7-1 結論
本研究では汎用超音波装置によるカラーフロー画像を用いたずり弾性波映像法により軟 組織の伝播速度推定を行った。
(1) 寒天ゲルファントムによる伝播速度の推定
ずり弾性波映像法と微小変位計測によるずり弾性波の伝播速度推定値の比較を行った結 果、どちらも近い推定値を示していた。よってずり弾性波映像法によって推定された伝播速 度は信頼に値するものと考えられる。
また、異なる振幅の加振器を用いて同じ加振周波数でずり弾性波再生法による伝播速度 推定を行ったところ、伝播速度の推定値が同様な値を示していたため、振幅条件を満たした 加振であれば、加振器によらず測定ができる。
(2)3層ファントムによる測定
蒟蒻、寒天1.50wt%、寒天1.75wt% を用いて三層の生体模擬ファントムを用いて測定を 行った。このとき加振周波数が276.5[Hz]と458.3[Hz]の2種類の周波数を用いた。
各層について分離して伝播速度の推定ができた。
加振周波数が276.5[Hz]と458.3[Hz]の2種類の場合について、それぞれROI内部を横の ラインで細かく区切って伝播速度の推定を行った結果、458.3[Hz]のほうが層毎の差がはっ きりと現れることがわかった。
(3) 棘上筋での測定
一体型プローブを用いて棘上筋の伝播速度推定を行った結果と ARFI 法で測定した値を 比較した結果、近い値が推定できた。よってずり弾性波映像法により棘上筋の伝播速度推定 が行えたといえる。
(4) ずり弾性波映像法の精度評価
僧坊筋を対象とし、被験者2人に対して、測定者Aが2回、Bが1回の測定を5回行っ た。測定者Aの1回目と2回目について、測定者Aの1回目と測定者Bについて有意差検 定(t検定)を行った。その結果異なる測定舎監において、測定者Aの被験者Aに対して 有意差は無いという結果になった。有意傾向であるという結果についてはずり弾性波の伝 播に異常が見られた。
43 7-2 今後の課題
(1) 加振周波数が高いものを加振源とすれば、分解能の高い画像を得られることが実験 によりわかったが、今回実験を行った加振器の振幅では減衰が大きく生体で測定す るのに十分な振幅が得られていない。そこでより振幅の大きな加振器の製作を行え ば、より分解能の高い部位低が行えるものと考えられる。
(2) 今回健常者においての測定を行い、有意差が無く安定して測定できると判断できた が、今後は棘上筋の断裂が起こっている人に対してや肩こりがひどいとされる人な どで測定を行い、臨床的意義の検証を行う必要がある。
(3) 腓腹筋や甲状腺など他の部位においても測定箇所を展開していくことが目標となる。
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謝辞
本研究を行うにあたり、終始適切なご指導をいただきました群馬大学大学院理工学府理 工学専攻山越芳樹教授に深く感謝申し上げます。また回路設計や測定に日頃から助力を頂 いた砂口助教、遠坂俊明客員教授、永井典夫氏、荻野毅技官に深く感謝申し上げます。さら に研究を共にし、測定装置試作、データ解析にご協力いただきました博士3年 パラジュリ ラジュクマル氏、修士1年 笠原世裕氏、学部4年 増子勝郎氏に感謝申し上げます。最後に 山越研究室での3年間にわたる研究でお世話になった方々に感謝いたします。