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7-1 本 研 究 で 得 ら れ た 成 果

本 論 文 で は , レ ー ザ 光 を 用 い た 集 積 回 路 接 合 材 料 ・ デ ィ ス プ レ イ 蛍 光 材 料 の 流 動 制 御 に 関 す る 研 究 に よ り , シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 験 評 価 を 行 う こ と で , 従 来 で は 達 成 で き な か っ た 製 造 工 程 の 生 産 性 や 歩 留 り を 向 上 し , 学 術 的 お よ び , 工 業 的 意 義 を 示 し た .

集 積 回 路 接 合 の は ん だ 材 料 の 流 動 制 御 の 研 究 で は ,4 辺 同 時 レ ー ザ ス キ ャ ン 加 熱 に よ る 0.65 mm ピ ッ チ 100 ピ ン QFP- I C の 全 接 合 部 局 所 は ん だ 付 け プ ロ セ ス を 開 発 し , 考 案 し た 4 辺 同 時 自 動 は ん だ 付 け シ ス テ ム を 量 産 に 寄 与 さ せ た . デ ィ ス プ レ イ 蛍 光 パ ネ ル の 蛍 光 体 ペ ー ス ト 材 料 の 流 動 制 御 で は ,ギ ャ ッ プ 制 御 に よ る F ED 蛍 光 パ ネ ル の 蛍 光 体 ペ ー ス ト 塗 布 プ ロ セ ス を 開 発 し , ギ ャ ッ プ 制 御 塗 布 と 熱 処 理 し た B M に よ る BC A の 吸 収 で ,B M 開 口 部 に 厚 膜 蛍 光 体 層 の 形 成 を 可 能 と し た .5 つ の 研 究 テ ー マ で 得 ら れ た 成 果 を , 以 下 に 総 括 す る .

7-1.1 4 辺 同 時 レ ー ザ 光 ス キ ャ ン 加 熱 プ ロ セ ス

( 1) 1 台 の レ ー ザ 発 振 器 か ら 発 振 し た レ ー ザ 光 は ,透 過 率 を 設 定 し た ミ ラ ー , 集 光 レ ン ズ , 光 フ ァ イ バ , 調 整 用 遮 蔽 板 を 用 い て 4 分 岐 す る こ と で ,レ ー ザ 光 1本 当 た り の 強 度 は 20 W ±5 % が 得 ら れ る . た だ し ,4 分 岐 の 変 換 効 率 は 65 % と な っ た . ( 2) ガ ル バ ノ モ ー タ で 振 幅 さ せ た ス キ ャ ン ミ ラ ー に 入 射 角 度 を 設

定 し た 2 本 の レ ー ザ 光 を 照 射 し , こ の 2 台 の 機 構 を 直 交 か つ 上 下 方 向 に 配 置 す る こ と で ,任 意 の 四 角 形 の 外 形 上 に レ ー ザ 光 の ス キ ャ ン ラ イ ン を 自 動 調 整 し て 供 給 す る 装 置 を 開 発 し た .

( 3) レ ー ザ 光 ス キ ャ ン ラ イ ン 上 の 温 度 は ,レ ー ザ 光 の エ ネ ル ギ ー 吸

収 率 ,被 照 射 物 の 熱 拡 散 定 数 や 熱 伝 導 度 に 依 存 す る .加 熱 接 合 部 の 昇 温 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 と 放 射 温 度 計 に よ る 温 度 測 定 結 果 は , 一 致 し た 挙 動 を 示 し た .

( 4) 実 験 の 結 果 か ら ,0 .65 mm ピ ッ チ 10 0 ピ ン Q FP- I C の 接 合 部 の

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均 一 昇 温 条 件 と し て ,最 適 な ス キ ャ ン 周 波 数 は 40 Hz で あ る . レ ー ザ 光 の 出 力 2 0 W,レ ー ザ 光 径 4 m mを ス キ ャ ン し た 場 合 , ス キ ャ ン ラ イ ン の 端 と 中 央 部 の 接 合 部 の 温 度 は ,6 秒 で 200 °C を 超 え る .

7-1.2 QFP-IC4 辺 同 時 は ん だ 付 け 装 置 ・ プ ロ セ ス

( 1) デ ィ ス ペ ン ス 塗 布 に よ る は ん だ ペ ー ス ト の 塗 布 量 制 御 因 子 は , ペ ー ス ト の 粘 度 ,ノ ズ ル 径 ,塗 布 圧 力 ,塗 布 時 間 ,ノ ズ ル と 基 板 の ギ ャ ッ プ 量 で 決 定 さ れ る . ノ ズ ル と PC B の ギ ャ ッ プ 量 の 制 御 に は ,機 械 式 倣 い 機 構 を 使 用 し た が ,接 触 式 の た め に 塗 布 速 度 が 上 げ ら れ な い こ と が 課 題 と な っ た .

( 2) 0.65 mm ピ ッ チ 1 00 ピ ン QFP- I C の 自 動 は ん だ 付 け シ ス テ ム を 開 発 し た .4 辺 同 時 レ ー ザ 光 ス キ ャ ン 加 熱 の 最 適 条 件 は ,レ ー ザ 光 径 4 mm, ス キ ャ ン 周 波 数 4 0 Hz, 照 射 時 間 6 秒 , 加 圧 矯 正 時 間 1 秒 が 最 適 で あ る . 加 圧 矯 正 に よ り , 最 適 な は ん だ ペ ー ス ト 量 は ,0.59〜1.0 5 mg/リ ー ド で あ る . ま た , は ん だ ペ ー ス ト の レ ー ザ 光 吸 収 率 が 高 い た め ,は ん だ 付 け の 温 度 は ペ ー ス ト が な い 場 合 よ り も 高 く な る .

( 3) ス キ ャ ン 加 熱 の モ デ ル 式 , 熱 電 対 に よ る は ん だ 付 け 温 度 測 定 , 赤 外 線 放 射 温 度 カ メ ラ に よ る PCB の 温 度 測 定 で は , と も に 中 央 部 が 端 部 よ り 温 度 が 高 く な っ た .こ れ は ,ス キ ャ ン ラ イ ン の 中 央 部 と 端 部 で ,熱 拡 散 定 数 や 熱 伝 導 度 が 違 う た め と 考 え ら れ る .

( 4) QFP- I C パ ッ ケ ー ジ 内 の 温 度 は , レ ー ザ 照 射 終 了 後 も 141 ° C ま で 上 昇 し た が , パ ッ ケ ー ジ モ ー ル ド の 許 容 温 度 以 内 の た め , 熱 ス ト レ ス に よ る パ ッ ケ ー ジ ダ メ ー ジ は 少 な い と い え る .鉛 フ リ ー は ん だ 材 な ど の 高 温 は ん だ 材 へ の 適 用 に は ,接 合 後 の 冷 却 機 能 の 検 討 も 必 要 で あ る .

( 5) 0.65 mm ピ ッ チ 10 0 ピ ン Q FP- I C へ の 溶 融 は ん だ 量 の 制 御 を , コ プ ナ ラ リ テ ィ の 加 圧 矯 正 機 構 で 行 う こ と で ,は ん だ 付 け 不 良 は 低 減 で き る .フ ラ ッ ク ス に よ る ボ イ ド の 残 留 も ,こ の 加 圧 機

- 132 - 構 で 低 減 で き る .

( 6) 本 加 熱 プ ロ セ ス は ,セ ル フ ア ラ イ メ ン ト 効 果 が あ り ,マ ウ ン ト 位 置 精 度± 50 µ m よ り も 接 合 位 置 精 度 は 向 上 す る .本 プ ロ セ ス で の 位 置 ず れ の 要 因 は , 加 圧 機 構 の 加 圧 方 向 と PCB の 受 け 機 構 の 間 で の 軸 ず れ に よ る と 考 え ら れ る .

( 7) は ん だ 付 け 部 の 接 合 強 度 は ,TC T 10 00 サ イ ク ル 後 も 規 定 値 の

19.6 N 以 上 を 維 持 し た .破 断 面 の S EM 観 察 か ら も ,他 の リ フ

ロ ー 方 式 と 同 等 品 質 の 接 合 信 頼 性 が 確 認 で き た .引 張 試 験 の 破 断 箇 所 の 状 態 か ら は ,接 合 部 の 位 置 ず れ が 接 合 強 度 低 下 の 要 因 で あ る こ と が 考 え ら れ る .

7-1.3 蛍 光 体 ペ ー ス ト の デ ィ ス ペ ン ス 塗 布 プ ロ セ ス

( 1) 蛍 光 体 ペ ー ス ト の 均 一 デ ィ ス ペ ン ス 塗 布 の た め ,非 接 触 の レ ー ザ 変 位 計 で ノ ズ ル と ガ ラ ス 基 板 の ギ ャ ッ プ 量 計 測 を 行 う 装 置 を 開 発 し た .ギ ャ ッ プ 制 御 系 の フ ィ ー ド バ ッ ク ゲ イ ン の 適 正 化 に よ り ,ギ ャ ッ プ 位 置 決 め で の 位 置 ば ら つ き 量 は 3 µ m 以 内 で あ る .

( 2) レ ー ザ 変 位 計 で ,塗 布 断 面 積 を 測 定 す る 装 置 を 開 発 し た .レ ー ザ 変 位 計 の 特 性 上 ,塗 布 断 面 に 対 す る レ ー ザ 走 査 方 向 は ,平 行 方 向 に 走 査 す る こ と が 適 正 で あ る .

( 3) 塗 布 量 の ば ら つ き 量 は ,シ ミ ュ レ ー シ ョ ン か ら ,ノ ズ ル 径 ,塗

布 圧 力 ,ノ ズ ル と ガ ラ ス 基 板 の ギ ャ ッ プ 量 ,塗 布 材 料 の 粘 度 に 依 存 す る こ と が 明 ら か に な っ た . 塗 布 断 面 積 2050 µ m2 を 得 る 最 適 条 件 は , ノ ズ ル 径 0.14 mm, 塗 布 圧 力 0. 5 M Pa, 塗 布 速 度 125 mm/ s, ギ ャ ッ プ 量 30~70 µ m で あ る .

7-1.4 蛍 光 体 ペ ー ス ト の 厚 膜 形 成 プ ロ セ ス

( 1) 熱 処 理 し た BM 付 き ガ ラ ス 基 板 に 塗 布 し た 蛍 光 体 ペ ー ス ト は ,

塗 布 後 も そ の 形 状 を 維 持 す る .こ れ は ,蛍 光 体 ペ ー ス ト に 含 ま れ る BC A が 急 速 に 熱 処 理 さ れ た B M に 吸 収 さ れ ,BC A 以 外 の 成 分 が B M 上 を 拡 散 し な い た め と 考 え ら れ る .

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( 2) 熱 処 理 し た BM 付 き ガ ラ ス 基 板 に , 内 径 0.14 m m の ノ ズ ル で , 基 板 と ノ ズ ル 間 の ギ ャ ッ プ 量 を 30 µ m に 制 御 し , 蛍 光 体 ペ ー ス ト を 塗 布 し た 場 合 , 塗 布 厚 さ は 14 ±1 µ m と な る . 圧 力 変 動 に よ る 塗 布 量 増 減 が あ っ て も ,塗 布 幅 の み に 影 響 し ,塗 布 厚 さ は 一 定 と な る .こ の 理 由 と し て ,塗 布 圧 力 が 変 動 し て も 狭 ギ ャ ッ プ の 制 御 が ,塗 布 ペ ー ス ト の 厚 さ 方 向 に 一 定 の 圧 力 を 発 生 さ せ る た め と 考 え ら れ る .

( 3) 蛍 光 体 層 の BM 開 口 方 向 の 寸 法 精 度 は ,裏 面 露 光・剥 離 ,熱 処 理 で の プ ロ セ ス に 依 存 す る .一 方 ,厚 さ の 精 度 は ,ギ ャ ッ プ 制 御 下 の 蛍 光 体 ペ ー ス ト 塗 布 厚 さ 制 御 と ,蛍 光 体 ペ ー ス ト 塗 布 の 固 形 分 含 有 率 に 依 存 す る .こ れ ら は ,別 々 の プ ロ セ ス で 制 御 す る た め ,本 プ ロ セ ス は ,厚 膜 蛍 光 体 層 形 成 の 制 御 を 容 易 に す る と い え る .

( 4) 熱 処 理 後 の 蛍 光 体 層 を SE M 観 察 し た 結 果 ,55 wt % の 蛍 光 体 材 を 含 有 す る 蛍 光 体 ペ ー ス ト を 塗 布 厚 さ 14.5 ±2.7 µ m で 塗 布 す れ ば , 蛍 光 体 層 の 厚 さ は ,8±1.5 µ m に 形 成 で き る . 蛍 光 体 層 内 の 蛍 光 体 の 粒 径 は ,1~4 µ m で あ る た め , 大 型 パ ネ ル 製 造 で ,蛍 光 体 層 の 厚 さ を 維 持 す る に は ,蛍 光 体 層 の 平 坦 化 処 理 プ ロ セ ス を 検 討 す る 必 要 が あ る .

7-1.5 マ ル チ ノ ズ ル ユ ニ ッ ト の 塗 布 制 御 プ ロ セ ス

( 1) シ ン グ ル ノ ズ ル 塗 布 の 問 題 で あ っ た 低 い 生 産 性 を 向 上 す る マ

ル チ ノ ズ ル ユ ニ ッ ト を 開 発 し た .デ ィ ス プ レ イ の 画 素 構 成 か ら , ユ ニ ッ ト あ た り の 塗 布 ノ ズ ル 数 16 本 と し た .こ の ノ ズ ル の ピ ッ チ が ,3 台 の ユ ニ ッ ト 間 で も 成 立 す る マ ル チ ノ ズ ル ヘ ッ ド を 考 案 し , 各 ユ ニ ッ ト の 塗 布 位 置 を 塗 布 圧 力 で 制 御 す る こ と で , 塗 布 ピ ッ チ は 維 持 で き る .

( 2) シ ン グ ル ノ ズ ル 塗 布 の 研 究 を 基 に ,マ ル チ ノ ズ ル ユ ニ ッ ト の 寸

法 を 決 定 し , 片 側 8 本 の 塗 布 ノ ズ ル の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン モ デ ル で ,ユ ニ ッ ト 内 の 圧 力 と 流 速 を 見 出 し た .シ ン グ ル ノ ズ ル の 実 験 結 果 と 上 記 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 の 差 異 は ,6.6 % で あ

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っ た .片 側 8 本 の 塗 布 ノ ズ ル が 2050 ±150 µ m2 の 塗 布 断 面 積 で 塗 布 す る 条 件 は , 塗 布 圧 力 が 3.5 M P a で あ る .

( 3) 片 側 8 本 の 塗 布 ノ ズ ル の 塗 布 断 面 積 の 測 定 か ら , 圧 力 損 失 に よ る 塗 布 量 の ば ら つ き は ,12 % を 確 認 し た . シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果 の 10 % を 超 え た 理 由 は ,塗 布 ノ ズ ル 径 の ば ら つ き な ど の 加 工 上 の ば ら つ き の 影 響 と 考 え る .

( 4) 3 色 の 蛍 光 体 ペ ー ス ト が 隣 接 す る 場 合 ,塗 布 後 の 形 状 が 維 持 可 能 な 塗 布 ピ ッ チ は , 210 µ m 以 上 で あ る .熱 処 理 さ れ た BM 内 を 拡 散 す る BC A が 重 な ら な い ピ ッ チ で 塗 布 す る こ と で ,蛍 光 体 ペ ー ス ト の 形 状 は 維 持 で き る .こ の 条 件 で 全 色 を 塗 布 で き れ ば , 裏 面 露 光 , 剥 離 , 熱 処 理 の 工 程 は ,3 回 か ら 1 回 と な り , 製 造 コ ス ト が 低 減 で き る こ と の 指 針 を 示 し た .

7-2 今 後 の 課 題 と 展 望

集 積 回 路 基 板 の 接 合 材 の 流 動 制 御 の 研 究 で は , 今 後 , 環 境 を 配 慮 し た 接 合 材 料 の 鉛 フ リ ー 化 に よ る 高 温 加 熱 へ の 耐 熱 対 応 や ,Q F N な ど の J 型 リ ー ド 化 で , 極 力 パ ッ ケ ー ジ 外 周 に リ ー ド を 出 さ な い 部 品 の は ん だ 付 け が 必 要 と な っ て い る .

デ ィ ス プ レ イ の 蛍 光 体 材 料 の 流 動 制 御 の 研 究 で は , デ ィ ス プ レ イ の 画 素 狭 ピ ッ チ 化 で , 隣 接 し た 蛍 光 体 ペ ー ス ト の 塗 布 と 形 状 維 持 の プ ロ セ ス お よ び 材 料 開 発 が 必 要 と な っ て い る . ま た , デ ィ ス ペ ン ス 塗 布 の 高 速 化 , マ ル チ ノ ズ ル ユ ニ ッ ト の 安 定 塗 布 制 御 や 大 判 ガ ラ ス 基 板 対 応 な ど は , 量 産 装 置 に 向 け た 今 後 の 課 題 で あ る .

今 後 , 研 究 の オ リ ジ ナ リ テ ィ で あ る 非 接 触 加 熱 と 非 接 触 計 測 の 技 術 は , 半 導 体 チ ッ プ や 電 子 部 品 上 に ア ウ タ ー リ ー ド 部 品 を 積 層 す る 3 次 元 実 装 や , 微 細 で ア ス ペ ク ト 比 の 高 い 壁 形 成 を 行 う 3 次 元 造 形 な ど へ の 技 術 展 開 も 期 待 で き る . 今 後 , レ ー ザ 発 振 器 の 性 能 向 上 と 低 価 格 化 が 進 め ば , さ ら に レ ー ザ 技 術 を 応 用 し た プ ロ セ ス 装 置 の 生 産 寄 与 が 期 待 さ れ る .

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