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本研究では,CNTにおいて,Junctionという構造欠陥がある場合の熱伝導につい て3〜5章にて古典MDを用いて計算してきた.以下にその結論を示す.

温度制御法の比較として,Langevin 法と Velocity scaling 法を行った.

Temperature Jumpは再現できたが,CNT Junctionにおける熱コンダクタンス の違いが出ることを見た.その原因は phonon 特性の違いや温度制御法によ って両端分子の振動のさせ方が違うことが影響していると思われる.

Junctionにおける熱コンダクタンスKは,そのJunctionを挟む2本のSWNT の螺旋構造に依存し,その2本の径の差が大きくなればなるほどKは減少す る.しかし,径の差自体は不変で2本のSWNTの絶対的サイズが拡大する場 合は,Kが増加し,JunctionでのTemperature Jumpが徐々に見られなくなり,

Junctionという構造欠陥自体をほぼ無視できるという結果を得た.

JunctionのあるSWNTを長くするにあたって,(6,6)-extendが熱伝導の影響を 一番与える結果となった.また,both-extendでは,SWNTが長くなるにつれ てほぼ一定の熱コンダクタンスKをもつため,長さがある程度長くなっても

JunctionがSWNTの熱伝導に与える影響は同じになるという傾向にある.し

かし,本計算では構造欠陥のないSWNTのように明確な熱伝導率の長さ依存 性は見られなかったため,計算する系としてもっと径の差が大きい系を選び,

SWNTを伸ばす,又は縮める長さの間隔を短くし,プロットする点を増やす ことが重要である.

参考文献

1) Kroto, H. W., Heath, J. R., O’Brien, S. C., Curl, R. F., and Smalley, R. E., Nature, 318(1985), 162

2) 飯島澄夫:カーボンナノチューブの挑戦,岩波書店,1999. 3) Iijima, S., and Ichihashi, T., Nature, 363 (1993), 603.

4) Bethune, D. S., Kiang, C. H., de Vries, M. S., Gorman, G., Savoy, R., Vazquez, J., and Beyers, R., Nature, 363 (1993), 605.

5) 齋藤弥八,坂東俊治:カーボンナノチューブの基礎,コロナ社,1998. 6) S. Maruyama, Physica B, 323 (2002), 193-195.

7) S. Maruyama, Micro. Thermophys. Eng., 7-1 (2003), 41-50.

8) 齋藤理一郎,篠原久典:カーボンナノチューブの基礎と応用,培風館,2004. 9) Brenner, D. W., Phys. Rev. B, 42-15 (1990), 9458-9471.

10) Tersoff, J., Phys. Rev. Lett., 56-6 (1986) 632-635.

11) 山口康隆:フラーレン生成機構に関する分子動力学シミュレーション,東京 大学学位論文,1999.

12) Allen, M. P., and Tildesley, D. J., Computer Simulation of Liquids, Oxford University Press, 1987.

13) 岡田勲,大澤映二:分子シミュレーション入門,海文堂,1989.

14) S. Maruyama, “Molecular Dynamics Method for Microscale Heat Transfer,”

Advances in Numerical Heat Transfer, (2000), vol. 2, pp. 189-226.

15) 谷口祐規:カーボンナノチューブの熱伝導に関する分子動力学,修士論文,

2004

16) 丸山茂夫・五十嵐康弘・谷口祐規・澁田靖:単層カーボンナノチューブの接 触熱抵抗,熱工学コンファレンス,2003.

謝辞

丸山研究室に来て1年が経とうとしていますが,御指導して頂いた丸山教授には 本当にお世話になりました.これからのナノチューブ研究の御活躍を祈っています.

私は計算班として,ほぼまったくのゼロからのスタートで1年間丸山研究室に所 属していたわけですが,いろいろな方にお世話になりました.特に計算班で研究内 容の直属の上司であるM2の五十嵐さんやPDの塩見さんにはよくご指導いただき,

とてもお世話になりました.五十嵐さんはさっぱりわからない私にわかりやすく噛 み砕いた説明をしてくださり,塩見さんには研究方針に関して相談によく乗っても らいました.また,研究に関しての私のわかりにくい話をいつも親身になって聞い てくださってありがとうございました.PD 澁田さんや D2 の千足さんには研究内 容以外でもN-graphやアプリケーションの使い方などでお世話になりました.宮内 さんは研究のやりすぎには注意して,お体を大事にしてください.エリックさんは 日本語が本当にお上手で,逆に英語をしゃべっている姿を見ること自体ほとんどあ りませんでした.もっとアメリカの話を聞きたかったです.M2の吉永さんは初め て会ったときとてもクールな印象がありましたが,意外とそうでもなく,お酒好き でおもしろい方だと思いました.M2の枝村さんとは同じ神奈川県で,家が遠いと いう共通点がありました.それなのにいつも遅くまで研究室に残っていたり,とき には泊まったりしていたようで,とても尊敬しています.

また,研究室が同じ部屋ではないということで,PDの山口さんや村上さん,D2 の島田さん,D1の西井さん,M2の石川さん,M1の吉松さん,大場さん,佐藤さ んには接する機会が少なかったわけですが,御世話になりました.村上さんの早い 時間から研究している姿や,西井さんの謙虚な姿を見ていると,これから社会に出 て行く私にとってその姿を見ているだけでいい勉強になりました.吉松さんはよく こちらの部屋に来て,おもしろい話をして楽しませてくれました.やばかったです.

同じ4年生の砂田君,畑尾君,三宅君,松田君とはいろいろと話をしておもしろ かったです.砂田君は旅行が好きなようで,シベリア鉄道の旅を含むヨーロッパ旅 行にはほんとに驚きました.松田君はゲーム好きで,たまにゲーム話をしていたの を覚えています.三宅君は体育会系なのにお酒が飲めないというギャップや物事を けっこうストレートに言う姿がよかったです.畑尾君は言葉遣いがとても丁寧でし た.でもマイペースで,時折見せる落ち着かない姿はおもしろかったです.

また,陰ながら研究室を支えてくださった井上助手や渡辺技官,秘書の初鹿野さ んにも御世話になりました.ありがとうございました.

最後に,この1年間研究室で学んだことをこれから出て行く社会で活かし,がん ばっていきたいと思います.本当にありがとうございました.

付録A 構造の異なるSWNT接続における温度勾配

4章の計算結果として,Velocity scaling法で得られた温度勾配を以下に示す.

–200 0 200

290 300 310

Position z [Å]

Temperature [K]

 

–200 0 200

290 300 310

Position z [Å]

Temperature [K]

a) (5,5)-(6,6) Junction      b) (5,5)-(7,7) Junction

–200 0 200

290 300 310

Position z [Å]

Temperature [K]

 

–200 0 200

290 300 310

Position z[Å]

Temperature [K]

c) (5,5)-(8,8) Junction      d) (5,5)-(10,10) Junction Fig.A-1  (5,5)-( l, l )系の温度勾配

–200 0 200 290

300 310

Position z [Å]

Temperature [K]

 

–200 0 200

290 300 310

Position z[Å]

Temperature [K]

a) (5,5)-(6,6) Junction      b) (6,6)-(7,7) Junction

–200 0 200

290 300 310

Position z[Å]

Temperature [K]

 

–200 0 200

290 300 310

Position z[Å]

Temperature [K]

c) (7,7)-(8,8) Junction      d) (8,8)-(9,9) Junction Fig.A-2  (m,m)-(m+1,m+1)系の温度勾配

付録B 構造の異なるSWNT接続における温度勾配 5章で得られた温度勾配を以下に示す.

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position [Å]

Temperature [K]

 

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position[Å]

Temperature[K]

a) 4466      b) 6666

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position[Å]

Temperature[K]

c) 8866

Fig.B-1  both-extendの温度勾配

–600 –300 0 300 600 290

300 310

Position [Å]

Temperature [K]

 

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position[Å]

Temperature[K]

a) 4466      b) 5466

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position[Å]

Temperature[K]

c) 6466

Fig.B-2  (5,5)-extendの温度勾配

–600 –300 0 300 600 290

300 310

Position [Å]

Temperature [K]

 

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position[]

Temperature[K]

a) 4466      b) 5666

–600 –300 0 300 600

290 300 310

Position[Å]

Temperature[K]

c) 6866

Fig.B-3  (6,6)-extendの温度勾配

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