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結論

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 51-63)

本論文は電流制御系の高性能化と電圧形インバータ駆動誘導電動機ベクト ル制御系の速度制御の改善を行ったもので, 制御対象の数式モデルを必要とし ないI-PD制御ゲインのファジイ・オートチューニング, lYl系列信号を用いた相

相関関数による同定と制御ゲイン決定, パラメータ変動に対してロバスト な2自由度デッドビート制御およびMFS制御の適用について検討を行った。 電 流制御系の検討は, 交流電動機の回転座標系での電流制御に相当する直流'屯 流制御系で、行った。 また, 誘導電動機速度制御系の検討では, マイナループで ある電流制御系の影響が速度制御系に現れないように, 瞬時電流追従方式を 用いた。以上の結果, パワーデバイスのオン電圧やデツドタイム等の数式で表 現しにくい誤差を持つ制御対象に対してファジイ・オートチューニングが有効 であること, 電流制御系のような高速で制御対象に誤差を持つ系でもM系列 信号を用いた相互相関関数により同定が可能であること, 2自由度デツドビー ト制御は時間とともにパラメータが変動して操作量が飽和する制御系でも有 効であること, さらに速度制御系でパラメータ変動に対してMFS制御が有効 であることを立証した。以下に本研究で得られた成果を要約する。

第2章では, 電流制御系のI-PD制御ゲイン決定にファジィ・オートチューニ ングを適用した。 このとき, 制御量のオーバシュートがない場合でも応答が改 善でき, しかも1回のステップ応答から得られる波形情報だけでオートチュー ニングができるように 新たに操作量の特徴量を用いたファジイ・オートチュー ニングによるI-PD制御ゲインの修正法を提案した。 このシミュレーションに より, 従来方式に比べてI-PD制御ゲインの収束が速やかであることを示し,

DSPを用いた電流制御の実機実験により, リアルタイムな数回のチューニン グで適切な制御応答が得られることを示した。 さらに, 従来方式ではチューニ ングが困難であったオーバシュート0%の場合の応答改善も実現した。

第3章では, 電流制御系のM系列信号を用いた相互相関関数による同定と 制御ゲイン決定を行ったo M系列を試験信号として用いて, その長さと異な る個数の重み系列の高速計算法と, 離散時間から連続時間への伝達関数変換,

部分的モデルマッチング法によるI-PD制御ゲイン決定で, 伝達関数を制御J8J 期で正規化して演算時間を短縮できる式を提案した。 この結果, 電流制御シ ステムのオートチューニングが汎用の整数形16ピットCPCで達成でき, 実機

実験とシミュレーション結果を比較して提案方式の有効性を示した。

第4章では, 電流制御系に2自由度デッドビート制御を適用した。 系の線軌 跡およびシミュレーションにより, ゲイン設計時に使用したパラメータが制御 対象と異なるときの挙動を明らかにした。特に, 操作量が飽和したときのシ

ミュレーションと実験により, たとえ操作量が飽和しても, 前章のI-PD制御と 同程度の応答を得ることが可能であることを示した。 その際, 実係数有理関 数形の2個の補償要素を有限なインパルス応答形の3個の補償要素に変換し,

DSPで高速演算するために, デツドビート制御演算をすべて積和形式で表現 した。

第5章では, 目標値応答と外乱抑圧を独立に設計でき, 2自由度制御の 一種 であるMFS速度制御を電圧形インバータ駆動誘導電動機ベクトル制御系に適 用した。 このとき, 微小変動分に対する線形モデルを月]いて求めた恨軌跡に より, 二次抵抗変動やMF'S制御で設定する評価関数の重み係数が系の安定性 に及ぼす影響を検討し, 理論および実験によりMFS制御の有効性を示した。

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謝辞

本論文をまとめるにあたって, 九州大学工学部一般電気工学教宅和出清教 授, 同情報工学教室長田正教授, 同電子工学教室 三宮 保教授, 同電気_L学 教室平j幸宏太郎教授には懇切な御教示ならびに御鞭捷を賜りました。 ここに

謹んで緒先生方に感謝の意を表します。

本研究を遊行するにあたり終始御指導, 御鞭捷を賜りました長崎大学工学 部電気情報工学科山田英二教授ならびに辻峰男助教授に深く感謝の意を去 します。

さらに, 本研究の遂行にあたって御協力戴いた長崎大学工学部電気情報工 学科システム制御学講座の卒業生各位に厚く御礼申し上げます。

なお, 日頃から何かと御指導戴いている長崎大学工学部電気情報工学科の 諸先生方に厚く御礼申しtげます。

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付録A2自由度デッドビートコントローラの設計

2自由度補償法による有限整定なロバスト ・トラッキング系を実現するため に, 文献(34)の設計法を使用する。

図A.l 2自由度デッドビート制御系

凶A.lに示す2自由度デッドビート制御系のブロック線図で, 制御対象G(z)

, 2自由度補償器C7・(z), Cy(z) , 目標値入力R(z)の既約分解表現を次式のよう に表す。

G(z) =一一N(二) D(;; )

Ncy(z) 仇

(z)二一-Y \ - ; Dc(z)

Ncr・(z) Cr(z)二一一一 Dc(z) Nr(ご) R(ご)=一一一 Dr(z)

ロバストトラッキング系のク スは次式で与 え ら れる。 Dc(z) = A(z) - N(z)[F(z) A(z) + Dr(z) P(z)]

Ncy(z) = B(z) + D(z)[F(z) A(z) + Dr(z) P(z)]

Ncr(z) = B(二) + D(z) F(z) A(z) + Dr(z) Q(z)

(A.l)

(A.2)

(A.3) (A.4)

(A.5) (A.6) (A.7) ここで, すべての変数は安定でプロパーな実係数有理関数であり, P(z), Q(z) はその任意の元で, A(ご), B(z), F(z), H(z)は次式を満たす。

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