評価項目に追加し ,すべてのノー ドが位置を見積もるようになるまでの時間等を測定し ,アプ リケーションに対する指
標として提供したい.
7.1.2 GOMASHIO の機能拡張
GOMASHIOによって特定する位置の精度を向上するために必要な事項として,可
変的な無線電波の到達範囲への対応が挙げられる.孤立ノード は,無線電波の出力電 力を増加して電波の到達範囲を拡大する動作が考えられる.
また,見積もる位置の精度を向上するために,条件付きで信号強度を利用して距離 を測定する方法を採用する.条件とは,信号強度の大きな値が取得できる場合である.
信号強度は実際よりも小さい値が取得される可能性が非常に大きいため信頼できない が,大きい場合にはそのかのうせいが小さくなるため信頼性が増す.
7.2 まとめ
本論文では,はじめにセンサネットワークにおける位置情報の必要性を述べた.セ ンサネットワークでは,センサノード のハード ウェアの制約などにより,位置情報の 取得は容易ではない.このような制約下においてセンサノードが位置情報を取得する ために,GOMASHIOを提案した.
GOMASHIOは,位置情報取得デバイスを持つGOMAノード からの情報を利用し
てSHIO
ノードが位置を特定するための,無線を利用した位置特定手法である.GO-MASHIOではGOMAノード の位置とGOMAノード からのホップカウントを利用し
て位置情報の取得を実現する.
加えて,GOMASHIOのシミュレータを実装し,評価としてGOMASHIOによって 取得される位置情報の精度の評価および,GOMASHIOで取得した位置情報の誤差の 指標の評価を行った.
シュミレーションの結果より,GOMASHIOによるセンサノード の位置の特定が可 能である.
謝辞
本研究を進めるにあたり,御指導を頂きました,慶應義塾大学環境情報学部教授徳田 英幸博士に深く感謝致します.
また,貴重な御助言を頂きました慶應義塾大学政策・メデ ィア研究科の西尾信彦博 士に感謝の意を表します.
徳田・村井・楠本・中村・南研究室の方々には,研究会の活動を通じて多くの御意 見,御助言を頂きました.特に徳田研究室の諸先輩方,及び,梅染充男氏,村瀬正名 氏をはじめとするMCng研究グループの諸先輩方には,本論文の執筆にあたって絶え ざ る御指導や励ましを頂きました.ここに深い感謝の意を表します.また,青木俊氏,
大島ひとみ氏,鈴木源太氏,田丸修平氏,守分滋氏の協力と心遣いに感謝致します.
最後に,研究の日々を共に過ごした,権藤俊一氏,斎藤匡人氏その他多くの友人に 深く感謝し ,謝辞と致します.
2001年 1月 31日 岩谷 晶子
参考文献
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