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 本研究では小流量域における多翼ファンの高静圧化を目的とした 性能改善を行った。

 実験項目として「第2章改善事項と改善の方策に関する検討」を 基に,羽根車幅,中間翼内径,羽根出口角,および羽根長さの影響

について調査した。各羽根車の性能比較は抵抗曲線と特性曲線との 交点,すなわち,作動点における圧力係数の値で行った。実験によ

り得られた結果は以下の通りである。

①羽根車幅の影響

 羽根車幅の影響を調査するために幅の異なる3種類(b2/D2=

0.55,0.41,0.22)の羽根車について実験を行った。

 実験結果において,φ2=0.47以上の大流量域ではb2/D2の大き い羽根車の圧力係数は大きくなるが,逆に,φ2=0.10〜0.35の小流 量域ではb2/D2の大きい羽根車の圧力係数は小さくなる。一方,作 動点においてはb2/D2=0.22の圧力係数が最も大きく,他の2種類 の羽根車幅と比較して約7.5%〜8.7%の差が生じている。

 本実験により,羽根車幅を小さくすることは羽根車の材料費の軽

減,軽量化,および小型化を進めるだけでなく,小流量域での全圧 を高める意味においても有益であることが明らかになった。

②中間翼の影響

 中間翼の影響を調査するためにD1。/D2の変化を0.10とし,中間 翼内径の異なる3種類(D1。/D2=0.70,0.80,0.90)の羽根車につ いて実験を行った。

 実験結果において,φ1=0.30以上の大流量域では3種類の羽根車 の圧力係数はほぼ同じ値を示し,中間翼内径と全圧との間に相関関 係は認められないが,小流量域では圧力係数に若干の差異が認めら れた。一方,作動点にお.いてはD1。/D2=0.80の圧力係数が最も大き

く,中間翼を取り付けていない羽根車(D1。/D2=0.70)と比較して 約3.4%の差が生じている。しかし,さらに中間翼内径をD1。/D2=

0.90と大きくすると逆に圧力係数は低くなることから,中間翼を取 り付ける際には適正な中間翼内径の設定が重要な要因になると考え

られる。

 本実験により,中間翼内径をDl。/D2=0。80に設定することで,

作動点を含めた小流量域においては中間翼を取り付けることの有効 性が認められた。

③出口角(β2)の影響

 出口角の影響を調査するためにβ2の角度変化を2.5.とし,出口 角の異なる4種類(β2=7.5。,10.0。,12.5。,15.0。)の羽根車 について実験を行った。

 実験結果において,φ1=0.30以上の大流量域では出口角を大きく すれば圧力係数は大きくなるが,小流量域では大流量域ほど顕著な 傾向は認められない。一方,作動点においては,β2=10.0。の圧力係 数が最も大きく,他の3種類の出口角と比較して約1.9〜3.9%の差 が生じている。

 本実験により,作動点を含む小流量域においてはβ2=10.ooの羽 根車が他の出口角と比較して大きい圧力係数が得られていることか

ら,β2は約10。に設定するのが適正であると考えられる。

④羽根長さの影響

 羽根長さの影響を調査するためにD1/D2の変化を0.10とし,羽根 車内径の異なる3種類(D1/D2=0.60,0.70,0.80)の羽根車につい て実験を行った。

 実験結果において,φエ=0.35以上の大流量域では内外径比を大き くすれば圧力係数は大きくなるが,小流量域では大流量域ほど顕著 な傾向は認められない。一方,作動点においては,D1/D2=0.70の

羽根車の圧力係数が最も大きく,他の2種類の内外径比と比較して

約2.0〜2.5%の差が生じている。

 本実験により,作動点を含む小流量域においてはD1/D2=0.70の 羽根車が他の内外径比と比較して大きい圧力係数が得られているこ

とから,D1/D2は0.7に設定するのが適正であると考えられる。

⑤最適パラメータの設定

 以上まとめると表5.1,5.2および図5.1に示すようになる。

表5,1 羽根車の諸元(現行羽根車と改良羽根車の比較)

現行の羽根車 改良の羽根車 羽根車幅(b2/D2) 0.55 0.22

中間翼  (D1。/D2) 有(0.80)

出口角  (β2) 16.5。 10.0。

羽根長さ (D1/D2) 0.84 0.70

表5.2 作動点における流量・圧力係数比較(現行,改良羽根車)

現行の羽根車 改良の羽根車 流量係数 φ2 0,142 0,154

圧力係数 ψ 1.84 2.15

3.0

 2.5

 2.0

1 .5

ドキュメント内 多翼ファンの性能改善に関する研究 (ページ 54-58)

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